ステドク記事 | TSMCの2024年第2四半期純利益は予想を上回り、AI需要が収益急増を促進
【要点】
TSMCの業績は市場予想を上回り、今後の収益見通しも前向きであることが明らかになりました。これにより、TSMCは世界の半導体業界におけるリーダー的地位を一層強固なものとしています。半導体および関連技術株に投資する投資家にとって、これは非常に明るいシグナルとなるでしょう。
【背景】
◎ AI需要の成長は、2022年後半にOpenAIのChatGPTが世界的なテクノロジー大手によるAIインフラストラクチャ投資の波を引き起こしたことに始まります。
◎ TSMCは現在、米国アリゾナ州で新しい施設に数十億ドルを投資し、世界的な半導体製造におけるリーダーシップを拡大しようとしています。
【出来事】
◎ TSMCの第2四半期の純利益は247.85億台湾ドル(約76億米ドル)で、売上高は40%増の673.51億台湾ドル(約206.5億米ドル)となり、予想を上回りました。
◎ 第3四半期の収益は224億ドルから232億ドルと予想されており、2023年の設備投資は300億ドルから320億ドルになると見込まれています。
◎ ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、特にAIにより推進されるHPCがTSMCの収益の52%を占め、初めて半分以上を占めました。
【今後の展望】
◎ TSMC CEO C.C. Weiは、年間売上高の伸びが20%台中盤になると予想し、供給は2025年まで逼迫すると予測しています。
◎ TSMCは、2024年通年の収益成長率が従来のガイダンスの20%台後半を上回り、売上総利益率目標の53%を達成または超えると見込んでいます。
◎ 設備投資の増加は顧客のニーズを支え、技術的リーダーシップを維持するためであり、次世代技術SPR(スーパーパワーレール)は2026年下半期に量産される予定です。
【彼らの見解】
◎ バークレイズのアナリストは、AIが引き続き需要を牽引し、需要と供給の不均衡が2026年まで続くと予想しています。
◎ ニーダムのアナリストは、TSMCの価格戦略の調整がAI需要の急増に対する積極的な反応を反映し、長期的な価格戦略からの前向きな逸脱となる可能性があると考えています。
◎ ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリストCharles Shumは、TSMCのN2開発が順調に進み、市場需要の増加に応えるために生産能力の拡大が加速する可能性があると予測しています。