スタートアップにホームベースが大切な理由
スタートアップなどの誰もやったことが無いようなことに挑戦するのは、不安がつきまとう。
そこで大事なのはホームベースだ。
ホームベースとは「いつでも帰られる場所」であり、「全人格的承認を得られる場所」である。
そこでは、存在そのものを承認し合える家族のような関係と言えるかもしれない。
では、何故ホームベースがあると良いのだろうか。
それは、人間は「これは仮の姿だ」と思えると大胆に振る舞うことができるからだ。
つまり、自分にとってホームベースにいる自分が本当の姿で、それ以外は仮の姿でどーでもいい場所と思えれば、「もし失敗しても帰る場所があるから大丈夫」と思え大胆に振る舞えるのだ。
社会学者の宮台真司さんによると、このことがユダヤ人や中国人がグローバル競争に強い理由であるとのこと。
彼らは世界中に血縁的ネットワークが存在し、
そこがホームベースと機能することでグローバル競争に強くなるというわけだ。
日本の社会はこれと真逆な方向に進んでいるのではないだろうか。社会が便利になる一方で、人々がシステムに依存することによって、それまで人間関係の中で得ていたモノをシステムから得るようになってしまった。
そうなると人間関係は希薄化し、それに伴い全人格的承認を得られるようなホームベースを持つ人はどんどんと少なくなる。
そうなるとスタートアップに限らず、人々は挑戦することに不安を抱き避ける様になる。
日本のスタートアップが少ない理由もここからも説明できる。
もちろん世界は複雑系なので実際は沢山の原因があるし、こう単純化してしまうのは愚かなことだとは思うが、大きな原因の一つであると自分は考える。