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RadioDJでスタジオ音声を扱う

 RdioDJを含めたRadio Automationは、しばしば「日本のラジオ局でいうAPSからミキシング機能を省いたもの」と言われたりするが、RadioDJには「ミキシング機能」があったりする。ここではその使い方を簡単に。
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Audio Input機能

 RadioDJにはAudioInput機能があり、もともとこれはマイクがONになった際に今プレイ中の音楽の音量をBGMレベルに下げ、またマイクがOFFになったら音楽の音量をもとに戻す、という機能。RadioDJの画面中央下部にある「INPUT」というボタンで、この機能をOFF-ONできる。

INPUTボタン

実際の動作

ここで実際の動作画面を見てみる。1枚目はINPUTが無効の状態。2枚目は有効の状態。それぞれのレベルメーターに注目すると、INPUTYが有効になっている場合はレベルメーターの値が低くなっていることがわかる。本当は動画でお店で切ればいいのだが、著作権に配慮できる音源がいま手元にないのでこれでご勘弁いただきたい。

INPUT無効
INPUT有効

 このように、INPUTボタンの状態により、楽曲のレベルが変わることがわかる。この機能を使うことで、ミキサーを使うことなく音楽にトークを乗せることが可能となる。 そして、ここでいうINPUTは、マイクである必要がなく、たとえばミキサーのUSBアウトなんかをアサインすることもできる。

設定してみる

 設定はRADIODJ CONFIGURATION→OPTIONSの中にあるSound Devicesタブを開くことで行う。少し下の方にスクロールさせると「Audio Inpu Settings」という項目が見える。その中で、INPUTで利用するデバイス等の設定が可能。

Sound Devicesの設定画面

 設定項目は以下の通り
Input Sound Device
 INPUTで音声を入力する場合に利用するサウンドデバイス(オーディオインターフェース)を指定する。
■Line Fade In
 INPUTを有効にした際、音声をフェードインさせる時間(ms)。0だとカットインになる。
■Line Fade Out
 同様にINPUTを無効にした場合に、音声をフェードアウトさせる時間(ms)。画像では1500ms(=1.5秒)に設定されている。
■Fade down music when active
 INPUTが有効になった際に、いまオンエアされている音楽のレベルを絞る(fade down)させる場合はここにチェックをつける。

 Input Sound Deviceに、スタジオにあるミキサーのUSBアウトを指定することで、ミキサーからの音声をRadioDJ経由で送出することができるようになる。

イベントとして使ってみる

 この機能はRadioDJのEventから呼び出すことができる。例えばスタジオの音声を有効にしたい時間に発効するイベントを追加し、Event Actionの中にあるINPUT→Unmute Inputを指定することで、指定した時刻にINPUTがUnmute(=ミュート解除、つまり有効化)される。また、スタジオからの音声配信を終了したい時刻にはMute Inputを指定することで、INPUTがミュート(=無効化)される。
 こうすることで、音楽ファイルだけでなく、スタジオ音声もRadioDJで一元管理できるようになる。

Event Actionsの中にあるMute InputとUnmute Input

唯一にして最大の弱点

 この機能を利用すれば、外部アプリによらず、スタジオ生放送の音声を切り替えることができるが、唯一にして最大の欠点が「音声の遅延」だ。
 RadioDJは音声遅延に対する処理が甘く、0.5秒程度(環境によっては1秒程度)の遅延が発生してしまう。この場合、オンエアを聞きながらしゃべることは不可能であり、別のモニター回線を構築する必要が出てくる。レコーディングソフト等はASIOなどの音声の遅延を最小限に抑える環境で動作するものの、残念ながらRadioDJはASIO非対応なので、遅延は避けられない。
 とはいえ音声のルーティングがシンプルにできることは間違いなく、例えば生放送の際はミキサーの出力をモニターすることで、遅延を気にすることなくオンエアが可能となる。ぜひ利用してみていただきたい。

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