白い紫陽花を、君に。

降った雨が、心に染みをつくる。

君とのデート場所が変更になったからだとか、
理由はそんな単純なものではなくて。

梅雨の時期は、どうしても自問自答しちゃうんだ。

(あのとき、あのばしょ、あのせんたく…)

そんなものは意味がないってわかっている。

「困り顔、禁止。」

考え事をしていた僕の下の方から声がする。

そうだね、せっかくのデートなんだ。

「今日はとことん楽しもう。」

そう返すと、満足そうに微笑む君を見て思った。

どうか、どうか、明日は晴れますように。

そしたら、君に伝えたいことがあるんだ。


「6月の花嫁に、なりませんか?」て。


プロポーズとかって、薔薇がいいんだろうけど。
白い紫陽花の花束を持って。

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お仕事中のドリンク代にさせていただきます。ちょっといい紅茶を買いたいです。