【観劇】インヘリタンス-継承-
舞台「インヘリタンス-継承-」公式サイト (inheritance-stage.jp)
2024.3.2 大阪府 森ノ宮ピロティホール
大好きな役者(新原泰佑くん)が二役をやると知った瞬間になりふり構わず観劇を決め、事務所先行でチケットを取って行ってきました(後日判明した中学の制服採寸招集日程と被ったけど、そっちは夫に行ってもらった…)(異性親でめっちゃ肩身狭かったらしい ごめんて…)
で。
この深い深い役者沼に飛び込んで数年、二度見するくらい公演時間長いのに(6時間半!)一切飽きずに秒で時間が過ぎていく濃密な体験をさせてもらえました…本当にすごかった…
実は引いた席がとんでもなくて、センブロ2列目(実質1列目)上手寄り。1列目を演出で使うというのはパブサして知ってて、心の準備はしていったつもりだったんですけど…無理だったな…
多分普通の席だったら見えないであろう【演説台の裏に隠れて片手で水飲みながら(ストローっぽい吸い口ついてた)片手でシャツのボタン外す(※アダム⇔レオのスイッチ)姿】を確認したときはまだ平気で、(すごい…器用だな…)とか思う余裕があったんですが、さすがに目の前にエリック、ヘンリー、レオ(と斜め前にトビー)が座ったくだり、話が全然入ってこないレベルで現実の認識に時間かかりました…無理よ…
ちなみに座り方というか雑感
・姿勢の良いエリック(なのでアダムが一番体張ってたシーンが見切れる悲しみはありつつ)
・メチャクチャいい匂いしたヘンリー、姿勢もわりと良
・右隣トビーと一緒に横にもたれ気味にグダっと座るから視界が助かったレオ
と三者三様。
レオが真ん前の席にいた数分、喉ゴキュッて2回くらい鳴った自覚あります(髪、ラフに見えるけどガチガチにセットされてるんだ…)と思いながらハンカチギッチギチに握りしめて後ろ頭見てました…ほんとうに声出さないで耐えたのメチャクチャ偉いと思う…今いちばん好きな子が真ん前に座ったんやぞ!?手を伸ばせば届く位置で芝居してたんやぞ!?ほんとに3月頭にして今年の運全部使ったよ…
わたしは物語全体の感想を語れるほどの人生を生きていないので(きっとヘテロのわたしには彼らが語る物語の中の苦悩は心の底からは分かってあげられないと思う、とはいえ、彼らと彼らのような今を生きているたくさんの誰かの人生が今後一切損なわれないことは強く願った)新原くんの芝居好きポイントを語るにとどめるんですが、アダム、年齢ゆえの未熟さから来るであろうクソガキ(言い方)と魔性のバランスが本当良で…あとレオがどん底だった時、それまでの無愛想というかぶっきらぼうな感じとまた違う、全然頭回ってない人の話し方になってて慄いた。それらのスイッチを一つの舞台で拝めたの感謝しかない…売れていったアダムのこまっしゃくれた甘ったるい声も、レオがトビーにぶつけた感情ごちゃまぜの慟哭もまだ頭にこびりついてる。
そしてスイッチといえばもちろん二役なのでアダムとレオの切り替わりを何度も見たんですが、アダムとレオの邂逅はもちろん、レオの芝居に混じる「アダムは花を贈った」の声、ほんとうに最高だった、あの一瞬だけあそこにはレオじゃなくてアダムが立ってた。
あとはお芝居ポイントというよりも身体能力!
わたしが大好きな頭を横に抜きながらぬるっと後転するやつ(見間違いでなければ段差超えてた?)見れてちょっと興奮した。あと素足大開脚空中ビタ止めはほんとに彼ならではだな…足綺麗だったな…てかボディラインも全部綺麗だった…(話がそれていく)
カーテンの向こう側でどんどん脱いでいくアダムを(エリックの頭越しに頑張って)見ている間、あまりにも席が近かったがゆえに、エッ待ってどこまで脱いで…?(戦慄)になってました…あれ、ヒップラインの影まで見えた気がするんですけど本当にどこまで…!?
インティマシーコーディネーターさんが入られていてもなおそこまで体張ってる(イコール、本人が納得してその表現をしていると推定される)ことに衝撃を受けました わたしはほんとうにとんでもない子を好きになってしまった…
さいごに真偽不確定の所感をパラパラと。
・クリスタル(クスリ)、多分龍角散だと思うんですよ。めっちゃ龍角散の匂いした。あと龍角散の粉って喉引っ付くと普通にめちゃくちゃ咳き込むので(その割に喉にいいって不思議な粉だよな)、レオの咳めちゃくちゃ自然だったのでもしかしてこれ使った?とか思った 使ってないならそれはそれでうますぎる
・終盤で画面いっぱいに映されるこれまでのセリフ手描き文字、もしや本人による手書き?見たことある感じの字だった もしそうなら福士さんメッチャ美文字だな…
あと、少し良くないかもしれない意味で気になったこと。
・「鬼滅で言うと柱」、気になってはいたんですがオリジナルではゲースロのナイツウォッチだということを知り、じゃあ納得だな…と思いました
劇中、ゲイカルチャー特有のワードなんかはパンフの解説にかなり頼ってる部分があったな〜ではあるから(わたしはネタバレを恐れて終演後にしかパンフを開いてないので、わかんなかった部分を後から補完した形になった)、そこにゲースロも入れちゃって原本通りでも良かったのでは?とはちょっと思ったりもしましたが。
鬼滅って連載が16年2月からで、アニメがまだ作られていない17年当時のアメリカのクールジャパンムーブメントがどんなもんだったかを知り得ない私にはジャッジができないな…とは思いつつ…まあでも実際あの一瞬(えっ17年当時鬼滅ってアメリカで流行ってたもんなの?アニメってまだじゃない?)で我に返ってしまったのも事実だったので。観客が我に返ってしまうなら、狙いとしてはうまくいってはいないんじゃないかなと…
と、そんなところです。
そういや先日劇中でも彼らの分断のもとになった例の最新の結果が出て、共…党の候補が決まりそうってニュースを見た時に(えぇ…ジャスパーがあれだけ嘆いてたのにまた…)と思いました。
きっとこうやって度々彼らのことを思い出す、そういう演目だったんだろうなと思っています。
しかし本当にびっくりするほど時間を感じさせない濃密さで6時間半が過ぎていった、多分過去一没入感を感じさせてくれた舞台でした。本当観てよかった…あまりに席が近すぎて話入ってないところあるから願わくは引きでもう一度見たかった〜!!(大阪が初見だったので次は翌週の北九州しかなかった)(さすがに北九州まではいけなかった…)
観劇シーンのトビーとレオの芝居、本当に伸ばせば手の届く距離でした…まるで、決してイージーモードではない想定外の日々をそれでも真剣に向き合いながら年単位で重ねてきたことと、望んだ結果へ導いてあげられたことに対するご褒美のようだったな…と思うことにしました。
彼にはラジオドラマしかり、いつも勝手に救われている。
ほんと、生きていればいいんだよな。それってわたしがこのがんばってきた数年、ずっと心に置いてきた言葉だった。
ああ、また絶対に舞台に立つ新原くんを見たいな。彼がどこまで行くのか楽しみで仕方がない。
ニュージーズ再演やるらしいけど、さすがにフィンチはもう回ってこない気がする…身体能力が必要な役と言えばクラッチーだけど、クラッチーは初演キャストで見たい…(わたしは松岡広大のこともすきなので…)