ストックオプション〜ストックオプションの発行に際する検討項目

前回は「ストックオプションのメリット・デメリット」について説明しました。今回は、ストックオプション制度の導入に際して、"検討すべき項目"を見ていきたいと思います。

結論から言ってしまうと、下図の○を埋めれば、ストックオプションの発行に際して考えるべきことは大まかにカバーされます。

それぞれの項目について見ていきます。

発行体

ストックオプションを発行する会社名を定義して下さい。

新株予約権ラウンド

新株予約権には回号があります。何回目に発行されるストックオプションかを考えて、回号を定義して下さい。但し、ストックオプションを発行する前に、新株予約権付社債(CB)を発行している場合は、その際に発行した新株予約権も1回分に入りますので、要注意です。

発行日

いつ発行するのか?(定時でも臨時でも)株主総会スケジュールとの兼ね合いで、ターゲットの発行日を決めて下さい。                      ※大体、スケジュール通りには上手いこと段取りできないので、余裕を持ったスケジュールで。

株式の種類・発行個数

中長期的な財務戦略・資本政策案との兼ね合いになります。           ※ストックオプションの発行量の研究のところで、検討していきます。

発行価額

ストックオプション自体の価格です。そもそも、有償なのか無償(0円)なのか、有償ならいくらなのかが気になるところです。

権利行使価額

ストックオプションの権利行使をした時に、株式を取得するにはいくら払えば良いのかを決めることが重要です。この権利行使価額と売却時の株価の差額が、ストックオプション保有者の利益になります。

権利行使期間

権利行使期間は、ストックオプションを発行して、割り当てをした後で、いつから権利を行使できるのかを決めます。実は、ストックオプションをもらっても、すぐに権利行使が出来るように設計することが良いとは限りません。

権利行使条件(その他)

その他の検討要素として、ベスティング等の権利行使の条件があります。

今回はちょっと長くなってしまいましたが、それぞれの論点を確認していきました。次回からはそれぞれの論点について掘り下げていきたいと思います。




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