【犬は無事】「アングスト/不安」を観たよ(ネタバレありレビュー)
こんにちは。
メディシンボールって分かります?
小さめのボールに砂やら何やら入れて重くしてある、フィットネス用品なんですけど。
私、3キロのやつ持ってるんで、この前久々に使ってストレッチしてみたんです。
そしたら翌日、朝起きたら腰に刺すような痛みがありました。
十代の頃から、長時間あぐらをかいたりすると背骨の根元近く?左の腰とおしりの境目辺りが痛くなるんですけど、まさにその痛みでしたね........。なんなんだろ、不安だわぁ。
はい、上手く話を持っていけたところで(いけてない)、今回観た映画のレビューをします。
「アングスト/不安」
1983年公開のオーストリア映画です。
実際に起こった殺人事件を題材にしたものでして、公開当時にはヨーロッパ全土で上映中止されたものだそうです。
日本では「鮮血と絶叫のメロディ/引き裂かれた夜」とかいう独特のクソつまらん(言い過ぎ)センスの日本語タイトルでVHSが発売されていたそうです。
2020年に「アングスト/不安」のタイトルで劇場公開されました。
テキトーだけど最後まで内容を書いてく
念押しするけど、テキトーだよ。手抜きだよ。
怖かったり胸糞悪いのを和らげたくて結構茶化して書いたりするよ!
冒頭から
閑静でオッシャーレな住宅街を、一人の男が歩いています。
痩せぎすで鼻は三角定規みたいにとんがってる。髪の毛はくせ毛で生え際.......おっとっと。
さて、男は近くの家の門を開けようと手で押してみますが、鍵がかかっていました。残念。
その手には拳銃が。
しばらく歩いて、門が開かれた大きな家を発見、玄関の前に来てノックをトントン。出てきたおばあさんに「撃ちまぁす」と宣言すると、実際に発砲。嫌な有言実行だ。
撃った後、男は足早に立ち去りました。
男はその後逮捕。後で現場に戻ってきたそうです。
ものを盗むつもりで犯した殺人ではなく、本人曰く「計画も動機もない、ただやるべきだと思ったんや」的なことを言ってたそうな。
医者は「動機のない殺人なんかあれへん。こいつには責任能力があるわ!」と断言。
ちなみに、この医者の写真めちゃくちゃヘアスタイルすごくて、笑っちゃいました。もっとマシな写真選んでやれよと。
とりあえず司法の判断としては、「強盗目的でやった殺人なのに、本人が精神障害を装って否定してるんや」という結論に至り、彼に10年の判決を下しました。
彼の生い立ち
彼は1950年に生まれました。
父の酒癖と暴力が原因で親は離婚しており、彼は祖母に育てられました。
嘘つきだったり盗みぐせがあったり、動物虐待までしていたので、いよいよ祖母もお手上げ、再婚していた母親の元に送られます。
母親の再婚相手は彼に厳しくあたり、体罰もありました。
そして彼が14の頃、45歳の恋人が出来ます。
恋人はなかなかのマゾで、自分を縛らせて鞭などで痛めつけるプレイを彼と楽しみます。
オイこれめちゃくちゃやべぇやつやん。14やぞ。
恋人とのプレイで目覚めた彼は、母を含めた女性を痛めつけたいと思うようになりますが、とりあえず手頃な動物を痛めつけることで衝動を抑えてました。
ある日母親と口論の末にナイフで刺し、「しねぇぇ!」と倒れる母に怒鳴り散らしたそうです。その後逃亡するも直ぐに捕まりました。
捕まった後に医師に己のサディスティックな癖を告白しましたが、それが彼の責任能力が無いことには結びつかないとされ、殺人未遂で4年間投獄されました。
母ちゃん死んどらんかったんやなぁ。
4年後、自由になった彼は夜中に公園の白鳥の首を切り落として、傷口から血を飲んだそうですが、これは彼の犯行だとはすぐにはわからなかったそうな。
出所
冒頭の事件から時は10年経ち、彼が出所する日になりました。
10年経っても彼の中での衝動は消えず、出所後すぐに獲物を探し始めます。刑務所から出た彼はひたすら歩き、丁度見つけたコーヒーショップに入りました。
そこで可愛くていい太ももの女性を2人見付けました。ふっといソーセージを手づかみで齧りながら彼女たちで妄想を膨らませますが、人目があることから犯行自体は諦め、店を出てタクシーに乗りました。
すると、........運転手が女!しかもかつての恋人のマゾの人に似てました。彼のやる気スイッチが入ってしまいました。
彼はタクシーを人気のない森の方に行かせて、首を絞めるために靴紐を解こうとします。
しかし解くのに手間取ってるうちに運転手が勘づいて、車を急停止させ「何する気じゃゴラァテメェ!!!」と彼に問い詰めます。
焦った彼はタクシーを飛び出して森に逃げ込みました。歩いてるうちに、彼は森の中に一件だけぽつんと建っている家を見つけました。一見して空き家のようでしたし、周囲の家から離れているその家を見て、彼は犯行にうってつけだと確信しました。
窓を割って中に入ると、外から見たら荒れた空き家って感じでしたが、内部は結構な生活感がありました。そこそこ小綺麗で、キッチンにも洗った皿や鍋なんかがあって。
キッチンから包丁を拝借し、更に家の中を見ていると、車椅子に乗った男性と鉢合わせました。やっぱ人住んどったやんけ!
