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【デザイン感想】おちらしさん8月号


おちらしさんが届いたので気になったちらしの感想をメモ。
主にデザインについて。

グランドブダペストホテルのウェス・アンダーソン監督。
夏の夢のような浅めの色彩。広い青空と黄色のロゴがポップ。
かしこまって座った人物たちと、空に飛ぶスタントマン?のコミカルさが可笑しい組み合わせ。シュールさがある楽しい作品であることがわかりやすい。
大勢の中には、よく見るとモノクロ写真のキリヌキのような人物もおり、故人?過去から来た人?なのだろうか…

真っ赤なバックに躍動感のある人物一人のみ。
人間のパワーを直球に感じさせるデザイン。
これ以上なく引き算すると、メインのもの(今回は人物)の素にフォーカスさせる効果があると思う。
たとえばこの人物をアイドルに置き換えたら、そのアイドルの素顔や努力、実力といった部分がフォーカスされるのかなと想像させる画ができそう。
その際に仁王立ちさせるのか、跳んでいるのかでも違った印象を作れる。すぐ使えそう。

全てを黄色ベタで囲んであり「正気じゃなさ」「息苦しさ」を感じさせる。
ロゴはなんだか整わないような印象を受けるゴシック体。
ゴシックであることで、そう遠く無いところにある事件に感じられるような…
もしこれが明朝だったら、もっとドラマな、大仰な話である印象を受けたと思う。

ロゴをグチャグチャっと消すようなあしらいは
「ロリコンとうさん」を消す、あってはならない、なかったことに(でも消えてはいない)というのは作品が扱うテーマを端的に表していてわかりやすい!

余白が大きい、静かな印象、朴訥な手書きロゴ、濃い緑(生命の印象)で、
文字情報には「知の敗戦処理」とあり、このビジュアルで戦争の話?と。
あらすじを読むと、戦後の哲学者(の弟子)の話で「可笑しくて、やがて哀しい論争劇」とある。
実際にはどんな話、どんなノリなのかわからないけど、宣伝美術だけを見て意味を見出すとすれば、
論じられる「余白の多い」、乱暴ではなく「静かな」闘い、人間から出てくる「素朴なテーマ」、それが「生命」に関すること…みたいな感じかも。
「可笑しい」というのがどんな感じなんだろうと気になる。
今回のおちらしさんで一番考えさせられたちらし。

裏面の写真について。
お屋敷が空き家になった時に行われる「調度品に白い布をかけてホコリを避ける」状況を白ホリの中に林立させ、その中に主人公が立っている。
調度品は部分的に見えていたり、完全に隠れていたりする。
古く長い記憶の中に入っていって、ベールをめくったりめくらなかったりする…ような印象を受ける。
この調度品の一つ一つが誰かの人生、登場人物のイメージなんだと思う。
原作を知らないので、読めば答え合わせができると思うと楽しみ。

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