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オンライン体育「Hiveclass」がシードで150万ドル資金調達

2020年、新型コロナウイルスの影響で学校がオンライン学習へ移行する中、多くの親が子どもたちの運動不足を懸念しました。そんな中、Joe Titus氏とPaul Suhr氏は、新たな解決策としてHiveclassを立ち上げました。

Hiveclassは、K-12(幼稚園から高校生まで)向けのオンライン体育プラットフォームです。フィットネス、スポーツ、ダンス、ヨガ、栄養、マインドフルネスなど、多岐にわたるトピックを扱っており、セルフディフェンス(護身術)のコースも提供しています。

1. 体育のオンライン化が進む背景


Hiveclassの人気が高まっている理由の一つに、子どもたちの体育離れがあります。

1-1. 学校体育の課題

現在、多くの学生が体育の授業に対して消極的になっています。その要因として、

  • 競争の激しさによるプレッシャー

  • いじめの発生

  • 興味を持てない内容

などが挙げられます。そのため、体育の授業を敬遠する生徒が増えているのが現状です。

1-2. スポーツ費用の高騰

また、保護者にとってもスポーツ教育の負担は増しています。Titus氏は、次のように語っています。

「ニューヨークで親として生活する中で、スポーツの費用格差に驚きました。私は、息子の最初のサッカーコーチを務めましたが、その費用は非常に高額でした。低所得層の家庭は、どうやってサッカーを続けられるのか?」

このように、従来のスポーツ教育にかかるコストの高さもHiveclassの需要を押し上げています。

2. Hiveclassのビジネスモデルと特徴


Hiveclassは、従来のオンライン学習プラットフォームとは異なり、個人向けのサブスクリプションではなく、公立学校や図書館に向けてサービスを提供しています。

2-1. インタラクティブな学習体験

プラットフォームでは、短い動画を通じてスキルを学ぶだけでなく、

  • クイズを活用した学習定着

  • 教師用ポータルを通じた進捗管理

など、学習を継続しやすい仕組みが整っています。特に、クイズ機能は生徒の集中力を維持するのに役立っています。

2-2. SHAPE America基準に準拠

Hiveclassは、米国の体育教育を統括するSHAPE America(Society of Health and Physical Educators)の基準に準拠しており、これは、他のEdTechプラットフォームとの差別化要因となっています。競合には、同じくSHAPE AmericaメンバーであるPLT4Mなどがあります。

3. 1.5百万ドルの資金調達と今後の展開


Hiveclassは、このたび150万ドルのシード資金調達を実施しました。

3-1. 投資家と調達資金の活用

今回の投資ラウンドをリードしたのは、Spring Mountain Capitalで、

  • Georgetown Angel Investor Network(GAIN)

  • New York State Venture Fund

  • Rethink Education

  • Techstars

などの投資家も参加しました。今回の資金調達により、Hiveclassの総調達額は、300万ドル超となりました。

3-2. 資金の使途

調達した資金は、以下の目的で活用される予定です。

  • 製品開発の強化

  • 教師向けポータルの改良

  • 特別支援教育向けの新サービス開発

教師ポータルの機能強化により、学校での導入がよりスムーズになることが期待されます。

4. 成長するHiveclassの未来


現在、Hiveclassは、80以上の教育機関と提携し、1万3,000人以上の生徒と教師が利用しています。

さらに、

  • PE(体育)単位取得の仕組み

  • ライセンス契約による新たな収益モデル

など、新たな事業展開も視野に入れています。既に200万ドル以上の売上を達成しており、来月までにさらに100万ドルの売上を目指すとのことです。

Hiveclassは、体育教育の新たな形として注目を集めています。学校体育の課題を解決し、費用負担の軽減を図るこのプラットフォームは、多くの家庭にとって魅力的な選択肢となるでしょう。

今後の成長と、オンライン体育のさらなる発展に期待が高まります。


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