どうやら男性は何かしら障害があるらしく、ヨダレを垂らしながら彼に対して「パパァ」と子供みたいに呼びかけてきました。
混乱してる彼でしたが、考える暇もなく家に他の住人が帰ってきました。派手な出で立ちのおばさんと、若い女性の2人。親子のようです。犬をつれてます。犬可愛い。
2階に隠れた彼に最初に気付いたのは犬でした。彼をじっと見つめるつぶらな瞳。可愛い。
お母さんは車椅子を押して男性を移動させます。「ママ、パパがおるよ」と男性の言葉に、もう死んだやろと返すママ。そうなのかぁ…。
お母さんが割れた窓ガラスに気付き、娘を呼びます。
母の元に歩いていく娘を、2階のから駆け下りてきた彼が突き飛ばしました。
勢いのままに男性の車椅子をひっくり返し、見つけたテープで娘を近くのドアに拘束する彼。
その後お母さんを近くのベッドに押し倒し、汗だくで首を絞め上げる。化粧が剥がれそうになりながら抵抗するお母さん。入れ歯も吹っ飛んじゃう。
1度は抜け出したお母さんでしたが、再び捕まって猿轡をされて拘束されてしまいました。
お母さんお腹丸出しなんよ。
犯行に及ぶ
さて、お母さんを拘束し終えて汗だくの彼は、壁にもたれかかって一休み。
動きを封じた家族らを眺めていると、男性がどこかへ這いずって行こうとしている事に気づきました。
やがて電話のベルがして、彼はどこから鳴っているのか分からない。男性が2階に向かって這っていることに気づくと、それを追いかけてバスルームの浴槽に沈めて溺死させました。
彼的には展開を急ぎすぎたと感じてるみたいです。
とりあえず家族全員拘束したあと、一人一人をじっくりと殺していきたかった。まずは母親の前で息子(車椅子の男性)を殺す気だったのに。
彼は息子の死に様を見せるべく、急いで母親の元に向かいました。が、母親も既に意識を失っていました。
計画通りにいかないよぉ........。
母親に息子の死に様を見せられなかった、けど娘に母親の死に様をみせることはできる!と思った彼は急いで娘の猿轡を解きました。
「母ちゃん病気やねん。台所に薬があるから飲ませんとヤバい」娘の言葉に、とりあえず母親の意識を戻させてから死に様を以下略するため、足を固定していたドアノブから外し、台所に引きずっていきます。
なんとか誘惑して彼を懐柔しようとする娘でしたが、それを無視。薬の場所を聞きだします。
おい無視すんなや!めちゃくちゃ可愛いやんけその子!
まぁでも、彼は娘のために「特別プラン」があるようです。しかしまずは、母親の死に様を見せなくては。
計画ズタズタやん
急いで母親に薬を飲ませようとしますが、どうやら母親は意識を失っているわけではなく、既に死亡していたみたいです。
んもーやりたかったことがぜんっぜん出来ない!とイラつく彼。
せめて娘を殺すのだけは、思い描いた通りにしてやろうと考えました。
しかし彼が母親に薬を飲ませようとしてる間、台所に捨て置かれていた娘は静かに家から脱出していました。
彼は娘を追いかけ、捕まえて衝動のままに包丁で滅多刺しにして殺害。そして娘の首から流れる血を飲む。なんやねんお前ほんと........。
何やっても上手くいかない!
