遊びたい欲と大人になりたい欲の間にいる
1人の男にしか興味が無い女に憧れる。心の底から好きな人にしかアタックせず、結果的に1人も彼女ができたことのない男友達に憧れる。遊びなんて誰でもできるよって心底言っている女友達にも憧れる。僕もそれくらい大人になって、1人の女の子に心置きなく人生を捧げられるような人間になりたい。
大して好きでもない女も含めて10人ぐらい付き合ってきた男友達にも、欲望に正直に生きているという点では憧れる。そうすることで、彼は最終的には心残りなく結婚出来るのではないかという気がする。彼はまあまあカスだが、着実に女の扱いが上手になっているようで、そういう所にも理不尽を感じる。僕も遊びたい気持ちが残っているなら、さっさと遊んだ方がいいのではないかとさえ思う。
正直遊びたい欲はすごい。色んな人とHしてみたい。人間に興味があるし、興味がある人間のするHに興味がある。どんな人に、どんな性欲があって、どんな風に人を受け入れ、どんな風に自分を解放するのか。人間のことをしりたい。あと単純に自分の知らない快楽をもっと知りたい。僕が相手の目を気にせず行為に夢中になれるくらい、先に自分を解放して見せてくれるような人ともHしてみたい。でももしかすると、そういうタイプの女の人が先にいるのではなく、女をそんな風に安心させてしまう男の人間性と雰囲気作りの上手さが先にあるのかもしれない。僕もセックスが上手くなりたい。最初からうまくいかなくてもいいから、全部含めて味わいたい。こんなにもしたいことを、我慢して生きたくない。
でも、万が一将来結婚できた時に、お相手が奔放めの人なら別にいいが、そうでなかったら、僕側にだけ過去にセフレが居てもいいのか?とも思う。僕は隠し事はしたくない。そこで、彼氏がいる女の子の友達に、彼氏に過去にセフレがいたらどう思うかと聞いてみたところ、「絶対モヤモヤする!」と言っていた。優しい女の子にそう言われたのがかなり刺さり、マッチングアプリでヤリ目同士と分かった上で会えそうだった人がいたのだが、その人との予定を衝動的にキャンセルした。正直後悔の気持ちもあるが、それ以上になんだか安心した。
そもそも僕は先月別れた元カノに未練があって、連絡したいのを我慢して半ばヤケクソで遊ぼうとしていた。半年しか付き合っていなかったのだが、僕が自己肯定感の低さをこじらせすぎて、自分から振ってしまった。相手の方が数段大人で、少し時間を置いて考えてみないかと言ってくれていたのに、しっかりと別れてしまった。にも関わらず、それから1か月の間、もう一度付き合えるきっかけがまだ何かあるかもしれないと自分でも驚くくらいしつこく思っていた。そんな風に未練タラタラな間はアプリはやめようと思った。
全然関係ないが、先々週の休みに、女友達と2人で飲んできた。前々から4人組くらいでよく飲んでいる人だが、向こうから誘われて、初めて2人で会ってきた。話はとても盛り上がって、3軒ぐらいハシゴして、すごく楽しかった。そしてなんと、最後の店で話している時に「一旦ホテル行っとく?」と本気か冗談か分からないが誘ってくれた。正直めちゃくちゃ行きかったが、僕は元カノに未練があったし、相手には付き合えそうになってきている本命の沼クズ男がいたので断った。
冷静に考えれば当然やめておくべきな状況だったのかもしれないが、「仲のいい女友達から軽率にHに誘われる」というのは僕にとってはまさに望んだ、夢みたいな状況だった。酔った頭でそんな状況に出くわして、それでもその時は「遊びたい欲」よりも「大人になりたい欲」が勝ったのだ。聞く人によってはバカみたいな話だと思うけれど、僕にとっては結構事件だった。一生ガキのまんまかもしれないと思っていた自分だけど、少しは変わってきているのかもしれないと思った。
そしてその後すぐ元カノから久々の連絡が来た。ただの雑談で、よりを戻したいという連絡ではなかったが、僕の方は会いたい、よりを戻したいと思っていると伝えてしまった。とりあえず会ってもらえることになった。もし付き合い直せたら、今度は絶対に後悔のないようにしようと思う。付き合えなかったら、その時は遊んでみてもいいのかもしれない。まあ結果がどうなろうと、しっかりと話を聞いて、話を聞いてもらって、向き合ってきたい。