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エクスプローラーの論点(ダスクモーン:戦慄の館)

そろそろ衣替えしたいオーヴァンですよろしくお願いします!

ダスクモーンリリース後のパイオニア大会結果を振り返り、エクスプローラーについて考える記事です。色んなデッキに新カードが採用されていて、目まぐるしい環境速度になんだか戦慄しながら書いています。今回もどうぞ最後までお付き合い下さいよろしくお願いします!

前回記事も併せてよろしくお願いします!
思えば禁止改定から一気に環境が動いていった感じでしたね…

直近の大型大会

9/28-29 City Class Games Showdown VII
10/5-6 SCG CON Washington DC
10/12-13 Champions Cup Final
10/12-13 South East Asia Championship Final
詳細はリンク先を御覧下さい。上記大会Top16のうちエクスプローラーで再現不能なデッキはロータスコンボとグルールゴブリンで、特にロータスコンボの不在は僅かにミッドレンジを上位に押し上げている印象があります。

話題のデッキ

ラクドス果敢

South East Asia Championship Final 優勝

環境の速度を定義するのがラクドス果敢。対抗するために軽い除去の採用が増えており、ラクドス果敢側は《ウラブラスクの溶鉱炉》やプレインズウォーカーで軸をずらして対抗できます。

スタンダード壊しかかってる

スタンダードで人気のダスクモーン新カード《残響の力線》はラクドス果敢では見受けられません。上振れ2キルより安定3キル、といった理由でしょうか?一方《裏の裏まで》は入ってたり入ってなかったり。戦慄予示を取るか《タイタンの力》の占術を取るか、好みで選んで良さそうです。

対抗策の軽い除去としてよく見かけるのが《塔の点火》《軍備放棄》などの追放除去で、《心火の英雄》の死亡時ダメージが飛ばなくなる。インスタント除去なら投げ飛ばしにも割り込めるので尚良し。

【庇護】かばって守ること。(デジタル大辞泉)

使われて滅茶苦茶厳しかった除去がコレ。除去された上にライフを伸ばされてしまうので、攻めてるのにライフレースで勝てなくなってしまう。主にアゾリウススピリットが採用しているカードですが、スピリットが勝ち上がってきていないあたりがメタゲームの妙味なのでしょうか?

アゾリウスコントロール

City Class Games Showdown VII 優勝

他のデッキがラクドス果敢対策に軽い除去を積み始めると、ノンクリーチャーデッキのアゾコンが伸び伸びできる環境になるのは当然。そしてアゾコンはサイドボードの《痛烈な一撃》でラクドス果敢を迎え撃つ。
加えて《真昼の決闘》もラクドス果敢に対する有効牌であり、ついでにイゼフェニ対策も兼ねる。このリストでは不採用だが、パルヘリオン等の墓地利用系デッキ対策に《安らかなる眠り》も積める。サイドボード含めてアゾコンは環境の後押しを受けていますね。

ラクドスツリー

SCG CON Washington DC 優勝

ラクドス大釜とも呼ばれる、コンボ内臓ミッドレンジ。キーカード《地獄の樹》を《アガサの魂の大釜》で煮込んでシュートする。新カード《殺人人形、マーヴィン》は、隣に《地獄の樹》が居れば相手のライフを2点に出来る。通常のラクドスであまり採用されない諜報ランドも、このデッキなら採用も納得ですね。
墓地に送る役はお馴染み《税血の徴収者》と《鏡割りの寓話》、そして

Fear of missing out「FOMO」

もう一枚の新カード《逸失への恐怖》。戦闘フェイズ追加は寓話のトークンや《目玉の暴君の住処》のような攻撃時誘発能力持ちと相性が良さそう。プッシュ環境ではまず生き残れないものの、最低限ルーティングする避雷針として優秀なクリーチャー。ラクドスは幅広くカードタイプを採用するので昂揚を達成しやすく、従来のラクドスミッドレンジでも2マナ域を埋めるのに十分なスペックだと思います。

