「優しさ」という名の、棘(プロセカ瑞希イベスト感想)
この記事はプロジェクトセカイカラフルステージfeat初音ミクの現在のイベントストーリー「荊棘の道は何処へ」のネタバレを含みます。
今回のイベストで瑞希は秘密を打ち明けようと決意する。
打ち明ける前に三人が、瑞希に言葉を掛ける。そのどれもが優しくて、暖かい。
7話「キミの顔」で、瑞希の秘密を知っているクラスメートが絵名におちゃらけて話をして絵名はそれを知る。
絵名は、それを聞いて動揺し、瑞希は逃げ出す。
瑞希は変わることを極端に恐れる。
その理由が、8話「ごめんね」で話された通り、カミングアウトしてもみんなの中に「優しさ」が生まれるのがどうしようもなく嫌。
瑞希は、まふゆ、絵名達を見ていたから、そういうぎこちない関係が嫌なんだと思う。
ぶつかるってほどじゃなくとも、正面から認めてもらいたいんだと思う。
でも実際問題、人の意思ってのは変えられないし、少しでもそう思ってしまったらたぶん転がるように落ちていく。
瑞希の問題だってサービス終了まで敢えてあやふやにしてすればいいのに、運営は男と性別はっきり示した。
この問題は、誰もが理解するっていつのは難しいし、嫌悪感は出さずとも「優しさ」という棘で壊れないように接する人もいる。
中途半端な「優しさ」は人を傷つける。
相手は優しさで自分と相手を守ってるのかもしれないけど、当の本人は「あーあ」っていう失望を味わう。
わかってくれないんだと。
おそらく瑞希も幾度となく「優しさ」で傷付いてきた。
瑞希の明るい態度はこのどうしようもない現実を、誰も見てくれない自分を見てもらうための処世術だったのかもしれない。
瑞希が一番嫌だったことが、分かりやすい悪意じゃなくて「優しさ」という棘で接し腫れ物扱いされるのが嫌だったんだろう。
だから期待しても無駄って考えに至って、一時期は荒れていた。
そんな思いを掬い上げたのが、瑞希の姉だ。
ありのままでいいと教えてくれ、瑞希は暁山瑞希を着飾る。
自分が好きだから
自分を好きでいたいから
好きを手放さないでいる。
全てを諦めたはずだったのに、自分を本当の意味で見てくれるかもしれない光、ニーゴと出会う。
そんな彼女たちだから、他の人の同じように「優しさ」の棘が生まれて欲しくない。
その光は特別であって欲しいから、ずっと現状維持を続けていた。
それは以ってすれば、瑞希のワガママなのかもしれないけれど、願いでもあると、思う。
逃げずに答えを出そうとした瑞希の結末が最悪なはずがない。
25時を超えた先でも、その針は壊れずに光り輝いているはずだ。
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