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米CPI予想超えで利下げ遠のく?市場と注目銘柄の行方(2025年2月17日)
市場全体の動向
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主要な米国株価指数は堅調な週となり、S&P500種指数は週間で+1.5%、ナスダック総合指数は+2.6%、ダウ平均は+0.5%の上昇を記録しました。
直近取引日(2月14日)の終値では、S&P500は前日比-0.01%、ナスダックは+0.41%、ダウは-0.37%とほぼ横ばいで引けています。
S&P500は1月下旬の史上最高値に迫る水準まで回復し、ナスダック100指数は過去最高値を更新しました。
米国の最新インフレ指標では、
1月の消費者物価指数(CPI)が前年比+3.0%(予想: +2.9%)と市場予想を上回り、約1年半ぶりの大幅な伸びを記録。
1月の卸売物価指数(PPI)も上昇。
これを受けて、FRB(米連邦準備制度理事会)は利下げに慎重な姿勢を維持。
パウエル議長も「利下げを急ぐつもりはない」と発言しています。
しかし、1月の小売売上高は-0.9%と市場予想(-0.3%)を大きく下回り、個人消費の弱さが浮き彫りになりました。
これは米国経済の減速懸念を高める要因となっています。
政治・マクロ要因では、
トランプ前大統領が“報復関税”を計画するものの、即時発動は見送り。
鉄鋼やアルミへの関税強化が示され、市場の不透明感を助長。
市場全体としては「バリュエーションは割高」との指摘があり、インフレ指標やFRBの政策動向に神経質な展開が続いています。
セクター別の動向
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直近のセクター動向を見ると、
素材セクター: 2月13日(木)に+1.71%の上昇でトップ。
一般消費財: +1.6%の上げ。
特に鉄鋼・アルミ関連株はトランプ氏の関税発言を受けて4〜10%以上の急騰となりました。
一方、
エネルギーセクター: 2月12日(水)に-2.69%と11セクター中最大の下落。
原油価格の下落が影響し、3か月ぶりの安値水準まで低下。
生活必需品・公益セクター: 週末に利確売りが入り、2月14日(金)にはそれぞれ-1.16%、-1.11%と下落しました。
全体的に、セクター間の強弱差は限定的で、市場は慎重なムードが続いています。
銘柄別の動向
大幅上昇した銘柄
Airbnb (ABNB)
+14%の急騰
宿泊需要の回復と好決算が評価され、利用者数・客単価の増加が追い風。
今後は$160台での定着が鍵となり、中長期的な上昇基調が期待される。
CVSヘルス (CVS)
+15%の急騰
決算が市場予想を上回り、新CEOの下で業績改善期待が高まる。
依然としてPERは低水準(S&P500平均より割安)で、押し目買いの余地あり。
MGMリゾーツ (MGM)
+17%の急騰
ラスベガスの観光回復やオンラインベッティングの成長が寄与。
テクニカル的には$45-50の上値目標を意識した展開。
大幅下落した銘柄
トレードデスク (TTD)
-33%の暴落
33四半期ぶりに売上予想を下回り、新広告プラットフォーム「Kokai」の遅れが響いた。
高PER銘柄の調整局面に入り、短期的には戻り売りに警戒が必要。
ダヴィータ (DVA)
-11%の急落
2025年の利益見通しが市場予想を下回り、大株主バークシャー・ハサウェイの売却も売り圧力に。
株価は長期サポートを割り込み、戻り売りが続く可能性あり。
総評
好決算で急騰した銘柄は、需給改善と割安修正の動きが見られた。
一方、下落銘柄はバリュエーションの高さや業績不安が原因で売られており、投資判断には慎重な姿勢が求められる。
筆者の見解
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上述の銘柄の中から、中長期で安定した成長が期待できる企業を選別し、投資戦略を検討する。
注目銘柄
CVSヘルス (CVS)
押し目$60付近での買いを検討。
目標価格は$70-80。
景気変動に強く、長期的に安定成長が見込める。
コカ・コーラ (KO)
ディフェンシブ銘柄として長期保有向き。
$55-60の調整局面で分散投資を考慮。
マクドナルド (MCD)
不況耐性が強く、デジタル戦略が成長ドライバーに。
$260前後での押し目買いを検討。
リスク管理
株価がサポートを割り込んだ場合はロスカット。
高PER銘柄は決算内容を慎重に精査し、割高すぎる水準では避ける。
短期トレードを狙うなら、Airbnb (ABNB) や MGMリゾーツ (MGM) の押し目を拾うのも一案だが、ボラティリティが高いため慎重なエントリーが求められる。
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