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私が特撮に目覚めたきっかけ~「バトルフィーバーJ」の口裂け怪人

※こちらは以前、ブログ「フリーライター00ai」で掲載していた記事を加筆・修正したものです。

小さいころから魔法とかファンタジーが大好きだった私は、その延長で、変身をしたり、不思議な生き物が出てくる特撮が好きで見ていました。

そして、子供のころに私が見ていて好きだった特撮番組のひとつが東映のスーパーヒーロー戦隊第3作目の「バトルフィーバーJ」です。

ジャパン、コサック、フランス、ケニア、アメリカ。5つの国を代表する戦士たちが、ダンサブルかつスタイリッシュに悪の組織エゴスと戦うこの作品を毎週面白く見ていました。

ええ、見ていたのですが。

実は、私は、ファンタジー好きである一方、昔から非常に「恐がり」なとこがありまして、魔法のお話をわくわくして読みつつ、出てくるお化けにおびえてしまうことが昔からよくありました。

なので、「バトルフィーバーJ」は、毎週違う怪人が出てくるのですが、怖がり少女の私にとっては、ときに刺激的過ぎる怪人もいて、見ているうちに怖くなり、見た後も思い出すと恐ろしくて夜にふとんの中でふるえてしまったり、実際に出てきたらどうしよう…と勝手に想像をふくらませておびえたりしたことがありました。

そして、小さかった私にとって「バトルフィーバーJ」に出てきた怪人の中で、もっとも衝撃的で恐ろしかったのが女性怪人の「口裂け怪人」でした。


一週間夢に出てきた“口裂け怪人”

当時、都市伝説になっていた「口裂け女」

口をマスクで隠した女性が「私、きれい?」と聞いて、「きれい」と答えると「これでもか」とマスクをはずして裂けた口を見せる世にも恐ろしい「口裂け女」の話が全国で流行していて、「バトルフィーバーJ」でもそれをもとにして、口裂け怪人の回を作ったとどこかで読みました。

当時、私ももちろん「口裂け女」の都市伝説は知っていました。

そのせいでしょうか。心の中に潜在的な恐怖が積み重なっていたのかもしれません。

「バトルフィーバーJ」の予告編で、次の週に「口裂け女」が出ると知ってから1週間、私は毎日夢の中に口裂け女が出てうなされました。

予告編に出てきた口裂け女の顔のビジュアルが強烈でよく覚えていたらしくて、その顔が毎晩のように夢に出てきて、毎晩、眠りながら本当に怖いを思いをしました。あの1週間の悪夢。今でも忘れられません。

ただ、とにかく悪夢だけは、大人になっても痛烈に覚えていたんですが、当の「バトルフィーバーJ」の口裂け怪人がどんなだったか、どんなお話だったかは、ほぼ忘れていました。

それで、4年くらい前でしょうか。あるとき、小さい自分が1週間うなされるほど怖がった口裂け女って、結局、どんなんだったけ?と思いまして、問題の口裂け女が出てきた回を怖いもの見たさで見てみたのです。

「バトルフィーバーJ」の口裂け怪人を見てみたら…

大人になって改めて見た「バトルフィーバーJ」の第29話「見たか!?口裂け女」。

結論からいってしまうと、小さい頃の怯えたほどに怖いことは、まったくありませんでした。

むしろ、突っ込みどころばかりが満載でした。

冒頭です。

「口裂け女」こと口裂け怪人は、はすぐ登場しましたが、やっていることは、お約束のマスクをつけた美女の姿で登場して、「私、きれい?」の例のくだりをやって、ご町内の人たちを驚かしているだけです。

たとえば、人をさらうとか
人を何かに変えるとか
そんなこともしてないです。

ただの都市伝説妖怪ならそれもありだと思うんですが、まがりなりにも世界征服をたくらむ秘密結社の怪人。もう少し大規模な悪いことをするべきじゃないでしょうか。

なので、そんなに怖くなく、「こいつ、一体何がしたいんだ?」と突っ込みつつ、しごく冷静に見ることができました。

まあ、これは口裂け女に限ったことではないんですけどね。

特撮を見るといつも思います。

小学校の給食をいじったり、幼稚園に攻め込むくらいで世界征服できると思ってんのかしら?と。

そして、お話が進むと、女の子たちが、口裂け女の噂をしていました。
しかし、その噂が問題です。

「口裂け女は100mを6秒で走るそうよ~」とか、言ってるわけですよ。

なんだよ、その詳細なプロフィール?

