ストックオプション〜ストックオプション制度のメリット・デメリット
前回は、「ストックオプションが役社員に対するインセンティブになる理由」について説明しました。今回は、そんなストックオプション制度の(経営者目線からの)メリットとデメリットを説明していきたいと思います。
ストックオプション制度のメリット
①人材の確保、社外流出の防止
ストックオプションをインセンティブプランとして活用することにより、優秀な人材の確保につながります。また、ストックオプションの付与対象者に、「あなたが会社を退職した場合は、権利が喪失(なくなり)しますよ」などの条件をつけることで、役社員の社外流出を防ぐことが期待されます。
②役社員のベクトルの一致
株価(=企業価値)に連動する報酬制度の導入は、役社員に対して「企業価値を最大化させる」という共通の目標を与えることが期待されます。
③現金以外の報酬体系
特に、キャッシュフローが生まれていないスタートアップが、現金支給以外の方法での報酬体系を取ることができる
ストックオプション制度のデメリット
①株主の株式持分の希薄化
ストックオプションが行使されることにより、既存株主(創業者など)の持分比率が低下する懸念があります。また、資金調達時のベンチャーキャピタルの株価試算には、発行済株式総数だけではなく、潜在株式の総数も含まれることがありますので、1株あたりの株価は多少低く試算されることになります。
②ストックオプションの設計、付与対象者の選定に注意が必要
ストックオプションの設計および付与対象者の選定は、役社員間の不和につながることがあるので、注意が必要です。
今回は、ざっとストックオプション制度のメリット・デメリットについて説明しました。次回は、「ストックオプションを発行する際に、考えなければいけないこと」についてみていきたいと思います。
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