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2020年の障害騎手を振り返る①障害騎手・安全運転ランキング

元々美浦の秘密兵器を褒め称えるために温めていた企画でしたが、秘密兵器が年末最後の大舞台で落馬。モチベーションが下がり、年明けの公開となりました。

企画の趣旨

障害レースに騎乗した騎手の競走中止回数を、騎乗数で割ってパーセンテージを算出。平地での走行中止はノーカウントとしました。
競走中止については、落馬した場合も馬が走るのを止めた場合も分けずに計算しております。
落馬が少ない人、多い人に共通点はあるのか?を考えてみようと思って始めた企画です。馬の生死に関わる問題でもあり、内容については配慮しましたが、不快な点があれば教えて下さい。

走行中止が少ないと何が良いのか?

・馬サイドからすれば怪我や予後不良のリスクが下がる
・馬主としては賞金なり出走報奨金なりをゲットできる確率が高まる
・馬券購入者は落馬によって馬券を外す可能性が下がる
・完走率が低い障害レースでは競争中止の少なさは褒め称えられるべき

思い当たるものではこんなところでしょうか。

それでは早速見ていきましょう。

完走率100%

高田潤  (56/56)
佐久間寛志(32/32)
高野和馬 (24/24)
伊藤工真 (23/23)
三津谷隼人(15/15)
鈴木慶太 (13/13)

普段騎乗機会が少ない騎手が目立ちますね。そんな中、56回騎乗してすべて完走した高田騎手は立派です!高田騎手、2019年も完走率100%を達成しています。この中には中山大障害や中山グランドジャンプなどの難易度の高いレースも当然含まれており、改めて騎乗技術の高さを感じますね。
佐久間騎手は2018年も完走率100%でした。伊藤騎手は2019年・2020年と2年続けて完走率100%を達成(※2020年に平地で一度落馬あり)。伊藤騎手と三津谷騎手は、騎手になってから障害レースでまだ一度しか落馬したことがありません。鈴木騎手は直近の落馬が2018年、それ以前の落馬が2014年と、美浦の最終兵器っぷりを発揮していますね…。
特筆すべきなのは高野騎手。2019年に8回、2018年に6回競走中止があり、極端に数値が良くない騎手でしたが、昨年は完走率100%を達成しました。2020年は2年ぶりの勝利も飾るなど、調子が良かったのかもしれません。

完走率97%~99%

大江原圭 (75/76) 98.7%
草野太郎 (89/91) 97.8%
植野貴也 (79/81) 97.5%
黒岩悠  (35/36) 97.2%

…言っちゃあなんですが、馬質に恵まれていない感のある面子が並んでいますね。ちなみに大江原騎手は中山大障害での落馬がなければ完走率100%で、完走率リーディング1位でした…。
大江原・草野・植野の3人は騎乗回数が多い割に完走率が高く、立派だと思います。このうち大江原騎手と植野騎手は例年完走率が高い傾向にあります。騎乗技術が高いということは当然あるんでしょうが、平地力が足りず飛越の上手さで勝負する馬が多いことも関係しているのかもしれません。
草野騎手は2019年5回、2018年6回競走中止があり、2020年は大幅に良化。久々に重賞も勝ちましたし、去年は良い年だったんじゃないでしょうか。

完走率95%~96%

伴啓太  (61/63) 96.8%
蓑島靖典 (46/48) 95.8%
小坂忠士 (40/42) 95.2%
北沢伸也 (78/82) 95.1%
中村将之 (38/40) 95.0%

ここまでが成績上位15人です。なかなか共通点を見出すのが難しい面子が並びました。ただ、この5人の中で中村騎手以外の4人は今年のJGIに騎乗しており、中村騎手もJGII・JGIII合わせて5回騎乗しています。難度の高いレースを走っていることを考えると、騎乗技術はあると言えるのかもしれません。
この中だと、乗り替わりが多い中で競走中止が少なかった伴騎手と、騎乗回数の割に競走中止が少なかった北沢騎手が目立つ感じでしょうか。それと、小坂騎手は元々競走中止が少ない傾向にあるようです。

完走率93%~94%

金子光希 (34/36) 94.4%
難波剛健 (34/36) 94.4%
大庭和弥 (34/36) 94.4%
森一馬  (66/70) 94.3%
五十嵐雄祐(96/102) 94.1%
白浜雄造 (48/51) 94.1%
小野寺祐太(60/64) 93.8%

