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労働生産性改善の意識(その3)

さて、部下を育成し成長したら、ちょっとだけ自部門にいてもらって活躍してもらうとして、なるべく早く他部門へリリースしましょう。
「せっかく育てたのに・・もったいない」という声が聞こえてきそうです。
何故こうするかというと、大きく2つの理由があります。

(1)全体最適
会社全体で見たら自部門はごくごく一部の部門でしかない。その部門だけ良ければいいわけではなく、全社が良くならないといけない。
企業はお客様に価値を提供してその対価をいただくというのが基本ですから、部門個別の論理などはどうでもよくて、お客様には何の関係も無いのです。
ですので、企業全体が効率良くお客様へ価値提供ができるようになることを目指さなくてはなりません。
自部門の改善余地より、もっと改善余地が広い部門があったら、そこで優秀な人材には活躍してもらった方が全体最適の観点では有効です。

(2)教育的投資
育った部下はまだまだ成長します。そのためには「百聞は一見にしかず」ですので、いろいろな部門でいろいろな実体験を積んでもらいましょう。
そうすることでその人が将来経営層にまで成長するかもしれません。
こんな人が会社の中でいっぱいいると、ものすごく頼もしいですよね。

そもそも教育は経費ではありますが投資であって、家賃とかガソリン代とかの単なる経費とは違います。必ずリターンがあります。
ですので、教育によって部下が成長したということは、成果が上がったのと同じですから、考え方として前回書いた労働生産性の分子(=成果)に入れてもいいと思います。時間をかけてもやる意味があります。

部分最適、つまり自部門の目標達成が最優先というマネジャーは、優秀な人材を囲おうとしますし、できれば自部門をどんどん大きくしていって名声を上げたいと思うでしょう。
でも、これはまったく逆です。
自部門が無くなる事、これが最高に効率化できたという発想です。
営業だろうが、開発だろうが、総人経だろうが、情シスだろうが、どんな部門も同じ。
・営業しなくても売れるようになれば→営業部門の縮小が可能
・開発効率が格段にあがれば→開発部門の縮小が可能
・人事プロセス、経理プロセスの簡素化や自動化→部門の縮小が可能
自部門を大きくするということは、もしかしたら無駄な仕事を増やしているだけかもしれませんよね。

(次回に続く)

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