三麻の各ルールの押し引き
※今回は有料部分を設定していますが、途中までは無料で読むことができます。天鳳以外の三麻ルールにも興味がある人向けの記事です。
年が明けて相変わらずコロナの影響を受ける日々が続いてますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
都市部を中心に緊急事態宣言が再発令されてしまい、タイミングとしてはちょっと悪いのですが
昨年あたりから感じている自分の麻雀観をここで一つ披露しますと…
『余暇で麻雀をするなら、三麻セットが最強では?』
と考えるようになりました(来年になったらまた変わっているかもしれませんがw)。
三麻セットの醍醐味といえば…
(1)三麻自体がゲームとして面白い
別に四麻が嫌いになったという訳ではなく、あくまで相対的な話です。
(2)ネットもいいけど、リア麻の方が楽しい
これも好き好き。リア麻は色々なルールで打てるのも長所ですね。
(3)フリーはゲーム代が高くなる
フリーも良いですが、気の合う仲間と割安で打てるのは最高です。
(4)四麻よりメンツを集めるのが簡単
これは大きな要素。自分と感覚の近い人が1人いればそれでもうリーチですから。
(5)ゲーム数を稼げるので数時間でも割と満足
土日に予定を合わせてガッツリやるのも楽しいですが、平日のアフター5に上記のすべてを満たせてしまうコスパ感といったら他にはありません。
というわけで、早くコロナが下火になることを願いつつ、世の中が落ちついたら三麻セットでも是非やりましょう♪。
さて、本題に移ります。
以前、『三麻データ本の解釈 その2』の記事で、天鳳三麻のフラットな場面における押し引きの目安(要求打点の翻数への落とし込み)について書きました。
この記事を書いた頃は自分の三麻の軸は天鳳しかなかったのですが、リアル三麻を打つ機会も徐々に増えてきましたので
どうせなら関西サンマやMJルールに近いバージョンもやってしまおう、というのが本記事の趣旨です。今回もみーにんさんの著書である、『データで勝つ三人麻雀』を参考にさせていただきます。
それではまず、今回取り扱うツモ損なしルールの2つを紹介してみたいと思います。
①MJルール
ピンズとソーズの5に赤牌が1枚ずつ入っています。ツモ損なし・抜きドラなしですから、四麻に近いルールであると言えます。抜きドラがない(=あがれなかった場合の失点が小さい)ため、他のルールよりもテンパイ時の局収支が高くなります。またツモ損がないのでリーチ効率が高くなり、先制・追っかけともリーチ優位になりやすいルールと言えるでしょう。
ちなみに、麻雀格闘倶楽部はピンズとソーズの5に赤牌が2枚ずつ入るルールです。こちらもバランスが良いルールなので、セット麻雀などで採用しているケースもあるかと思います。基本的にはMJと変わりませんが、赤が2枚多いので要求打点が少し上がります。目安としては抜きドラ+0.5枚程度と考えれば良いですが、押し引きする際の翻数が大幅に変わるほどではないため、「MJでギリギリのラインの場合ならオリる」くらいの調整で良さそうです。
②関西サンマ(全赤ルール)
ピンズとソーズの5が全て赤牌になっているルールです。関東地方で採用されている関西サンマはツモ損なし・抜きドラありですので、高打点が飛び交うスリリングなゲーム性になっていますが、相手の打点も非常に高いため放銃リスクが高いルールであるとも言えます。
『データで勝つ三人麻雀』を見る場合は、「ツモ損なし・抜きドラあり」の項目を参照しますが、このデータの赤がピンズとソーズ1枚ずつであることを考慮すると、残り6枚分の赤をどう反映させるか?がまず課題となります。
6枚の赤を3人で分けると単純計算では2枚ずつになりますが、これは王牌を含めて全てのツモ山を開けて分配した場合の話です。
配牌で各人が13枚ずつを取り、毎巡3枚ずつ配られていくことを考えると、10巡目に各人に配られる赤は約1.28枚プラス、11巡目は約1.33枚プラスとなります。
これを考慮して表を参照することになりますので、関西サンマの中盤の押し引きを考える場合は「ツモ損なし・抜きドラあり」の抜きドラ1枚と抜きドラ2枚の数値から約1.3枚の場合の要求打点を割り出すのが妥当と思われます。また実際に抜きドラがある場合は、これに1枚ずつ加算することによって要求打点を推定することができます。
注)書籍に書かれている要求打点は王牌14枚残しを前提にしていますので、関西サンマで一般的となっている根っこ(ドラ表示牌の隣)までツモるルールの場合は、これよりもう少し押し寄りになることが予想されます。ただしどの程度押し寄りになるかまでは検討していません。
◉祝儀の要素について
局収支のみを考えるのであれば上記の内容で概ね対応可能ですが、リアル麻雀の押し引きを考える場合は祝儀の要素を反映させる必要があります。
特に関西サンマのルールでプレーする場合は、ほとんどが収支戦でかつ祝儀も絡むため、天鳳などの順位戦とは大きく異なってきます。
例えば、自分の手の期待打点が要求打点に少し足らない場合だとしても、祝儀の要素を考慮すると自分がオリた時点で祝儀損失が大きくなるため、局収支上で多少不利な選択でも押し有利に傾くことが予想されます。
◉祝儀の価値は?