ラクドス異形化

SCG CON Washington DC 2位

こちらもラクドス。イゼット独創力よりもラクドス異形化が数を増やしています。どのラクドスにも共通して《敵対するもの、オブ・ニクシリス》採用されています。対コントロールに有効なカードですが、異形化ではトークンの供給手段も兼ねるので自然にメイン投入できますね。サクリファイスを重く見たのか《碑出告が全てを貪る》がメイン含め計3枚取られているのも上記リストの特徴です。
異形化から出てくるフィニッシャーは《偉大なる統一者、アトラクサ》が主流ですが、《宝物庫生まれの暴君》などの候補もいます。

SCG CON Washington DC 11位のリストで採用されている

直近ではダスクモーンの顔役、ヴァルガヴオスも立候補しています。
比較すると、
アトラクサ:
・着地時点で膨大なアドバンテージが確定し。2発目の異形化や他のカードを引き込める能力が最も高い。
・除去耐性が低く、3枚の中で最も死にやすい。
・ジェガンサを相棒に取れる。そしてジェガンサの能力からハードキャストできる。
宝物庫生まれの暴君:
・着地時点でアドバンテージ確定。3点ライフが沁みる場面もありそう。
・死んでもトークンが出る。追放でなければ1発まで耐えてくれる。
・カヒーラを相棒に取れる。暴君に警戒と+1修正をくれるものの、相棒単騎ではジェガンサに劣る。
・非伝説なので2体目以降も出せる他《キキジキの鏡像》でコピーできる。これはアトラクサに無い明確なメリット
・宝物2つからハードキャストできる。宝物は寓話のトークンの他に《噴水港》からも供給できる。
ヴァルガヴォス:
・アドバンテージ獲得までが最も遅い。
・相棒が取りづらい。無理やり80枚にしてヨーリオン取ると異形化を引きづらくなる。
・クロックと除去耐性が最も高い。

総合力でアトラクサに軍配が上がりそうですが、ヴァルガヴォスにも一度使ってみたくなる魅力があります。

黒単デーモン

Champions Cup Final 優勝

チャンピオンズカップDay2最多勢力かつワンツーフィニッシュを果たして話題を呼んだ、デーモン主体の黒単ミッドレンジ。スタンダードでもその強さが認知され始めた《止められぬ慚愧》が3マナ域の主役になり、《アクロゾズの放血者》との一撃必殺を搭載しています。

エクスプローラーで「部屋」といえばコレ

同じく4枚投入されているドローソース《不浄な別室》。デーモンがいると「2点ドレインする《ファイレクシアの闘技場》」という言い方だと相当強いのは理解できます。デーモンを定着させられるかどうかがポイントになるのですが、《変わり谷》をエンドに起動することで条件達成を狙います。ズルい・・・。無色土地の採用が必然的に増えてしまいますが、放血者や《絶望招来》の黒マナに困る事が無いのか、実際に回して確かめてみたいところです。

South East Asia Championship Final 10位
Champions Cup Final 4位

上記の2種はラクドス型デーモンと呼べばいいのか、通常のラクドスミッドレンジが部屋+デーモンに寄せた構築と呼べばいいのか…悩みどころです。はい、またラクドスの話になります。「ラクドスと言えば寓話」《鏡割りの寓話》を採用できるのが黒単に無い強みですね。黒単のリストで不採用の《ドロスの魔神》を4枚積んでデーモンに強く寄せている点から、今後の2マナ除去に《無情な行動》を喉首狙いより優先して採用するかも悩みどころです。《逸失への恐怖》も入ってきそう。

パルヘリオンシュート

アブザン型
City Class Games Showdown VII 11位
マルドゥ型
Champions Cup Final 15位

既存のアブザン型は《その名を言え》パッケージを採用しており、新興のマルドゥ型は税血寓話に加えて《逸失への恐怖》でコンボを準備します。どちらもアップデートが入っていますが、

高麗人参みたいな見た目で怖い

いずれも《ベイルマークの大主》が取られています。2マナで脂牙を探すと共に、《エシカの戦車》よろしくミッドレンジ気味に殴ってきます。この点がマルドゥ型再興の理由と言えるでしょう。回収できるのはアバターでない(=大主以外の)クリーチャーかPWなので、脂牙は回収できても土地は拾えない点に注意が必要で、土地回りの安定感はアブザン型に軍配が上がりそうです。

