【ホラー映画レビュー】「オテサーネク」を観たよ【食人木】
こんにちはー
赤子って可愛いですよね。あのクリームパンみたいな手とかほっぺとかさ。
笑ったときの「ふわぁ〜」みたいな声とかね。
そういやネトゲ友達の元に最近赤子が生まれたそうです。その子に私の朗読を聞かせてると、何故か大人しく聞き入ってるそうです。なんでだよ?
今回は「オテサーネク」という映画を観ました。
2001年公開のチェコ・イギリス合作映画。
観る前にきをつけたいこと
まーじーで、不快な表現が多い。
・性的な表現が多い
性行為というよりは、老人が幼子に興奮しているシーン(股間から手が伸びるなどの表現)
口から白いものを垂らすシーンなどでそういったものをイメージさせるような表現。しかもおっさんの口からだぞ。やめろや。
あとこれは微妙ですが、妊婦の裸(胸も)が一瞬映ることもあります。
・グロテスクな表現
臓物。オチークの口から見え隠れする舌と歯など。怪物。
・不快感を掻き立てる表現
ものを食べている口を間近で映す。咀嚼音やものを切ったり潰すを大きく聞かせる表現。
・隣人の子がなんかウザイ
早熟で耳年増。不妊の奥さんへの嫌がらせのような行動。
ざっくりあらすじ
夫カレルと妻ボジェナのホラーク夫妻は不妊で悩んでいた。
カレルは度々赤子の幻覚を見てしまう位には病んでたし、ボジェナはただの木を己の子供だと思い込む位には病んでる。
つまりどういうことだってばよ。
ある日、隣人に勧められてホラーク夫妻は別荘を購入した。カレルは荒れ放題の庭の木を切り倒し、根っこを掘り起こした。
うんとこしょ、どっこいしょ。
苦戦して掘り起こした根っこは、どことなく人のような形をしていたた。カレルはなんとなく思いつきでそれの形を人型に整え、ニスも塗って木人形を作った。
それを見たボジェナは狂喜乱舞。
どう見ても木なのに産湯をして、服を着せて、話しかける。
テンションぶち上がった状態のボジェナは、別荘から自宅に戻る際にもその木を持って帰ろうとする。
そんな彼女を宥めるために、「妊娠してないのにいきなり子供連れ帰ったら誘拐だと思われるやろ」と、木を取り上げ、テーブルに叩きつけながら説得するカレル。そこまでせんでもよくない?
「ってか、そもそも子供じゃなくて木やん」って。
それを聞いたボジェナは、「せやな!じゃあ妊娠するわ!」となり、1ヶ月〜9ヶ月までの妊婦のお腹の大きさを再現したクッションを作り、外ではそれを身につけて妊娠を装うことに。「子供じゃなくて木やん」は完全スルー。
カレルはそんな妻を見て「ああ、はい........(引)」って感じ。色々諦めて彼女に合わせることに。
なんとかかんとか、トラブルを回避しながらやっと生まれた(ことにできた)赤子。
実態は木なのだが、どういうわけかいつの間にか木が動いて本物の赤子のように振る舞い始めた。
えっ、なんでなんで?
