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リャンカンの渡りを残さないケース


まずは、ウォーミングアップの簡単な何切る問題から入ります。

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Q1はくっつきの1シャンテンです。6pは切らないとして打牌候補は2pか2mになりますが、4pは6pのフォローが利いている分、2mを残した方が受けが広くなります。よってこれは打2pが正解です。

Q2はターツ不足の2シャンテンです。牌の機能的にやはり2pか2m切りの2択になりますが、ここで「リャンカンの渡りを残せ」という格言に従い、2mを切ってみます。そうすると4pを引いたら246pのリャンカンが出来上がり、3sを切ることでリャンメンとリャンカンの1シャンテンになります。2pを切ってしまうと4mを引いてもリャンメンとカンチャンの1シャンテンにしかなりませんので、僅かではありますが有意差が存在します。

※ウォーミングアップのまとめ  
~リャンカンの渡り~
孤立の2は受けが被っていない分、26の2よりくっつきの受け入れが広いが、2シャンテンではリャンカンの渡りをみて孤立の2より26の2を残すようにします。15の1や37の場合も同様です。


さて、ここからが本題です。

タイトルにある通り、今回は「リャンカンの渡りを残さないケース」の考察ですが、これには大きく分けて2つのパターンがありそうです。

① パターンA(ドラが浮きそうな場合)

牌図1

牌図2

牌図1を見てピンときた人は少し鋭いです。牌図1は冒頭のQ2のドラを7sから3sに変えただけです。でもこれで切る牌が変わってきます。

リャンカンの渡りを残して2mを切り、首尾良く4pを引いた場合を想定します。そうすると246pのリャンカンが出来るのはいいものの、ドラの3sが押し出されてしまいます。それならば同じ4の牌を引いた場合に24m+強浮き牌の3sを残せる方が価値のある手牌になりますし、リャンカンができなくても4pを引けば46p+3sという形をキープできます。よって牌図1は打2pとなります。

牌図2もほぼ同様です。牌図1とは違って単独雀頭がなく、ドラが複合ターツを形成していますが、当然こちらもドラを簡単にはリリースしたくありません。よって2pを切ってリャンカンの渡りを見切り、3sが使える可能性を最大限追求します。

また下記の参考牌姿のように、浮き牌がドラでなくても良形変化+打点を上げる強浮き牌(マンズの7連形)があれば、リャンカンを作るメリットが薄くなりますので、こちらもやはり2pを先に切ります。

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② パターンB(鳴ける手でトイツ+複合ターツがある場合)

牌図3

牌図4

牌図5

牌図3は、中アンコがあってドラの北がトイツとなかなか楽しみな手です。打牌候補は例によって2pか2mになります。しかしここで「リャンカンの渡りを残す!」とばかりに2mを切ると、落とし穴が待っています。

2mを切って246pのリャンカンができた場合、4sを切るとドラの北のポンテンが取れなくなります。かといって3sを切って受けを狭くしたくもありません。せっかくリャンカンができたのに手牌進行に制限がかかるというなんとも皮肉な結果になってしまいます。よって牌図3も2pを切り、6pか2mにくっつけてターツを作った方が柔軟で価値の高い手牌となります。

牌図4はマンズの2789が2567になっただけです。こうなると4mを引いた場合に24567mの連続形となり、良形変化の確率がアップして更に魅力的な手になりますという話です。牌図5は牌図4のドラが7mに変わっていますがやはりだ打2pです。単独トイツの北がドラでなくても切る牌は変わらないということになります。

※リャンカンに渡らない場合のまとめ
リャンカンを形成する牌を引いたときに切られる牌が必要牌であれば、リャンカンの渡りを見る意味はなく、リャンカンを作ろうとするとむしろ価値の低い手牌となってしまいます。具体的には他のブロックのドラが浮きそうな場合や、鳴ける手で「トイツ+複合ターツ」が絡む場合です。


最後にリャンカンの渡りではありませんが、今回の内容と少し関連するトピックをご紹介します。

牌図6

牌図7

牌図6も牌図7もターツオーバーの2シャンテンです。

牌図6はドラが7pでなければ素直に打7pで問題ありませんが、ドラが7pならどこのブロックを落とすか?を考えると思います。この際に4枚ターツのマンズを3枚に揃えるという意味で9mに手がかかりやすいかもしれません。しかしドラの7pを極力使おうとして、首尾よく7p周りの牌を引いた場合、予め35sを払ってマンズを5579の形で残しておいた方が遊び牌がなく有利な形になります(14pを先に引いた場合も価値の高い1シャンテンになるので同様です)。

牌図7は、中ブクレを形成している7sを強浮き牌とみなすことができますので、同様に単独ターツである13mを落とします。69m引きやソーズの上が伸びた場合に、ピンズを1357で持っていた方がやはり有利となります。

4枚以上からなるターツは3枚や5枚などの奇数に揃えた方が良いと言われます。確かに多くのケースでそれが当てはまりますが、愚形ターツより残すべき浮き牌がある場合はその限りではありません。

ドラが浮いているときにリャンカンの渡りを残さなかったパターンAと同様、強い浮き牌がある場合は既存のセオリーにとらわれずに、1手先の構成を考えることでより良い手を目指すことができるようになります。


参考図書)
ウザク式麻雀学習 牌効率 Gウザク著 
勝つための現代麻雀技術論 ネマタ著 福地誠編


今回の記事は特に参考にさせていただきました。有難うございます!



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