「ムカデ人間」を観たよ
映画のレビューです。
クッッッソほど不愉快な映画を観ました。その名も「ムカデ人間」。
以前から大まかなコンセプトは聞いていました。「人間の口とお尻の穴を縫い付けて一直線にする話」。
そのまんまでした。
ひっっでえひっでえ。だいぶひでえ。シラフで辿り着く発想じゃない。天才かよ。
あらすじというかネタバレ込で最後まで書く
ニューヨークからドイツに旅行に来てたリンジーとジェニー、彼女たちは現地で出会った可愛い男の子にパーティに誘われ、おめかししてレンタカーで会場に向かっていました。
しかし道中道に迷い、しかもタイヤがパンク、通りかかった車の運転手のおっさんからはドイツ語で卑猥な言葉でからかわれ、もう散々です。
ちなみに、リンジーはポニーテールでなんだかおとなしめな雰囲気の女の子で、ジェニーはイケイケギャルって感じ。主人公感が強いのはリンジー。てか、間違いなく彼女がメイン。
もうアカン!ってなって2人は車から出て、周囲に広がる森の中を徒歩で進んでいき、やがて白い壁の御屋敷を発見。早速家主に助けを求めますが、何だかその家主が胡散臭い。
身の危険を感じた2人は逃げようとしますが、時すでに遅し。家に招き入れられてすぐに飲まされた水に、睡眠薬が仕込まれていたのです。
目が覚めた2人は屋敷の地下に居り、ベッドに寝かされて手足を拘束されておりました。で、そこからちょっと端折って日本人のヤクザがパーティメンバーに仲間入り。(急に説明面倒になるパターン)
ベッドに拘束された3人を前に、家主は自己紹介します。
私はヨーゼフ・ハイター博士。シャム双生児(あのくっついてる双子ね)分離手術の権威の、偉ぁい博士です。
彼は以前よりある野望を抱いておりました。........人間を繋げて、「ムカデ人間」を作る、という野望です。
博士は、3人を「ムカデ人間」にすると宣言し、淡々と三人に手術の工程を説明します。
その間、ヤクザの人(名前はカツローというらしいですが、劇中では一度も名前を聞きませんでした)はずっとギャーギャー叫びながら拘束を外そうともがいておりましたが、意外と説明はきちんと頭に入っていたようで、「嘘やんお前正気か」みたいなこと言ってたのが、ちょっとかわいかったです。
説明が一通り終わると、博士は早速ヤクザの人から順に麻酔を投与していきます。ヤクザさんの次はジェニー。
ジェニーに麻酔を打つ博士の死角で、リンジーは歯を使って片手の拘束を外し、そのまま他の手足の拘束も外し、ベッドから逃げ出します。
もちろん追いかける博士。リンジーも必死です。しかしまあなんやかんやあって捕まる。(急に説明以下略)
そしてまあ、次は手術シーンなのですが、思いの外グロ描写は多くありませんでした。
手術は成功します。
地上の明るい部屋で、博士は大きな鏡で三人を写し、今どんな姿をしているのかを見せていきます。先頭はカツロー、真ん中はリンジー、最後尾はジェニー。
当然ながら、三人は己の姿を見てショックで泣いちゃいます。そして博士も泣く。嬉し泣きです。ほんまもんのマッド・サイエンティストです。やべぇ。どれくらいやべぇかというと、マジやべぇ。
そうしてくっついてしまった三人は、膝の靭帯を切除されたために四つん這いにしか動けず、博士からも犬のような扱いを受けます。新聞を咥えさせて持ってこさせようとしたり、犬用のお皿に食べ物を入れて食べさせたり。
三人、特に先頭のカツローは事あるごとに博士に反抗したり、逃げ出そうとしますが、まあうまくいきません。
しかも大をもよおしてしまい、出してしまったものがそのままリンジーの口に。めちゃめちゃ気持ち悪くなりながらも、仕方なく飲み込むリンジーでした。