これ以降の話は三麻でのデータがないため、四麻にあるデータから推測するしかありません。
そのため少しアバウトになってしまう点はご容赦ください!。
まずは四麻における祝儀の価値についてですが、以下のようになります。
四麻の東南戦ルールで(25000点持ち30000点返し、ウマ10-30)、祝儀1枚が5000点相当の場合は、東1局の時点で祝儀の価値を点棒に換算すると約1600点になる。
これは書籍(令和版神速の麻雀 堀内システム55)や、その他のブログ等でもある程度周知されている話になりますので、もしご存知ない方は下記のサイトなども参考にしてみてください。
いずれも祝儀の価値が見かけより低くなっていますが、これは祝儀がオカやウマを合わせた順位点に作用しないためです。
ということはオーラスで僅差の場面なら祝儀の価値は更に低くなり、逆にダンラスの状態(特にオーラス)であれば祝儀1枚が5000点の価値に近づくということになります。
◉祝儀の取り扱い方
①順位点に関すること
・四麻でウマ10-30の場合、各順位間の傾斜は40000-20000-20000点となります。
・三麻でウマ0-20の場合は、順位間で35000-20000点となります。
上記の範囲や分布を考慮すると、三麻における祝儀の価値は四麻より少し高くなりそうです。しかしこれを定量的にどう評価するかは難しいため、ここでは点棒換算として祝儀1枚2000点として計算させていただくことにします。
②祝儀期待値に関して
これも四麻での話になりますが、自手に赤などの祝儀対象牌がない場合、中巡に危険度10%の牌を切ってリャンメンで追いかけリーチをすると、ベタオリに比べて約0.5枚祝儀期待値が上昇します(令和版 神速の麻雀 堀内システム55より)。これは自分のアガリもさることながら、相手のツモアガリによる裏ドラ祝儀を阻止する効果が大きくなるためです。
また、三麻は四麻よりも一発と裏ドラが乗りやすくなりますが、反面ツモった場合に対戦者から貰える祝儀枚数も3枚→2枚に減少するため、祝儀期待値に関しては四麻に近似できると考えて話を進めていきます。
なお、愚形の追いかけリーチについてはベタオリより約0.2枚増える計算としました。こちらは以下のnoteを参考にして、三麻のデータを外挿して結果を導かせていただきました。
③どういうモデルを想定するか
自手に祝儀対象牌が多いほど、押し有利になるのは明らかですが、その枚数ごとに押し引き表を作るのは少し煩雑過ぎます。よって今回は「自手に祝儀対象牌がない場合」を想定することにします。つまり、自分があがった場合の祝儀は一発と裏ドラが対象となります。
なお、参考にしている四麻のデータではマンピンソーに赤が各1枚ずつ計3枚入っています。一方で三麻のMJルールなら赤が2枚、関西サンマは(赤が祝儀対象にならず)華牌に祝儀対象牌が1枚入っています。
このことから対戦相手に含まれる祝儀対象牌は、平均的に見ると四麻のデータの方がやや多くなるということが言えそうです。しかし、トータルで考えるとこの影響はあまり大きくない(=押し引きが変わるほどの影響ではない)と見ています。
ということで前置きが長くなりましたが、今回は東1局で自手に祝儀対象牌がない場合のリアル三麻の押し引きの目安を作ることを目標にします。
実戦では自分と相手の祝儀対象牌の枚数を考慮に入れて、上下に調整できるようになると更に応用が利きます。これについての詳細は割愛しますが、興味のある方はTwitterのDM等に個別でご質問いただければ幸いです。
無料で読める記事はこのあたりまでとなります。
データの乏しい領域に踏みこみ、一定の指標を示せたことには価値があると思っていますが、前提条件の不確かさや自己分析だけで結論付けている点もあり、ざっくりとしているのは確かです。
また細かい部分までの信憑性は保証できませんので、私を信頼してくださる方(=あまり批評的過ぎない方)に閲覧してほしいという思いもあり、今回は有料部分を設定させていただきました。つまりカギをかける意味を含めた有料記事ということになります。
リアル三麻をやる上で、有料部分を是非読んでみたいという方、あるいは私に少しくらいお布施しても良いという方はポチっとお願いします。ちなみに次回以降はいつも通り無料に戻ります。
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