エニグマヨーリオン

※アリーナでは《岩への繋ぎ止め》が未実装なのに注意。

City Class Games Showdown VII 準優勝
South East Asia Championship Final 準優勝

ケルーガファイアーズの系譜ですが、《創案の火》が完全に抜けてしまいました。それほどまでに大主サイクル、もとい《ホーントウッドの大主》の存在感が色濃く出ています。

こいつは顔面が怖い

《豆の木をのぼれ》→大主兆候→《力線の束縛》+エニグマで4t目に6or7マナのクリーチャーまで辿り着ける。ボイラービルジの大主経由で4点飛ばして7マナ呼ぶのも相当強い。スタンダードのドメインランプ同様、パイオニアでもエニグマをネクストレベルまで引き上げた立役者と呼ぶに相応しいカードです。

《自然に帰れ》をサイドに積める緑系のデッキに言い分が生まれそうです。そして緑系のデッキといえば新勢力のアーキタイプがいます。

セレズニアカンパニー

Champions Cup Final 7位

「アマリアコンボが抜けた後のアマリアコンボみたいな見た目」と侮る勿れ、クリーチャーデッキとは思えないぐらい器用に動けるデッキです。
まず《エメリアのアルコン》が《真昼の決闘》よろしく果敢やイゼフェニを睨み、苦手な全体除去も《エイヴンの阻む者》でテンポを取って押し込んできます。久々に見る《精鋭呪文縛り》ともシナジーしており、エイヴンが複数並ぶとリキャストも困難になります。計画で軽く唱えれらえるデメリットもエイヴンが軽減してくれます。

毛刈り後

この手のカードは多々あれど、カンパニーで捲れてかつ場持ちが良いのはこれに勝るカードは無い。2枚目を出して1枚目のドローが誘発するので、重ねて引いた際も今までに無い挙動をします。終盤のマナクリすらキャントリップのように使える上にパワー2以下はデッキに32枚採用されており、継戦能力も高いときています。
私もかなり気になるデッキなのですが、実際に使うにはWC17枚必要と言われて泣いています…

白青人間

Champions Cup Final 8位

《マネドリ》や《幽霊による庇護》でアップデートが入っています。《幽霊による庇護》は上述の通りラクドス果敢の速度に対抗でき、護法やライフリンクがアグロ戦略と噛み合っているので非常に強く使えます。

イゼットフェニックス

South East Asia Championship Final 3位

《美術家の才能》が試されているのは前回の記事で触れていますが、ついに《帳簿裂き》を押しのけて4枚採用されるに至りました。あんまりレベルアップされなさそうですが、レベル1部分だけでも十分な働きができるでしょう。
《プロフトの映像記憶》も組み合わされば打点も大きく伸ばせそうですが、このリストでは不採用のようです。打点はフェニックスとドレイクで十分で、サイドに採用されている《崇高な工匠、サヒーリ》は、自前で用意したトークンを《弾けるドレイク》に変化させてワンパン狙っていく、という理由からでしょうか?フェニックスが墓地に落ちない場合のサブプランがリスト毎に様々あるようです。

おまけ

9月度ドリプロVOP 13位(最下位)

先月のドリプロVOPに持ち込んでボロ負けした拙作「ボロストークン+異形化」。ボロストークンがノンクリーチャーなら異形化パッケージが入るんじゃないか?という発想で、世話人の才能を4枚作って試してみました。変態変異、青緑予示ブリンク、エニグマに負けて結果は全敗。異形化を重ね引きするのを嫌って2枚のみにしたのですが、ここはリスクを受け入れた構築にすべきだったと思います。具体的には異形化を2→4枚、アトラクサを1→2枚に増やして真昼の決闘と白行進1枚をサイドに落としたい。

10月のドリプロVOPまであと1週間しかないので、早く次のデッキを決めなければならないのですが…強そうなデッキが多くて目移りしてしまいます。
そんなエクスプローラー環境を楽しみたいです!

あとがき

先月書いた記事「スタンダードの論点」もよろしくお願いします!

最後まで読んで頂きありがとうございました!
次回は来月「ファウンデーションの論点」でお会いしましょう!

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