ともあれ家族全員を殺した彼は、後始末のために車庫にあった車のトランクに家族を押し込め、血まみれの身体を清め、家の中にあった服を着ました。
その後、家族の死体を詰め込んだ車で出発するも、すぐに出くわした車と衝突。免許持ってんのかお前!!
近くに居た幼子と母親の集団にめちゃくちゃ文句言われながらも、急いで車で走り去りました。
そして映画序盤に出てきたコーヒーショップにまた立ち寄り、獲物を探します。探す前に死体どうにかしないのかよ、と思うことでしょうが、彼的には死体を別の計画に使うつもりだったみたいです。色々極まってんな。
コーヒーショップには前に見たのと同じかわい子ちゃん2人組が居り、様子のおかしい彼を見て不審がります。
犬可愛い
周囲から不審がられる彼。しかも車に勝手に乗り込んでた犬がキャンキャン吠えるから余計怪しまれる。
あ、これやべぇなと思い始めたころに、偶然パトカーがやって来ました。
先程の衝突でベッコベコの車を見て、警官は彼に身分証の提示を求めます。彼は「これは借りた車やけん、身分証とか必要なん?」ととぼけようとする。
警官は更に彼を疑いの目で見て、トランクを開けるように言いました。
彼の頭には逃げることではなく、また新たに思いついた計画が浮かんでいました。
彼は大人しく、車のトランクを開けて中の死体を見せつけます。
店から出てきてその様子を見るかわい子ちゃんたちや、ウエイトレスのおばさん。
当然ながら愕然としています。
それを見て満足気な様子で、警察に逮捕されました。
皆が自分を恐れている様子を見る、それが彼の計画でした。かわい子ちゃんたちを殺せなかったことを悔やみつつ、彼は再び投獄されるのでした。今度はしっかり終身刑。
感想
おそらく、公開当時はかなりショッキングだったんでしょうけど、ホラー映画溢れる昨今の感覚としては「そこまで怖くもないしショッキングでもない」って感じでした。
もちろん面白かった。間違いない。
とてもセンセーショナル。上映中止なんて勿体ない。
殺された一家の飼っていた犬なんですが、彼が幼少期に動物虐待をしていたこともあるので、いつか殺されてしまうのではとハラハラしていましたが、最後までご健在でした。
途中母親の口からまろび出た入れ歯で遊んだりしながらも、マイペースに彼に付きまとっていました。
また、一家を殺して街に繰り出そうとする彼が選んだ服装が少々笑えました。
なんていうの?白い正装。モーニング?
なんかあの、後ろがピョロリーンてしてるあの上着。純白の。結婚式にでも着るようなやつ。
よりによってそれかい!
思わず「だっせぇ!」とツッコミも入れてしまいました。
さて、映画の全体において主人公の彼のモノローグがほぼBGMのようにずっとたれ流されていました。
それだけ聞いてると、彼は非常に頭が良く計算高い様に感じるものでしたが、映像と合わせてみたらそうは思えませんでしたね。
行き当たりばったりで行動し、計画計画と言いつつも綿密ではなく思いつき程度のものばかり。リスクマネジメントもなってない。
個人的には、ただ被害者に自分の家族を投影して、勝手に憂さ晴らしした気になってるしょっぱい奴って印象。
本人としてはスマートにかっこよくやりたいのがモノローグに現れていますが、実際の行動は失笑ものでした。冷静さのかけらも無い。中身が中学2年生のまま大人になった感じ。生い立ちには多少同情しますけど。
主人公の顔を正面から撮り、まるで自撮りでやってるような撮影は公開当時新しかったろうな。
思いの外殺人の描写はソフトめで、画面の衝撃度よりも雰囲気作りで勝負といった感じで、非常に好感がもてました。
余計なBGMが無いことや、主人公役の演技がめちゃ異常さを引き立たせていて、それもまた魅力かと思われます。
ハラハラドキドキ、スペクタクルなものを求めている方には物足りないかもしれませんが、ストーリー重視で観たいのなら、この映画はかなりおすすめです。
犬可愛いしな。