【カメラの派閥選び ~第1章~】キヤノン、ニコン、ソニー、フジフィルム…あなたは何派を選ぶべき??

少数の知り合いにアドバイスを貰うのは危険?!

カメラ入門を目指す人が、どのブランドを選ぶべきか。迷うときには、まず身近な経験者(カメラに詳しい人)に相談したくなるもの。

し か し ! この質問、安易に経験者に尋ねてはいけません!
なぜなら、かなりの確率で、相当その人の好みに偏った意見を、滔々と聞かされるから^^;

正解がないからこそ、基準は自分の中に!

でも、いっぽうでみんな薄々分かっているのは、絶対的な正解も無い、ということ。だから、初心者さんのカメラ選びも結局は

「”直感・フィーリング”を最重視して選ぶべき!」

あるいは、もっと言葉を選ばずに言うと、

「見た目が気に入ったやつを選ぶのが正解」

だと、わたしは思うんです。

自分のカメラを、ほんとうに気に入るかどうかは、スペックとか以上に、見た目ブランドイメージ 、あるいは手にとったときの気持ち、といった ”ミーハー要素” がなんだかんだで、極めて重要。
直感的な好みって、案外ずっと変わらないものなんですよね。なので、初めてのカメラを選ぶとき、自分のフィーリングを重視すればOK。

ただし、スペックとか各ブランドの特徴なんかを知識として知ると、それが逆に見た目の印象も左右してくるのも事実です。


じゃあ、どうすればいいか。

各派閥(それぞれのメーカーの支持者)の 主張(おらがブランドが一番!)をひととおり聞いて、それぞれに強みが有ることをちゃんと理解したうえで、改めて自分の気持ちに問えばいいのです。

バランスよく各社のメリットを聞いてからの判断であれば、初心者さんでもまぁまぁ自分のスペック面での好みも見えてきます。それをちゃんと抑えておけば、初心者なりにも、ちゃんと「見た目」と「性能面」と、両面を総合的に考えた自分にベストな選択肢が、けっこう自ずと見えてくるはずです。


そんなわけで、前置きが長くなりましたが、カメラの派閥選び の第一章として、今回は、まだ先入観すら持っていない入門者さん向けを想定して、カメラメーカーのブランドイメージについて語ってみます。

初めてのカメラ選びの参考にしていただければ幸いです☆


【選択肢候補】

現在のデジカメ市場での主要メーカーとして、基本は、ソニーキヤノンニコンオリンパス、フジフィルムの、5大メーカーから選ぶことになるでしょう。(いずれも日本の企業ですね!)

あえてニッチなブランドを選びたかったら、パナソニックリコー(ペンタックス)シグマ。(おぉ、ここまでもまだ、日本の企業が独占!)

あと、お金持ち^^ならライカとかハッセルブラッドなどもさらに選択肢に加わるでしょうか。(ふむ、これらはポルシェとかベンツみたいな、高級外車的存在ですな)

【選び方・基準】

スペックとか、将来性とか、あれこれ知識を持ち出すのではなく、ここはあえて、フィーリング で選ぶべきです!! 

全部ひっくるめて、自分のカメラを好きになれるかどうか。結局のところ、いちばん大事な要素は、見た目 とか ブランドイメージ とか、そういう表面的な部分だと、いまでも実感しています。

手にとったとき、なんだか嬉しい気持ちになれること。
これがもう、最重要です!!

こういう好みって、個人的・感覚的なもので、そうそう変わらないんですよね。なので、今どきのカメラのことを全然知らない入門者さんでも、自分のフィーリングをなにより重視して選ぶことが、とっても大事なんです。


ただ・・・「自分はカメラのことほんとうに知らなくて、どのブランドがどんな特徴か、なにもイメージが沸かず、全然自分の中で好みがどれか、見えてこない」という方には、少し情報のインプットがあるといいですね。

以下、カメラブランドごとの強みや魅力などについて、各社支持者たちに主張される主なポイントをまとめてみますので、どんな点が自分の心に響くか、考えながらご覧ください^^


■ソニー:最高のスペックで時代をリードする先駆者


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◎時代の先駆け

単独で5年もの間、フルサイズミラーレスを牽引してきた絶大なアドバンテージを有する。
センサー感度、連射スピード、AF、サイレントシャッターなど、数値的にも他社を凌駕するスペックで、今の時代のハイエンドカメラを実質リードする存在となっている。

