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長時間露光を使った写真の撮り方と設定方法

長時間露光は、カメラのシャッターを長時間開けることで、動きのある被写体や光の軌跡を美しく表現するテクニックです。この方法を活用することで、水面が滑らかになる様子や、星空の軌跡、都会の光の流れなど、幻想的な写真を撮影することができます。ここでは、長秒露光の基本的な撮影方法と設定について解説します。



必要な機材

  1. カメラ:マニュアルモードやバルブモードを備えたカメラ(ミラーレスカメラがおすすめ)。

  2. 三脚:シャッター速度が遅いときにブレを防ぐため、しっかりとした三脚が必須。

  3. レリーズまたはセルフタイマー、スマホアプリ:シャッターボタンを押す際の振動を防ぐために使用。最近のカメラはスマホアプリで遠隔操作を簡単に出来るのでほとんど不便を感じず使用可能ですが、通信環境によっては使いづらいと感じ場合もあります。

  4. NDフィルター(必要に応じて):日中の明るい環境でシャッタースピードを遅くするために活用。もしくは、夜でもシャッタースピードをさらに遅くしたい場合に使用。

  5. レンズ:広角レンズや標準ズームレンズが一般的に便利。


撮影準備

  1. 撮影場所の選定

    • 動きのある要素(水、雲、車のライト、星空など)がある場所を選びましょう。

    • 安全に撮影できる場所で三脚を設置できるポイントを確認してください。

  2. 時間帯の選択

    • 夜間や夕暮れ、日の出前が最適です。

    • 日中に撮影する場合はNDフィルターが必要になる場合があります。(夜間でも使用することがあります)

  3. カメラ設定

    • マニュアルモード(Mモード)を使用。目的に合った設定を固定して使えるので撮りやすいのでオススメです。

    • ISO感度を最低値(通常はISO 100や200)に設定。(シャッタースピードを遅くするのでISOは上げなくて大丈夫です。)

    • 絞り値をf/8–f/16程度に設定(被写界深度を確保しつつ適切な露出を得るため)。

    • シャッタースピードは被写体の動きや環境光に応じて調整(5秒–30秒が一般的)。

    • 全体の露出のバランスを見ながらそれぞれの設定をしてみてください。


具体的な撮影手順

  1. 三脚の設置と構図決め

    • 三脚を安定した場所に設置し、水平を確認します。

    • 被写体の動きや流れを考慮して構図を決めます。

  2. フォーカス設定

    • ピントはシングルポイントAF・AF-Sで合わせてマニュアルフォーカスにして固定しておくと撮りやすいです。

    • 夜間や暗い環境では、ライブビューを使って拡大し、ピントを細かく調整します。(AFでは暗い場所でピントが合いにくい場合があるのでマニュアルフォーカスで調整するとピント合わせがしやすくなります。)

  3. フィルター装着(必要に応じて)

    • NDフィルターを取り付けることで、明るい環境でも長時間露光が可能になります。また夜間でもより光の軌跡を美しく撮影するためにNDフィルターを活用することもあります。(NDの濃度は撮りたい写真によります。ND16-64あたりが使用頻度が高いかもです。)

  4. 試し撮りと調整

    • 最初に短い露光時間でテスト撮影を行い、明るさや構図を確認します。

    • 必要に応じてシャッタースピードや絞り値を調整してください。

  5. 撮影実行

    • レリーズやセルフタイマー、スマホアプリを使って撮影を開始。

    • バルブモードを使用する場合、シャッターを開ける時間を手動で制御します。


注意点

  • バッテリー残量:長秒露光ではバッテリーを消耗しやすいため、予備バッテリーを準備しましょう。最近は、外部バッテリーを使用して給電しながら撮影することも可能です。(カメラによります)

  • 天候の確認:風が強いとカメラが揺れる可能性があるため、天候を確認して安定した環境で撮影を行いましょう。雨天の際はカメラにレインカバーをするなどの対策も必要になります。

  • 現場での安全:特に夜間の撮影では周囲に十分注意してください。また、通行の邪魔や自分や他の人の安全を確保して撮影に望んでください。危険な場所への立ち入りなどは十分に配慮してください。


応用例

  • 滝や川:水の流れを滑らかに表現。


  • 星空:星を撮影。


  • 都会の風景:車のライトの軌跡や人々の動きを記録。


最後に

長時間露光は、時間をコントロールして新たな視点を写真に取り入れる魅力的な方法です。基本を押さえつつ、自分なりのアイデアで創造的な写真に挑戦してみてください!


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