ある日、博士は地下室で三人の体調を診ます。そこでジェニーが病気で、このままだと死んでしまうことがわかります。感染症ですかね。リンジーの肛門に接合されたジェニーの口の縫合部から、なかなかの粘度の膿が分泌されているようだったので。
と、そこで唐突の二人の警察の訪問。最近ここらで行方不明事件が多発しており、その容疑者に博士が上がっているそうです。まあ犯人なんだけども。
警察は博士を激しく疑っており、博士と激しい言い合いにまで発展しますが、ここで一度引き返します。捜査令状を取りにね。
さて、警察が引き返した後、博士は地下室に戻りますが、愛しのムカデ人間が診察台の上から忽然と姿を消しております。
なんでじゃ!と焦りながら歩き回る博士ですが、こっそり隠れて居たカツローに、メスで膝をグッサー!刺されて倒れてしまいます。
すかさずカツローは博士に襲いかかり、犬よろしく博士の首元に噛み付いて首の肉を一部噛みちぎって博士を気絶させます。
やったぜ!と喜ぶのも束の間、彼らは必死になって地下室の螺旋階段を登り逃げ出そうとしますが、意識を取り戻した博士に追いつかれて失敗。ちゃんとトドメ刺さんからやで。しっかり死んだか確認してほしかった。
博士ももう満身創痍です。そこそこ早い匍匐前進で追いつき、ゼエゼエ言いながらメスを片手に、這いつくばって三人に向かいます。
タツローはそこで、逃げるために割ろうとしていた窓のガラスの破片を手にし、抵抗するかと思いきやなんと己の首を切って自決。
潔いけどちょっと待てや。後ろの二人どうすんのや。
と、そこで警察再登場。何度呼び鈴を鳴らしても出てこない博士にしびれを切らし、屋敷に突入します。二人は屋敷内を捜索しますが、そのうち片方に異変が。なんと彼は数分前の訪問の際、博士が渡したお薬入りのお水を飲み干しておりました。意識混濁の彼を、満身創痍の博士が銃殺。
一方、もうひとりの警察さんは地下に居りました。診察台や主人公らが最初拘束されていたベッドを見て、異様な光景に愕然としていました。そこに聞こえる銃声。
彼は急いで仲間を探しに地上に戻りますが、最初に見つけたのは仲間ではなくムカデ人間。先頭が息絶えた状態で、リンジーたちが必死に彼に助けを求めますが、スルー。
まあ、助ける前にまず博士をなんとかしないと危ない、と判断したのでしょう。「うっわキモ、スルーしとこ!」って感じではなかった。
で、まあ、彼はプールに向かいます。しかし先にプールに逃げ込んでいた博士が、入ってきた人を撃とうと銃を構えて待っていました。あっけなく撃たれる警察。
しかし彼は頑張りました。最後の力を振り絞って、博士を銃で撃ったのです。命中。
警察も死に、博士も死に、カツローも死に、残ったのはリンジーとジェニーの二人。かと思いきや、感染症で弱りきっていた最後尾のジェニーも死んでしまう。
カツローとジェニーの亡骸に挟まれ、咽び泣くリンジー。彼女の鳴き声が虚しく響く中、エンドロールが始まりました。おしまい。
感想
まともじゃねえ。
とんでもねえ。正気じゃねえ。
ひどい。オチが夢も希望もねえ。
そもそもメッセージ性も無い。
小難しい考えは捨てて、ただとにかく気持ち悪くて不快で異質なグロホラーを作っちゃいましたって感じ。
しかし驚きなのが、意外と普通に見ることができたし、面白かったこと。
私がもともと、うんこの話しながらカレーが食べられるタイプの人間だからかもしれませんが。
まあきっとね、あの後応援が来てね、リンジーだけでも助かる可能性がワンチャン残ってそうですよね。そうであってほしいので、私は勝手にそうだと思っておきます。
グロが苦手な方には、もちろんおすすめしません。
そういうのが好きという方は絶対……いや、好きになるかどうかは分かれると思う。
でも、結構ファンがいるというのも納得できる面白さだと私は思いました。
ファンにはならないけど、結構好きな映画。