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まるでスッポン!食いついたら離れない

嘘のようなほんとの話

初代の元二さんと2代目の恒美さんが残されていた資料の中にあった話
時代の感じからするとおそらく元二さんが記されたものではないかと思います


ギムネを作り始めてから間もない頃のこと
当工場製のリングオーガーを使っていた大工さんが、桁に穴を開けようとしていて仰向けの不安定な姿勢でリングオーガーを回し始め先端の誘導ネジがやっと食い込むや否や足場が崩れてリングオーガーの柄を掴んだまま宙ぶらりんとなってしまった
この時命綱となったのが他でもないこの「誘導ネジ」
しっかりと木材に食い込んで折れもせず外れもせず、人間一人を吊り下げ通してくれたので危うく難を免れたのであった
後日、その大工さんの事業主に出会った時にその模様を嬉しそうに話してくれた
仕事がきちんと出来ていたからこそのことで、やはり仕事は端々にまで魂を込めて当たることが責務であり誇りでもある


この先ネジは食い込んだら簡単には抜けません

まるでスッポンのよう

しっかりとした先ネジがあったことがひとりの大工さんの命をも救ったのです

この「先ネジ」というのは木工ドリルの一番の特徴でもあります
木工ドリル全体の大きさからすれば、先端にちょこんとついているだけなのになかなかの存在感です
たかがネジ されどネジ
実はとても重要な働きをしているのです
 電動工具で使うとき
 手廻しで使うとき
 ドリルドライバや電気ドリルで使うとき
 インパクトドライバで使うとき
一見同じように見えるネジにもこだわりがあります
もしかすると木工ドリルはこだわりのかたまりかもしれません

現在は廃番となってしまったリングオーガーですが
勉強会にお越しいただいたみなさんには、必ず体験していただきます
これは絶対外せませんっ!!というくらい木工ドリルのことを知っていただくうえで大切なこととなります
これから勉強会に来てくださった方が
「あれ?リングオーガーの体験はないんですか?」
「まずはリングオーガーの体験ですよね」と言ってくださったらこれを読んでいただいているということですね
果たしてそんな日が来るのか???(笑)