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ベルばら公演期間にフランスに行った話~ベルばら編~

Bonjour!タイトルの通り、ベルばら公演期間にリアルヴェルサイユというかフランスに行って来た、めろんそーだあいすです。

2年前にもフランス旅行計画が持ち上がったが、コロナ禍で断念。またまた行く機会が巡ってきて、大切な退団公演期間だけど、これは行くしかない!と思い、行って来た。

結果、行ってよかった!宝塚で描かれている場所をリアルに見られたのはもちろん、久々に海外の空気に触れて、なんか良い意味でクリアになった。

今回は、雪組公演に関連する場所を見て回ることをテーマに観光。
その中でも今公演中のベルばらは外せない。
と、いうわけで最初に、現在公演中の『ベルサイユのばら〜フェルゼン編~』に登場する(と思われる)場所をまとめる。

◆第3場  仮面舞踏会
フェルゼンが、マリー・アントワネットとオスカルと初めて顔を合わせる場面。
前場のフェルゼンの台詞
「パリ・オペラ座の仮面舞踏会の宵だった……」
とある。

問題は、この時のパリ・オペラ座はどこか?ということ。オペラ座はその場所を転々としていて、二人が出会ったのはパレ・ロワイヤルの横にある「コメディ・フランセーズ」らしいということがわかった。

ちなみに、今見学できるオペラ座は1800年代に入ってから建てられたガルニエ宮。こちらは、ファントムの舞台となったオペラ座。

この場面でオスカルがフェルゼンに、王妃さまに謁見を正式に申し込むように告げる台詞があったが、王妃に正式な場で初めて出会ったのは、ヴェルサイユ宮殿の中にある王妃の謁見の間だったのかな?

王妃の謁見の間

あとは、寝室にも人を招いていたらしいから、2回目以降はこちらとか?


◆第6場  夢幻
バラの妖精たちが舞い踊る、ピンク一色の場面。

これは私の憶測だが、このシーンはヴェルサイユの小トリアノン宮の庭にある、「愛の殿堂」がイメージされているのかな?と思った。

愛の殿堂は、マリーとフェルゼンが密会していたと言われている場所。
劇中でも愛が連呼されているが、密会場所にも「愛」がついている。

庭といえど、森の中をまあまあ歩く。左手に白い建物が!

あのバラの花びらに包まれた形で登場する構図が、愛の殿堂の中で過ごす二人の姿に重なる。
夜は真っ暗だろうし、遠いから、容易にはバレなかったと思う。

◆第七場  宮殿の廊下(ほか第十一場・第十三場)
オスカルとジュローデルが、市民が蜂起したことを報告する場面。
ようやく舞台上の場面が本宮殿に移る。

ここでヴェルサイユ宮殿の外観の紹介を。
とにかく桁違いに大きかった…!半日では時間が足りなかったので、午前中から予約して時間も体力も余裕を持って行くことをおすすめする。

引きで撮ろうとしても入り切らない

宮殿の廊下というのがいまいちどこかよく分からず…この場面のセットには、ゴブラン織りの装飾があったので、単なる廊下をイメージしたのではないのだろう。

引きで写真が撮れていなかったが、「マルスの間」が昼間は見学者や貴族たちの通路として解放されていたようで、なんとなく雰囲気があのセットに近かった。

◆第八場  宮邸の広間
娘役さんたちが歌いながら登場、終盤ではオスカルがフェルゼンに王妃とのお別れを進言する場面。

この場面は、なんとなく鏡の間をイメージしているのかなとセットを見て感じた。
鏡の間は舞踏会でも使用されるが、王の寝室とも繋がっていて通路でもあるため、王に会いたい貴族たちが待機していた場所でもある

春はいいわね~
待機用の椅子

ジャンヌが登場し、「王妃さまは今宵小トリアノン宮にお出かけになるそうでございます」と言うが、小トリアノンも見学できる。

本宮殿から小トリアノン宮までは、歩いても行けるが、とにかくめちゃくちゃ遠い!!トラムかカートに乗って小トリアノンへ移動するのがおすすめ。

あんな立派な宮殿があるのに、わざわざミニ版要らんだろってフランス国民も怒りたくなっただろうなと、民衆マインドに思わずなってしまう。
しかも移動するのにオスカルも護衛していただろうから、「めんど…」ってなる日もあったんじゃない??