ここからが成績下位15人です。障害騎手リーディングの森騎手の名前もありますね。
金子騎手・難波騎手は本来もう少し上位に来ても良いはずですが、騎乗回数が少なかったこと(難波騎手は落馬の際の怪我が影響しました)で完走率が低くなりました。
特筆すべきなのは五十嵐騎手と白浜騎手です。五十嵐騎手は2020年の障害騎手の中で、唯一騎乗機会が100回を超えています。落馬の多い障害騎手で100回以上の騎乗機会を確保するのはまさに鉄人。ただし、今年は中山新春ジャンプステークスでいきなり落馬骨折したため、騎乗機会100回超えはなさそうです。また、白浜騎手は2019年は完走率100%を達成しています。障害リーディング2位だった2019年と比べると、勝数(13→3)、完走率(100%→94%)、騎乗機会(63→48)と大幅に数値を落としています。ただし、例年3勝~5勝程度で推移している騎手なので、2019年だけ絶好調だったと考えるのが自然かもしれません。

完走率92%以下

熊沢重文 (63/68) 92.6%
上野翔  (79/86) 91.9%
山本康志 (45/49) 91.8%
石神深一 (53/58) 91.4%
田村太雅 (21/23) 91.3%
平沢健治 (52/57) 91.2%
江田勇亮 (39/43) 90.7%
西谷誠  (55/62) 88.7%

障害リーディング2位・3位の名前があります。騎乗機会が少なかった田村騎手以外は4回以上の競争中止がありました。
リーディング2位の石神騎手ですが、5回の競争中止のうち3回が新潟。長期離脱する怪我も新潟での落馬が原因で、これさえなければリーディング1位も狙えただけに非常にもったいなかったです。今年の新潟開催では警戒した方が良さそうです。ちなみに、2019年の競争中止は1度だけで、騎乗技術自体は高い騎手だと思います。
また、リーディング3位で一部では神と称される平沢騎手ですが、完走率は高くありませんでした。詳しく見てみると、昨年あった5回の競争中止のうち4回が未勝利戦で、未勝利戦4回のうち3回が初障害で1回は乗り替わり、1回あったオープン戦での競争中止は昇級初戦、という感じでした。初障害だから様子見…という騎乗が少ない騎手なので、その辺りも影響しているのかもしれません。

競争中止が7回と最多だったのが、上野騎手と西谷騎手です。西谷騎手については、30人の障害騎手の中で唯一完走率が90%を下回りました。
まず、上野騎手ですが元々走行中止の多い騎手です(2019年4回、2018年4回)。昨年に関しては、6年ぶりのJGIの騎乗となる中山グランドジャンプでも走行中止となってしまいました。上野騎手は10月に落馬で怪我をして11月の騎乗がゼロになるなど、去年は調子が悪かったのかもしれません。
次に西谷騎手ですが、例年は走行中止になること自体が少ない騎手だと思います(2019年・2018年ともに2回)。また、5/31アンドレアス→6/7テイエムディランのように、走行中止が連続する傾向があるようです。単純に衰えたのか、得意な小倉競馬の開催じたいが少なかったことが影響したのかは分かりません。ただし、極端な逃げor追い込みしかしない最近の騎乗スタイルと、昨年の走行中止率の高さから、西谷先生から流す馬券や、西谷先生が頭の馬券は危険極まりないとだけ言っておきましょう。

まとめ

数字並べただけなので、まとめもクソもないんですが一応…。

・高田潤は落馬しない
・騎乗回数が多い騎手で走行中止が少ないのが大江原・草野・植野
・騎乗回数が多い騎手で走行中止が多いのが熊沢・上野・西谷
・騎乗回数が30回未満の騎手の完走率は高い
・20代の騎手の完走率は高い
・新潟で石神を買う時は要注意

今年に関しては、小倉開催が増えるため西谷先生の成績は良化する可能性があります。また、高田騎手、大江原騎手、植野騎手あたりはコンスタントに競争中止が少なく、3人とも複勝率が上位15位内に入っているので馬券を買いやすいかもしれません。
そんなことを書いている私ですが、昨年の障害騎手の回収率は難波騎手以外全員100%割れなので信用できませんね。このデータを参考に、まずは私の馬券回収率を高めていきたいです!!

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