足が速いのは、見た人はわかるかもしれんが、正確な走るタイムなんぞ、調べた奴がいるのかよ?と、ここでも私は突っ込みました。

しかし、この謎はすぐに解けました。
口裂け女の伝説をラジオで話している女性がいました。DJの香坂しずかという女性です。

口裂け女が出没しているのを知ったバトルフィーバーたちは、エゴスの怪人じゃないかと疑い、その噂にいっとう最初に興味を持った紅一点のミスアメリカを中心に捜査に乗り出し、DJのしずかと接触。

しかし、このしずかこそが口裂け女こと口裂け怪人が化けていた姿だったのです。

しずかを車で尾行するミスアメリカ。それに気づいていたしずか=口裂け怪人は、車の中でエゴス幹部に「計画はうまく行った」と、報告します。

ここで、また突っ込みどころがありますした。

エゴス幹部は、口裂け怪人のことを「王女様」と呼んでるのです。

えーーーー?なんでやねん?

百歩譲って、口裂け怪人が化けている女性・しずかさんはきれいな方です。

しかし、正体である口裂け怪人は、化けもの以外の何物でもありません

一体、こいつのどこがどうなって「王女様」なんだよ。
そこの経緯をきちんと聞かせろよ。

と、私は激しく思ったのですが、残念ながらそれは教えてもらえませんでした。

ただ、ここでわかったのが、口裂け女は、どんなものでも噛み砕く特殊な金属でできた歯を持ってるらしいこと。(だてに口が裂けてないってことですね)

ミスアメリカをおびき出して、口裂け女が噛み砕いて、次々に他の戦士も噛み砕いて全滅させる。

というのが、エゴスの作戦だそうです。

それだけか-い!

エゴス幹部は、「この作戦必ずうまくいく」と言ってるんですが、この口裂け怪人の回は、29話。

つまりは、既にかなり作戦も失敗して、多くの怪人がやられているのです。

にもかかわらず、この意外と安直な作戦で、自信を持っているあたりがすごいです。

案の定、口裂け女に襲われたミスアメリカですが、すぐに他の戦士たちが助けに入って、作戦は失敗。

そして、変身後のバトルシーンで、最初は調子よくバトルフィーバーの武器を噛み砕いてた口裂け女ですが、戦士5人の合わせ技にあっさりとやられてしまいました。

というわけで、小さい頃あれほど怖かった口裂け女ですが、大人になって改めて見て最終的に残った感想は、「なんで、あの怪人「王女様」と呼ばれてたんだ?」ってことでした。

※その後、ウィキペディアで調べたのですが、「バトルフィーバーJ」の悪の組織・エゴスでは、怪人は大ボスが生み出すもの。つまりは大ボスの子どもにあたり、いわゆる幹部よりも、地位が上であり、怪人は「御子」と、女怪人は「王女様」と呼ばれる設定だったのです。

久しぶりに見てすごく面白かった「バトルフィーバーJ」

小さいころ私を悪夢に陥らせた「口裂け女」。

大人になってから改めて見て怖いかどうかはまあ置いておいて(笑)、久しぶりに見た「バトルフィーバーJ」は、面白かったのです。

この頃の特撮って、昭和ドラマ独特の風情みたいなのもあり、ミスアメリカとしずかさんとか登場する女性もきれいな昭和美人で、すごくいいなと思いました。

というわけで、「バトルフィーバーJ」の「口裂け怪人」の回を見たことで、昔見ていた特撮の面白さを思い出して、以降、私はどんどん特撮にはまっていったのでした。

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