原作では小トリアノンでポリニャック夫人たちとよからぬ遊びに興じていたマリー。
一番お気に入りだった部屋がこの部屋。

やはり人間、狭い部屋が結局落ち着くのだろうか(涙)

◆第十二場 国王の居間
フェルゼンが国王に帰国の挨拶をする場面。

国王が客人に会うのは、「玉座の間」といわれた「アポロンの間」だったそう。

壁には、ルイ14世と向かい側には16世の肖像画が飾ってあった。

この場には、最後にマリーアントワネットの子どもたちが登場する。ヴェルサイユ宮殿には、子どもたちとマリーアントワネットの肖像画もあった。

ありさちゃん演じる、次男のシャルルの肖像画がカルナヴァレ博物館にあった。鬘や衣装はこれをイメージしていると思われる。

ありさちゃん?!


◆第十四場 近衛隊の広場
近衛隊の広場は分からなかったが、庭園はとにかく広かった!

ヴェルサイユ宮殿の中には、女王付き近衛隊が詰める控え室があった。

オスカル隊長はじめ、みんなここで待機していたのかな。

◆第十六場 オスカルの居間
ここでオスカルの話を…ヴェルサイユ宮殿の中に、原作でオスカルが描かせた肖像画の元になったルイ14世のレリーフがあった。

あと、ジャルジュ家の屋敷はどこにあるかなーなんて思いながら駅と宮殿の間を歩いたりした。

宮殿側から見たヴェルサイユの街


第2幕  別れの紅薔薇

◆第一場 プロローグA
小公女
「荒れ果てたチュイルリー宮に移されています」

チュイルリー宮は庭園が残っている。

しかーし、またオリンピックの撤収のため、入れず…聖火台が残っていた。

◆第四場 チュイルリー宮
王子と王女が歌いながら下手花道から登場する場面。

この場面はチュイルリー宮となっているが、実際はルイ16世処刑の約半年前は、「タンプル塔」という場所に幽閉されていた。

「カルナヴァレ博物館」では、タンプル塔での一家の暮らしを垣間見ることができる。

この博物館、パリへ旅行するヅカヲタのみなさんに全力でおすすめしたい!!ジュエル・ド・パリ!!の中詰めの舞台になった博物館。
無料なのに、フランス革命の資料が沢山展示されている。しかも混んでいないので、ゆっくり見られる。

タンプル塔で一家が住んでいた部屋の再現。

王子「お玩具はみんなベルサイユを出るときに置いてきました」という台詞があるが、実際にタンプル塔に持って来たおもちゃが展示されていた。

お人形じゃなかった。チェスや家族で遊べるボードゲームだった。お母さまとも遊んだのかな?

他にも食器類や靴下、あとマリーアントワネットの香水が展示されていた。

ヴェルサイユは遠くなりにけり…舞台空間では広く感じるが、本当に最後は慎ましやかに暮らしていたことがわかる。

この場のラストで革命委員会の呼び出しを受けるルイ16世。呼び出しを受けた時の絵画が展示されていた。実際は、子どもたちも見送っている。

◆第五場 コンコルド広場
処刑台が置かれた広場で、夫人たちが嘆く場面。

コンコルド広場も、オリンピックの撤収のため中に入れず…
ここでルイ16世とマリーアントワネットが処刑された。

写真左手方向に進むと、チュイルリー宮庭園がある。処刑台は、国王がチュイルリー宮を見渡せるように設置されたそうだから、左向きに設置されたと思われる。

この場面で、かのゆりさんやめぐみちゃんが被っている赤い帽子が、民衆が手にしたと思われる武器とともに博物館に展示されていた。

同じ場面で、ジャンヌが焼きごてで付けられた肩のVの文字を見せる。
その刑が執行されたのは、コンシェルジュリーの中庭だった。
女囚たちが散歩したという中庭。収監された人の名前には、凪様が演じたロラン夫人や、みちるちゃんが演じたリュシルもあった。


