学生が終わった

少し前に大学を卒業した。
振り返ると、私の人生のほとんどは"学生"という身分で過ごしていた。
そんな愛着のある身分を捨て、遂に社会人並びに会社員という肩書きを背負うことになる。というかなった。昨日。

大学の卒業式はなんとなく寂しかった。
今まで経験した小中高よりも、どこか質量を感じる、そんな感傷を抱いていた気がする。

その日私は何回も「本当に学生終わるんだなぁ」と呟いていた。
どこかフワフワして、でも目に見える皆んなは笑っていて、目の奥に一抹の寂しさを蓄えていて。
たくさんの複雑な感情があちらこちらで浮いて、弾けていた。あの日。もう1週間ほど前になる。鮮明だ。まだ。

さよならだけが人生だとはよく言う。私が好きな言葉の一つである。
別れの言葉を祈るように言ったのは、多分久しぶりのことだったと思う。
さよならは、また会うためのおまじない。

日々を生きて、ふと振り返った時に、セピア色の思い出としてこの記憶が残っていたら良い。そのように祈りながら。


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