YOASOBI 「夜に駆ける」に触れる ②
どうにも続きが気になって寝付けなかった高槻のヒトです、おはようございました。
タイトル写真には特に意味も意図もありまてん。
「夜に駆ける」に触れる旅、今回が手順 ② の回でごぜえます。
詳細などはこちらで。
今回の手順で拝読する小説は『タナトスの誘惑』なる作品です。
「続きが気になって寝付けなかった」
この一文で察せそうな気もするんだけど、「夜に駆ける」の原作とされる小説ですね、これ書く直前に読んじまいました。
(๑´ڡ`๑)テヘ
忌憚なくありのままに感想を申し上げますと、
「先に曲を聴いて期待値上げすぎちゃった感が否めないガッカリ加減」
それ感想か?
まあいいか。
正直、原作小説はぼくの好みではないな、と。
「あ、はい」
から先の感想がしばらく湧いてこなかった程度に、物足りなさを感じでいる。たぶん、複数箇所の細かい表現と文章全体との整合で、いちいち引っかかってしまい、物語をすんなり味わえてないんだとも思う。
この種のトリックは映画『シックス・センス』が隙がなくて良かった、などと、記憶中の他作品の構成と比較してしまったりもし。
なんだろうなあ。うーん。
うーん。
叙情表現があるにはあるんだけど、トリックありきで書かれてしまった感じがし、物語全体に込められてる要素が全て中途半端な感じに物足りなさを覚えているような、そんなモヤモヤもある。どうも咀嚼しづらい。
咀嚼しづらさの自己考察を深めるべく、改めて原作小説を読み返してみる。
すると、文章から風景をイメージするための材料がえらく不足した文章構成になってるんだと感じる。
多分に風景描写の情報が不足した『主人公』の独白を聴かされてる感じ。
文章の情報が、読んだぼくの脳内にイメージを呼び起こせているのは、小説の冒頭 4 行、句点で 3 つ目まで。それすら「階段に灯りは?」「明るい? 暗い?」などと脳から問いが発せられてると気付く。細かくて面倒くさい奴だな、ぼくの脳は。まったく。好き。
作中の文章の時間軸も、その時間の移動も明確さを欠いてふらふらと移動するので、時間的な安定さにも欠けてて。それがまた気持ち悪い。
「ねえ? 今いつの話してんの?」
などと問いたくなる気持ちが、文章を読んでる最中のぼくの頭の中に湧いてるんだと思われる。
ぼく自身が読み慣れた小説などの感覚と程遠い、病んだように曖昧なままの情景描写は、ただただ病んだまま『死』に落とし込まれてしまう。
この小説が、病んだ主人公の主観風景が描写された文章なのだと解釈するならば、なるほど、妙にリアリティに富んだ構成の小説なのかもしれない。
この小説から『夜に駆ける』が生まれたのだとしたら、ロマンティシズムによる脚色が過ぎるんじゃなかろうかとも思ってしまう。
ぼくがそう感じ、思ってしまうのは、ぼく自身はそうやって「死なれて置いてけぼりにされた側の一人」だからなのかもしれない。
さあ、次が最後の手順だ。