◆第六場  国境近く
フェルゼンとジェローデルが、農民達からルイ16世の最後を聞かされる場面。

話が前後するが、コンコルド広場の前には大きな通りが広がっていて、先に見える三角の建物はナポレオンの時代に建てられたマドレーヌ寺院。
このロワイヤル通りを通って、ルイ16世の馬車は広場に入場したといわれている。

そして、国王が処刑台に向かうところを描いた絵がカルナヴァレにあった。

ルイ16世の処刑については、稲垣吾郎さんの舞台でも題材にされていたが、『死刑執行人サンソン―国王ルイ十六世の首を刎ねた男』という新書に色々書いてあり、舞台を巡る上でめちゃくちゃ参考になった。

◆第七場 馬車
馬車が展示されていたわけではなく、馬車の揺れをヴェルサイユ宮殿内で疑似体験したという話。


小トリアノン宮への移動にトラムを利用したが、こんな石畳だから、めちゃくちゃ揺れる!
馬車はもっと揺れただろうな…ジェローデル様は、フェルゼン様が鞭を打つ度にもっと揺れを感じていたんだろうな…と、思いを馳せてしまう揺れだった。

小トリアノンの石畳

◆第八場 パリ市内
ベルナールがロザリーに革命は失敗だったと吐露する場面。

この場面がどこか不明だが、ベルナール繋がりで、パレ・ロワイヤルを紹介。ベルばら原作では黒い騎士に扮したベルナールがパレ・ロワイヤルに入る…というシーンがあった。

原作でオスカルがパレ・ロワイヤルを見て驚いてたが、街の真ん中にこんなすごい建物があるなんてと、オスカルの時代とは違う意味で驚く。

ルーブル美術館の向かい側にある

パレ・ロワイヤルには庭園の両側に森みたいな小道があり、自然もいっぱい。

なんと白薔薇が!!ちょっとジーンときてしまった。

オスカル…


◆第十場 セーヌ川に架かる橋

アンドレが撃たれる場面。

セーヌ川には37か所橋が架かっているらしく、この橋がどこをイメージしているのか不明。

すべての橋を渡ることはできないので、『ひかりふる路』(2017)で、ロベスピエールとマリー=アンヌが「理想」を歌った場所、「ポン・ヌフ」を実際に渡ってみた。

ポン・ヌフ

毎回あのシーンで気になるのが、民衆とか衛兵隊とか橋の位置からして、水の中に立っているように見えること。中洲でもあるのかな?

アンドレもこの景色を見たのかな


◆第十一場 バスティーユ
オスカル
「まず手始めにバスティーユを攻撃しよう。あそこには君たちの同志が捕らわれている」
前場最後のオスカルのセリフからバスティーユへ。

フェルゼンの「見る影もない」というセリフの通り、バスティーユ牢獄そのものは残っておらず、広場になっている。

先程紹介したカルナヴァレ博物館では、在りし日のバスティーユ牢獄の資料を見ることができる。

牢獄の鍵など
襲撃翌日を描いた絵

全く何も残っていないかというとそうではなくて、地下鉄5号線のバスティーユ駅に遺構がある。

オスカル様を偲びながら、石を撫でてきた。

ちなみに、パリの地下鉄はICカードで乗り降りができるが、出場時はタッチ不要の駅が圧倒的に多い。そのため、実際に乗らない路であっても、入場してすぐに出場するという事も可能。日本のように同じ駅で乗り降りしたらエラーがでることはない。

◆第十三場 牢獄
ロザリー「私は王妃さまのお世話をコンシェルジュリの牢獄でしているのです」
という台詞のとおり、マリーアントワネットはコンシェルジュリー牢獄に投獄された。

コンシェルジュリー牢獄は、ノートルダム大聖堂の近くにある。

先に紹介した中庭だけでなく、マリーアントワネットの部屋も見られる。贖罪礼拝堂になっている独房。舞台セットはかなり広く作ってあるが、実際はこんな狭いところにマリーはいた。

カルナヴァレ博物館には、マリーアントワネット処刑に関する展示もあった。

コンシェルジュリーを出る場面を描いた作品。この歩き姿は、正しくあやちゃんが大階段を上がる姿と重なる。

これにて、ベルサイユのばらーフェルゼン編ー2024の舞台を巡る旅行記は終了。

次は、雪組・ショー・パリと言えばあの作品の舞台を巡る旅行記へ。

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