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日記【許せば進めるし恨みは立ち止まらす】_2023.8.6

一滴の影響

あれは僕のせいにしな
それも僕のせいにしてよ
君をずっと立ち止めるその全てと
僕以外を許して進んで行きなよ


時間差でくる、いつも。

ある程度物心が着いた時から、喜怒哀楽のうちの「怒」と「哀」が時間差で湧いてくる。湧いてくる、というか実感できるようになる、の方がニュアンスとして正しいか。
時間が立ってから実感するそれらは中々厄介で、こびり付いた汚れのように中々カタがつかない。
怒らない、傷つかない、落ち込まないための色んな言い訳を、何かを感じるより先に考える。何でそうするようになったのか、いつからそうだったのか、振り返ってもこれといって思い当たる「何か」はない。性分なのかな。


0:100ってたぶんない

これが何か物事に対峙する時の基本スタンスだという自覚がある。私にも悪いところがあった、向こうにも事情があった、何かが違えば自分も同じことをしていたかもしれない、たまたま人生の“そういう”時期だっただけ、そういうある種の諦めに早く辿りつくための言い訳が死ぬほど湧いて出てくる。沢山の言い訳の中から、今時点で自分を最も納得させてあげられるものをひとつかふたつか選んで、その「瞬間」と「それから暫く」をやり過ごす。
周囲には『コンテンツ』として聴いてもらう。ラジオと一緒。どこかの誰かが感じた、体験した、不条理、不平等、悲しみ、怒り、俯瞰にたってコンテンツとしてならば消化できると思って。消化できていると思って。「もう乗り越えたから、大丈夫なやつだから、そういうものと思って聴いてよ」と、前置きをして、笑い話にする。

なんだ。大丈夫。もう1度傷口と思しき何かをなぞりながら話したって痛んでないじゃないか。血も滲まなければ瘡蓋さえない。笑って話せたから大丈夫だ。

0:100なんてやっぱりないんだ。人は誰でも間違うから、私もたくさん傷つけてしまったことがあるから。悲しい思いをさせてしまったこともあるから。私も罪人です。だから、私はあなたを恨みません。恨まないのだから、もう気にしていないのだから、傷ついてなんていないのだから、悲しむこともありません。


隙間


月曜日がくれば仕事に行って、休憩時間に大好きな先輩と小学生みたいな下ネタでゲラゲラ笑う。残業はしたけど、今日も充実してたな。そういえばチャンネル登録してたアカウントから通知が来てたな。今日はちょっと夜更かしして寝るのもいいな。

メール返してなかった、忘れてた。やったなこれは。まあそんな日もあるか。次から気をつけよ。反省反省。そういえば今日のお昼何食べます?蕎麦もいいですね。たまにはうどんじゃないとこも行きましょうよ。早く終わんね~かなこの会議は。話長いって。それ先週も聞いたわ。いや~今日も一日よく働きましたね。お疲れ様でした。また明日。

次の電車何分後だっけ?

どうしてこんなことになったんだっけ。

イヤホンどこのポケットだっけ?

なんであんな事したんだよ。

あったあった。

元に戻してくれよ。あんたとの間、そんなうっすい信頼しか無かったのかよ。仕事で応えてたろ。あんたのそれは私に向けなきゃいけなかったのかよ。金払ってプロに頼めよ給料もらってんだから。やっちまった後のことはなんも考えなかったのかよ。私が訴えたらどうするつもりだったんだよ。止めなかったら最後まで手出してたのかよ。私が女だからだめだったのかよ。何とか言えよ。私が積み上げたと思ってた信頼みたいなもんは性欲より軽かったんかよ。
―上司へ。そもそも信頼と思われてなかった感じですか?

今日は何聴きながら帰ろうかな。

家族より大事なもんってあんたには無いと信じてたんだけどな。嫌なとこも、ぶっちゃけあったけど。それでも愛があると信じてたよ。しょうもねえバラエティ見て笑ってられんのも、ありがとうとごめんなさいをただ思った時に言えるのも、リビングに座ってるだけで幸せなのも。なんで壊すんだよ。どうして壊すんだよ。それより大事なものってなんだよ。何があんの。墓まで持って行けねえなら秘密なんか持つな。クソだせえ。母さんが大切に守ってきたもの返せよ。私の家返せよ。家族返せよ。帰るところ無くなっちゃったんだよ私。
―父親へ。楽しかったです。26年間ありがとうございました。


誰のせいでもないことを

自分のせいにして今日も君は生きている
人の涙を見ても何も感じなくなってきたのは
自分の心を殺すのが上手過ぎる
哀しいサインだよ

真面目に生きていればいつか報われる
そう言い切ってしまえばそれは嘘になる
身に起こるその数十% 自業自得でも
残りの数% 誰のせいでもない不平等


まだ

なんの結論も出ない。なんの決着もつかない。
それぞれ半年ほどが経って、漸く、悲しかったこと、悔しかったこと、辛かったこと、怒っていたことを理解した。生活の隙間でふと理解して、泣いた。やっと傷ついた。
傷つかずにすむ高いところから降りて、リスナーから、当事者に戻ろう。


愛したい

本当は。失敗も、後悔も、気まずさも、欠陥も、怠慢も、不義理も。
クソみたいな私のことを愛してくれる人がいて、それが本当に嬉しくて、だから頑張って生きていられるから。私もそういう風になりたいから。

愛するためにはたぶん「許し」がいる。俯瞰して、傷ついたことを無かったことにして、平気なフリを許したと勘違いしているうちは愛せない。
あいつも、こいつも、私は許していなくて、許せていない。謝罪をされて、お金を払われて、気を遣われて、それでも許せない。
でももう一度愛したいから、たまに隙間で考える。思い出す。


ずるい奴が

笑う世界
そう言いながら物事が
ゆっくりでもいい方に進むと信じ
今日も正しく生きようとする君は素敵だよ
そんな自分を君も愛してあげてよ




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