以下ネタバレ
ネタバレあり
オチークの正体
「オテサーネク」という、食人木。
伝説上の化け物で、人や牛などを食べると言われています。
偽装妊娠の末、8ヶ月の早産で生まれた(という設定の)オチークは、初めこそママのおっぱい(出ない)を吸っておりましたが、少しずつ食欲を増していきます。
何でもかんでも食べ尽くし、飼い猫や郵便配達のおじいちゃん、児童相談所の職員を次々食べていき、どんどん体が大きくなる。
ボジェナはそんなオチークに恐怖を覚えつつも、あくまで自分の子供として愛し続けます。
そんなボジェナに度々イラつくかもしれませんよ。
食いすぎやろって
児童相談所の職員を食べた所で、カレルは一大決心。
オチークを縛り上げ、でっかい袋に押し込んでアパートの地下室に閉じ込めてしまいます。
アルジュビェトカ
隣人の娘アルジュビェトカは、民話の本でオチークが食人木であることにいち早く気付いておりました。
この子、最初ちょっと嫌な感じを我々に与えてきます。
ホラーク夫妻が不妊で悩んでると知ってて、ボジェナの前で赤ちゃんの人形でままごとをしたり、性行為について書かれた本を読んで得た知識で親に空気の読めない質問をしてくる。
「(ホラーク夫妻に)子供ができないのは旦那さんの精〇がダメダメだからよ!」みたいな発言をする。子供ならではの無神経さがすごい。
友達
昔から「自分だけの友達」が欲しくてたまらなかったアルジュビェトカは、カレルによって地下室に閉じ込められたオチークを発見します。
料理を持っていき食べさせたりしてオチークの世話をしていたアルジェビェトカは、やがてはアパートの住人たちをエサにしようと考えました。
セクハラ老人
いやまじで、見る度に「いやいやいやいや、帰れ!消えろ!」ってなるジジイがおるんよ。
ジジイはアパートの上階に住んでおり、毎日ヒィヒィ言いながら階段を登っています。
ほかの住人からは「階段しんどいなら1階の人と部屋交換したら?」と言われるのですが、彼はそれを拒否。
住み慣れた我が家に花の香りを添えて、優しく育った樹木香りも入れて、この街で一番素敵に暮らしたかったんでしょうね(吉幾三「Dream」)
でもさぁ、私は彼の目的はアルジェビェトカだと思うんだよね。っていうか間違いない。
階段でアルジェビェトカを見かける度に眼鏡をかけて、目を見開いてニヤニヤしながら見つめる。そして毎回、彼のズボンの股間のボタンが外れ、そこから手が伸びてくる映像が流れます。
まぁ〇起してるってことだよね(直球)
アルジェビェトカのスカートの裾から伸びる足を舐め回すように見たり、
オチークの正体に気づいた彼女が、何が起きてるのか知りたくてホラーク家の鍵穴から中を覗いてる際にはおしりを触ろうとしてました。2回も。
余談ですけど、いわゆる性欲というものは年老いても無くならなかったりするじゃないですか。なんなら年取るとだんだん自制心が弱くなることもある。
まぁ、このセクハラ老人は最終的にそんな性欲を逆手に取られてオチークのお腹の中に消えるんですがね。
感想
いやーキモイ。
少し前に見た「アングスト 不安」に雰囲気が似てる気がした。同じように咀嚼音や唇ドアップの描写がキモかった。
そんでもって最初からずっと半狂乱に近い状態で、ずっと様子がおかしいボジェナが結構イラつく。
最初はアルジェビェトカにイライラしてたんだ。
転がったボールを追いかけて、ホラーク夫妻の乗る車に轢かれそうになったときの第一声が「こんにちは」だけだったのとか。
まずは「ごめんなさい」だろ!!って。
ホラーク夫妻が不妊だって知ってて、ボジェナの目の前で赤ちゃんの人形で遊んで見せた所はもう、どついたろかと思った。
不思議とアルジェビェトカのウザさにはすぐ慣れてきて、オチークの世話をするようになってからは、少しだけ彼女を見直したりもした。
「食べる前には必ず手を洗う」ということをオチークにしつけたのは彼女です。やるやん。
動き出すようになったオチークの描写はCGではなく、いわゆるストップモーションですね。
粗めの。
ぬるぬる動かれるよりは、ストップモーションの不自然な挙動のほうがずっと気味が悪い。
そんでもってオチークの口がさぁ、キモイんだよね。人間みたいな歯と歯茎と、舌がぬらぬら動いててさあ。うわぁってなる。
オチークが最終的にどうなったのかまでは具体的には語られていませんが、流れ的には劇中でアルジェビェトカが読んでいたおとぎ話の通りになったんでしょうね。返り討ちにされてなければ。
そういう劇中でおとぎ話を主軸に置いて、主人公の周りの人物とおとぎ話の登場人物をリンク?投影?させていく手法といえば、パッと思いついたのがM・ナイト・シャマラン監督の「レディ・イン・ザ・ウォーター」でした。
機会がある時にこちらも紹介したいです。
はい。
この映画はあまり人にはおすすめしたいとは思えませんでした!(笑)
いやあの、酷い出来だと言ってるわけではないんだ。しかしながら、かなり人を選ぶ。
元々気持ち悪い映画やホラー映画が好きで、慣れてる人ならそこそこ楽しめるんじゃないかなって思いました。
おわり