◎Eマウント(ソニーミラーレスの規格)の将来性/サードパーティーレンズの充実

マウント規格を公開することで、レンズメーカーもEマウントレンズを積極的に展開可能になっている。
これにより、自社レンズ(高級・高性能モデルが中心)に加えて、コスパの良いサードパーティーのレンズも圧倒的に充実し、選択肢の幅が広がっている。

◎自社開発

定評のあるソニーのCMOSセンサーは、自社のカメラ向けだけでなく、他社向けにも提供。ニコンやフジフィルムなどの多くのカメラ用センサーも、実際はソニーが製造を担っている。

◎軽さ/デザイン

ウォークマンの時代から軽くてコンパクトな製品を作るのが得意なソニーの強みは、カメラでも健在。
ゴツゴツした従来のカメラメーカーの製品とは一線を画す、すっきりした デザインで、見た目のかっこよさはもちろん、機動性にも優れた機種が多い

▲弱み

・カメラ/光学メーカーとしての歴史は、キヤノンやニコンに及ばない。
・ハイエンド機は耐久性に劣るとされる。
・コンパクトな筐体について、一眼レフユーザーなどからは、小さすぎてホールド感に劣る、と評価されやすい。
・フルサイズミラーレスのトップメーカーとして、最近はやや守りの姿勢の印象が強い。



■キヤノン:誇り高き絶対王者の、実績と実力


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◎トップメーカーの安心感

デジカメ全体で世界シェアトップ。キヤノンを選んでおけば間違いない、という安心感がある。

◎実に幅広いラインアップ

超初心者向け~プロユースまで、まんべんなくラインアップ。どのレベルのカメラでも、自分にあったカメラが見つかる。

◎驚異的な企業体力・開発力

ミラーレスのEF-Mマウント、一眼レフのEFマウント、そして新しいミラーレスRFマウントと、複数のマウントを有したまま、開発スピードを維持する体力は驚異的
フルサイズミラーレスでも、先行するソニーに引けを取らないスペックのハイエンド機をリリースするなど、カメラトップメーカーとしての誇りと意地を感じさせる。

◎色合い

自社開発レンズ群は、総じて高品質。華やかな傾向の色彩表現が秀逸。
マゼンダが強めの印象で、とくにポートレートに向いているとされる。

◎RFマウントの将来性

後発の強みを活かし、大口径で光学的に有利な新規ミラーレス用マウントで、高画質を実現。RFマウントの強みを生かしたハイスペックなレンズも、徐々に増えてきた。

▲弱み

・複数マウントを維持するのは、経営体力の分散につながる
・フルサイズミラーレス後発のため、RFレンズのラインアップ、とくに手頃な価格帯のレンズが非常に少ない。


■ニコン:誇り高きブランドへの信頼


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◎堅実なブランドを維持

他には代えがたい、高品位の質感が、何よりの魅力。
日和見せず、真面目に堅実に、高品質を追求し続ける姿勢に対して、長年のニコンユーザーの多くは、引き続きニコン支持を続ける。つまり、長年培ってきた「ニコンらしさ」は健在、ということ。

◎安心感・安定感

タフでどっしり。
過酷な環境でプロたちの要請に応えてきた信頼は、新規マウントのZマウント機にも引き継がれている。
また、手にとった感触やシャッターの手応えなど、感覚的な部分に絶大な信頼をおくNIKONファンも多い。

◎Zマウントの将来性

ニコンのミラーレス用新規格「Zマウント」は、ソニーEマウントやキヤノンRFマウントと比較しても、より大口径かつ短フランジバックを実現。
ミラーレスの強みを最大限活かした高品質レンズ展開のほか、オールドレンズ母艦としての魅力も。

▲弱み

・開発スピードが早いとは言えず、カメラ・レンズとも選択肢が少ない
・スペックの割に、やや割高な印象。


■オリンパス:コンパクトなカメラで、長年業界をリード

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◎コンパクトなマイクロフォーサーズ機を展開

コンパクトな作りに有利な「マイクロフォーサーズ」規格のカメラを多数展開。レンズ交換型だけでなく、手軽なコンデジでも高いシェアを誇る。

◎手ブレ補正

定評のある手ブレ補正機能は、当初からオリンパス機の最大の強み。高倍率ズームなどで、その威力を発揮。

▲弱み

・デジカメを含む映像事業を分社化し売却(2020年6月)。オリンパスブランドは当面維持されるとはいえ、先行きはやや不透明。
・マイクロフォーサーズ以外の展開がなく、ハイエンドの選択肢が無い。

