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第1回このカードのFTがすきすき発表会
司会「それでは定刻となりましたので、ただいまより「第1回このカードのFTがすきすき発表会」を開催いたします。」
司会「はじめの発表者は、すてさんです。それではよろしくお願いいたします。」
こんにちは。お会いできて光栄です。本日は"「ナム 源海の決意」のFT良すぎないか?"というテーマで発表させていただきます。
はじめに、Z/Xのストーリーについておさらいしましょう。
Z/X 世界設定
今からそう遠くない未来、世界5箇所に異世界への門<ブラックポイント>が出現する
それぞれのブラックポイントは異なる時間軸における未来(赤、青、白、黒、緑の世界)と繋がっている
それぞれの世界は未来が5つに分かれてしまったために衰退の一途を辿っている
それぞれの世界の住人は特異点となっているこの次元で他の世界を消滅させ、自分たちの未来を確定させるために進行を開始する
登場人物たちは異世界の住人達の人智を超えた争いに巻き込まれていく
プレイヤーにとっては馴染みの深いものですね。
さて、物語が進行するにつれ、五世界の衰退は神<ディンギル>によるものだったという衝撃の事実が明らかになります。
Z/X 世界設定(真神降臨編時点)
Z/Xには人竜陣営と神陣営が存在(当時時点)。両者は対立関係にある
Z/Xにおける現代=竜が創造した世界(竜域)
神の目的は竜や竜が創造した世界、竜が生み出した人類、そして人類が進化したゼクスを根絶すること
5つの世界は「いかに無惨に人類を滅ぼすか」をシミュレーションするために、神が現代の竜域をコピーしたもの
現在ブラックポイントで現代と繋がっている5つの世界はそれぞれのシミュレーションの最終更新の姿
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神<ディンギル>はカードゲームではB16「真神降臨編 神域との邂逅」で初登場。世界設定に対する衝撃の事実に加えZ/Xでは初となるエクストラデッキでの収録に度肝を抜かれたプレイヤーも多かったことでしょう。
そして、現代においても神々の暗躍が始まります。
"願う者(ヒツ:強い願望や絶望を抱いている者)"に状況を打破する力を授けることで"叶えし者(キラツ:神の眷属)"とし、"叶えし者"から得た信心を己の影響力に還元していきます。信仰を力に変えるという点では私たちの世界における神の概念と近いのかもしれませんね。
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ただし、"叶えし者"は成就の代償として願いの規模に応じて精神面に影響を受けることになり、段階が上がるほど神に対して隷属に近い状態になります。カードゲームではLvとして再現されている設定です。
本編ストーリーでは"真神降臨編"に始まり"運命廻放編"、そして"誓約舞装編"と以降3年にわたって神々との戦いが描かれていくことになります。
さて、ナムの話に入りましょう。
初登場は同じく「B16 真神降臨編 神域との邂逅」。神の階級としては最下位である下位神の一柱として登場しました。
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FTは無害そうに感じますが油断はできません。神が人やゼクスに近付く目的が信仰の獲得であることを考えれば、友好を装うことは自然でしょう。
実際、ナムも他の神々と同様に"願う者"を"叶えし者"に変えていきます。ナムの担当は[マーメイド]。
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一方で、他のカードのFTを読んでみましょう。
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波乗りの練習をしてみたり...
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海岸の掃除をしてみたり...
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かといえば海岸のゴミを海に流すなと怒られたり...
...かなり自由にやっていますね。信仰の獲得を目的に行動している他の神々と比べると明らかにFTのテイストが異なります。もしかして本当に無害な神様なんでしょうか?
それを決定付けたのが「E11 よめ♥ドラ」に収録されたカードのFT。
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神と人竜の争いが激しさを増す中で、争い自体を拒んでいることや、神陣営でありながら敵対する人竜陣営に属する竜との相談を考えている心情が描かれています。
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またこれはすべてが終わった後に明らかになる話ですが、ナム自身は"願う者"の願いを叶える一方で、"叶えし者"に対して特に見返りは求めていなかったようです。
そして、争いも佳境となる「B26 誓約舞装編 境界を断つ剣」にて、神陣営から離反。
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FTからは人竜に力を貸して戦っていることが想像できます。カード種別でもある剣臨(シフト)は設定上は「因果関係の深い者の姿を上書きし、その能力を追加する技法」ですが、FTから察するに神に対しては神降ろしのように機能するのでしょう。
結果として神vs人竜の「討祓戦」は人竜側の勝利ということで終結。"神陣営から離脱していたシャマシュ、ナム、ニンガルの3名および一部の神が現代に残留した"という再登場の示唆を残して収束することになりました。
それからしばらくして─────
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B34 異界探訪編 夢幻<イデアドライブ>」にて再登場。FTにも書いてある通り神からゼクスになったらしく、種族も[ディンギル]から[マーメイド/メタルフォートレス]になっています。[マーメイド]は彼女が願いを成就させていた種族ですね。
また、ナムに巻き込まれる形で神陣営から離反したニンガルも同じ「フラッグス」に属したようで、なんだかんだ仲良くやっているようです。
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カードゲーム内でも「フラッグス」はナムとニンガルのペアが主力になっていますね。
そして現在。
「B40 渾沌竜姫編 勇気<クライシスアーク>」では、パートナーゼクス以外にもプレイヤーと絆を結んだゼクスたちのクライシスアークが登場しています。
これは要するにパートナーゼクス以外の「パートナーゼクス化」で、これにはパートナーゼクス以外にも推しキャラが多い私も唸りました。
そして、その記念すべき1弾目にナムが登場しています。
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さて、クライシスアークはそのシステム上、3種類のカードが収録されます。
今回取り上げた「ナム 源海の決意」はスタートリソースに属するカードです。パートナーゼクス以外のスタートリソースは、FTにそのゼクスとの出会いの描写が描かれています。
読みます。
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あたしは神様じゃないから凄い力なんてないけど、困ってる人を助けたい!
今回振り返ったように、ナムは下位神とはいえ元々は神の一柱だったんですね。Z/Xにおける神の力は凄まじく、それゆえに人竜が反撃に至るまでにはそれなりの時間を要しましたし神に対抗するためにストーリー上でも「覚醒者<ウェイカー>」や「誓装<オーバーブースト>」といった要素・技法も登場したわけでして。つまりナム自身は設定上はかなり強力なキャラクターで、にも関わらず"叶えし者"に代償を要求しないどころか争いでの死傷者を減らすために自ら神陣営から離反して、神からゼクスになった今出てくる言葉が「あたしは神様じゃないから凄い力なんてないけど、困ってる人を助けたい!」?????????????元神様であることを驕ることもなく、ゼクスになったことで願いを成就させる権能も失ったであろう今も変わらず困っている人を助けようとしているナムちゃん、、、、、、、、、、、、魂の在り方が、、、、、、、、、、美しい、、、、、、、、、、、、、、、、
司会「時間になりましたので発表を終了してください。ありがとうございました。」
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