Thank you letter in 蒸奇博2024
前書き
今月12日・13日は関東における(おそらく)最大級のスチームパンクイベント、蒸奇博に出展してきました。
噂は予々伺っていたのですが、周りの作家さん方も来場されていたお客様方もスチームパンクなレベルが高く、Mewksがどこまでやれるか実力試しとして出たのですが、結果は過去最高売上を達成する結果となりました。
初出展にも関わらず、たくさんの方々に作品を閲覧、あるいは購入頂いた事を大変嬉しく思います。
改めて運営チームの皆様方、周辺出展者の方々、また来訪頂いた方々への感謝を申し上げたく思います。本当にありがとうございました。
今回の体感
【1日目】
さて初日なんですが、こちらは概ね予想通りというか、衣装をしっかり着込んだ方々が非常に多く、対応させて頂くだけで学びとなる事が多い1日だったと思います。
例えばMewksは現状“ギアーズパンク”の域を出ていないと自分では考えているんですが、お客様方はやはりレベルの高い方々が多く、どういう傾向のもの(色、形状、大きさ等)が好まれているのか、等を参考にさせて頂けました。次回作への参考にさせて頂きたく思います。
初日でMewksの理念の一つである“誰でもどこでもいつでも”を体現したシリーズ2作はそれぞれ75%、完売と2日目の在庫が全く足りない状態となっていました。この点は次回以降でより多くの在庫を用意して対応させて頂きます。
【2日目】
初日で目玉がほぼ捌けてしまい、売るものがない状態で迎えた二日目。ただ、市場分析的な話とはなりますが結果的に二日目はMewksの目玉よりも小物を増やすべきだったかと思いました。
というのも初日と比較して一般層の方や“これからジャンルに触ってみたい人”という方が多く、また子どもらがお小遣いを持って探し物に来る、という微笑ましい姿も見られた事から“Mewks的には高値帯のもの”よりも“イベントを楽しむための低価格帯作品”の方がよく売れており、こちらを強化するべきだったかと思いました。
また、二日目では面白い知見を得る事もできました。
お客様の一人がMewks製のペンダントから指輪(フィンガーブレスレットタイプ) の物を現地で開発されており、それを拝見させて頂く機会がありました。
拝見させて頂いた以降は購入頂いた方々に紹介させて頂いたのですが、こちらは次回以降のペンダントトップで最適化したり、その使い方を紹介させて頂くことでペンダントの使い道を3Wayモデルとして販売させて頂こうと思います。
もう一つの知見としては薬莢のリングをスカーフの留め具に使う方が居たことで、指輪の紹介をする際の幅も広がりました。
実際お二人の使い方は普段でも見たことがなく、先進的な着用方法が非常に勉強になりました。
Mewksで販売している物の名前はあくまでも“便宜上”の名称なので、他の用途で使えると思ったらその用途で使えば良いんです。店主はあくまで“創作家であり商人”であって、“文化人”ではないですからね。
SteamMewksの運営報告
制作終了品の話
SteamMewksの前身を含めた8年間、合計で500個以上製作を行ってきたブローチですが、既存の形状のブローチの販売は今回の蒸奇博をもって終了とさせて頂きました。
というのもこのブローチ、かつては非常に画期的な物だったんですが、ツインクリップを開発して以降は影が薄く、また“ブローチでできる事”は全て“ツインクリップでできる事”に含まれてしまったんですね。
ツインクリップの開発開始から3年が経過しているにも関わらず、今なお新たな使い方が発見され続けている汎用性の装飾品とどちらが良いかは一目瞭然、ブローチがツインクリップの下位互換となっている状態での製作は無意味と考え、こちらを終了する決断を下しました。
今後はツインクリップ側のアップデートに集中しつつ、1ロット10個の体制を維持しつつ“毎回違うデザイン、一期一会”をテーマにした制作に移る予定になります。
年内にはその第一弾が完成予定なので、続報をお待ち下さい。
また、デッドストックの消費が完了した各種装飾品も多数取り扱い終了となります。
いずれも新規デザインは完了している為、姿を変えての再登場となりますのでお楽しみに。