■フジフィルム:色彩表現に優れたベストバランス機

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◎色合い

銀塩フィルムのような、深く印象的な色彩描写はファンが多い。また、天体写真を撮る人にとっては、改造なしで星雲の赤い色合い(Hα光)が良く映る点も魅力。

◎バランス

ラインアップが多いわけではないが、APS-C機の最高峰と評されることも多いX-T4をはじめ、絶妙なバランスのハイエンド機と、それに応える高品位なレンズ群が素晴らしい。

◎クラシカルなデザインのボディー

昔ながらの、ちょっとシックなボディーデザインも、ファンが多い。

▲弱点

・戦略的に、フルサイズ機は展開しておらず、ハイエンド機の選択肢がAPS-C(あるいはひとっ飛びに中版サイズ)に限られる。


■その他のメーカー

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パナソニックシグマは、独自の路線展開でまだまだ実績を上げられずに苦戦中。一芸に秀でてニッチな市場を開拓…することも、出来ていない印象。

リコーペンタックス)は、根強いペンタックスファンに応えつつ、GRやTHETAなど、ニッチなジャンルを個性的なモデルで巧みに攻める。ただ、どう見ても万人向けではない方向性。

海外ブランドのライカハッセルブラッドは、世の大半の人にとっては、高嶺の花。それぞれ、実力も折り紙付き、、なのだろうけど、いかんせん他メーカーと比較する気にならないほどの、はるか上空の価格帯。

そんな感じで、よっぽどでなければ、カメラ選びは国内5大メーカーの中から選ぶべきです。

最後に・・・ソニー派として、ひとこと

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私自身、自分のカメラを最初に選んだときは、スペックや将来性の前に、見た目でSONY機を選びました。CanonやNikonの黒くてゴツい一眼レフ機が、どうもカッコよく見えなかったんですよね…。

いまでは、スペック面では他メーカーもいろいろ強みを見せてきているけれど、将来性の面も含めて、当面はソニー派でありつづけることになりそうです。やっぱりソニーが一番コンパクトで格好いいし。

なお、よく言われるソニーの弱みの一つで、「本体がコンパクトすぎてホールド感に劣る」という点については、わたしはむしろ逆の印象。
というのも、ソニーのカメラを使っていれば、そのサイズに合わせた持ち方にすぐ慣れるもんなんです。
ホールド時に余る右手小指は、グリップを握るためではなくて、小さく折りたたんで本体を下から支えるように添える。そうすると、本体の軽さに加えて、下から支えている安心感もあって、大きなグリップのCanonやNikonのカメラよりも、ずっと安心感があります。

あ、ただ他メーカーではFUJIFILMが気になり始めてます。Jpeg撮って出し画像の色合いが好みなのと、星空写真に向いた特性が他にはない魅力。

でもマウント(カメラブランド)が異なるとレンズ資産を共有できないから、、気軽に2マウント持ちなんて、とても出来ないしなぁ。

 *   *

カメラブランドの好みって、人に聞けば、色んな人が色んな意見を言うはず。なぜなら、重要視するポイントが、人それぞれ、てんでバラバラだから。坊主憎けりゃ…じゃないですけど、例えばデザインが好みのメーカーについては、そのメーカーの性能的な特徴についても、なんだか後付けで、好きになっていってしまうんです😁

何が一番自分にとって重要か、ぜひ自分の心の声に耳を傾けて、自分の好みに素直な派閥(ブランド)選びをしていただければ。
とにもかくにも、自分が納得して楽しめることが一番ですから。

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☆続編☆ ~ カメラのタイプ選び ~

ブランド選びに加えて、どんなタイプのカメラを選ぶか、という点もカメラ入門の最初に悩むところ。

ミラーレス一眼が今後の主流なので一番おすすめですが、他のタイプも用途によってはお勧めとなる場合も。

詳しくは、↓こちら↓ で解説しています。



【追伸】お借りしたトップ画像について

Sally PORTRAIT<人に夢中なフォトグラファー> (sally_portrait)さんの、ステキなオールドカメラの写真を使わせていただきました。(ありがとうございます!)

昔のレトロなカメラには、どこか佇まいだけで写真の魅力がにじみ出てくるような、不思議な雰囲気がありますね。

カメラが進化すればするほど味わい深く、また原点として深みを増すような、そんなオールドカメラを、モノクロでシンプルに切り取る。
被写体も、写真自体も、写真の魅力の原点を教えてくれるような、そんな印象を受けました。


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