土屋カエデのエッセイ10
今年初の蝉に出会ったよ
もうすっかり夏だ
二十代最後の夏
とりあえず俺は全裸になった
股にぶら下げた風鈴が蝉の声を受け
ふらりふらりと揺れ始める
地球が放つリズムが股間の風鈴と共鳴した時
僕は位置エネルギーと1つになった
いやこれはもはや位置エネルギーではない
100だ
100エネルギーだ
1足す1は2じゃねえ100だ
10倍だぞ10倍
蝉はねぇ
羽の部分に筋肉があるんだ
羽を動かすためにね
虫なのに肉があるんだよ
君も人間なのに風鈴が付いてるんだねぇ
いやキン◯マですけど