新作の話
前々からこういう、ワイヤーで作るタイプの装飾品に興味があったんですよ。今回蒸奇博でも実物を発見する事はできなかったんですが、似たようなことを銀ロウでやってる方は数名見かけ、そこから着想を得て「じゃあやってみるか…」となった感じです。
宝石は海外バイヤーを含む数名の方と取引があるんですが、海外仕入れだと実物が見れないせいで想定以上の大きさの宝石が時たま紛れるんですよね。
そうなるとMewksが現状でなにかに活かすことができなかった都合、どうしても不良資材にするしかなかったんですが、これが成功するなら多分それが解消されるようになると思います。
ペンダントトップのみでの販売でも通用する事は今回の蒸奇博でも確認できたので、開発終了次第コレも取り扱うと思います。
それからブローチは現行から10世代前のものにデザインを戻しつつ、ツインクリップから得た諸々をブローチ側に導入する事でマイナーチェンジを実施しました。
欲を言えば初期の頃の物量に物を言わせたようなデザインもやりたいんですが、そっちはそっちで色々問題があるんです…。
前述の通りで現行モデルのブローチが開発終了となるのは、コイツに派生したからというのが一つの理由でもあります。
雪月堂の作品の取り扱いについて
何回かアナウンスしました通り、店主の結婚に伴い嫁の個人サークル活動“雪月堂”を経理上の理由からSteamMewksの一部門として吸収しました。
スチームパンクをメインとする“SteamMewks”、錬金術をメインとする“AlchemistMewks”に続く3つ目の部門ですが、こちらの創作物に関しては店主ではなく従来通り嫁が制作を行う事となります。
これによりお互いの活動で作っている資材や作品の技術流用が可能となる他、それぞれの出展の際はお互いの作品を持ち込むことが可能になる形です。
そんな感じです。
年内の活動方針
出展について
蒸奇博2024をもって年内の出展予定は全て終了しました。今年度もご愛顧頂き誠にありがとうございました。
来年度もデザフェスと蒸奇博をメインに考えておりますが、前者は抽選制になってしまった事で活動継続できるかが不明瞭となります。
その事もあってHMJへの出展を考えている所ですが、1月は個人的な予定、確定申告なんかの事務が立て込む為出展予定は無いです。
それから例のAlchemistMewksの方も、星降る森の魔法市をメインに活動開始を検討中となります。
現状で資材を生み出す事は成功している為、そちらもお楽しみに。SteamMewksの今回で出した一部はそちら側の技術の流用だったりしますし。
制作について
年内は先述の新作の開発に集中する予定ですが、並行してツインクリップやブローチ、シャトレーヌなんかは制作を行う予定です。
現在Mewks以外の要因なども含めて活動が不明瞭なままですが、新作構想自体は常にあるので継続中は常に新作を出し続けられるとは考えております。
宝石研磨については冬が近づくにつれて難易度が上がる為、状況と相談しつつ真鍮品の開発がメインになると予想しています。
締め
今回蒸奇博に参加した事で、自分の見聞が広がった事、自分自身の触れなかった分野への派生方法、新しい出会い、あるいはかつてMewksを訪れて下さった方々からの感想。
それらを総括して、今回出展したことは非常に有意義な経験だったと思います。
度々案内している通り、あと何回出店できるか、あと何年活動できるかも不明瞭な身ではあります。
その中でも変わらず活動を支えて下さってる皆様方のおかげで稚拙ながらも創作を続けられることを嬉しく思います。
長ったらしく真面目な文章として語りましたが、いつも通りMewksは“ちゅーるあげたら撫でさせてくれる猫”みたいなスタンスで気ままに活動を継続させて頂くので、これからも“珍獣がなんか変なもん作ってるなあ…”とか“まーた新しい事始めてる”とか“意味不明な技術を持ち出してきた”とか好きに思いながらお付き合い頂ければ幸いです。
この度はご来訪頂き、誠にありがとうございました。来年度も進化を続ける所存ですので、Mewksをよろしくお願い致します。
来年度こそ、にゃんまるシリーズは用意します…