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コツさえつかめれば

埋木錐

「うめききり/うめきぎり」と読みます
「木栓」「木ダボ」をつくることができる錐です
つくった木栓はビス締めをおこなった際に、ビス頭を隠す為に使います

昔むかしのDIYショー

現在は、JAPAN DIY HOMECENTER SHOW となっていますが
以前はDIYショーという名前でした
これはホームセンター業界最大のイベントで
年に一度幕張メッセで開催されます
私が入社した頃は大阪で開催されていたこともありました
そんなDIYショーと呼ばれていた頃に参加したときは
ちょうど「皿取錐&埋木錐」が新製品として発売されており
私自身も皿取錐と埋木錐の実演を少しだけですがブースで行っていたこともありました
不器用な私でも実演ができるくらいですからどなたでもできるんです
ただちょっとコツはいるかもしれません
今日はそのちょっとしたコツをお伝えしたいと思います

しっかりと押し当てる

この埋木錐は皮に穴をあけたりする「ポンチ」に近い形状だと思っていただきたい
普通の木工ドリルのように先端が材に食い込んでいくものではありません
材のうえに置いただけで回転させると錐が横滑りします
なので材にしっかりと押し当ててから回転させてください
どの木工ドリルにもいえることですが、回転させながら材に押し当てるのはNGです
しっかり押し当てて回転させはじめたら少し力を加えながら押していきます

打撃には弱い

軸が6.35mm六角軸になっているのでインパクトドライバでも使用できます
インパクトドライバは着脱も簡単なので手軽で便利です
しかいこの埋木錐で作ることが出来る木栓はちょっとデリケートで打撃が加わるとボロボロになってしまいます
インパクトドライバは打撃+回転
インパクトがかかりすぎると木栓がボロボロになってしまいうまくとれないのです
じゃあどうすればいいんだ?
インパクトがかかりはじめたら、錐を抜き差しするような感じで少し上下させます
そうするとインパクトがかからなくなりうまくとれます
トリガーは目一杯ひいてください

おすすめ電動工具
インパクトドライバでも使える埋木錐ですが
おすすめ電動工具はドリルドライバです
ドリルドライバは回転
これならインパクトがかかる心配がないので
きれいに木栓をとることができます
それなら、6.35mm六角軸にしなければいいじゃないかというお声があるかもしれませんが、そこはインパクトドライバが普及しているという事情もございますのでご了承いただきたく思います
そして忘れてはいけないのが電動工具にもパワーが必要だということです
メーカーとしましては14.4V以上のものを推奨しています
パワー不足だとうぃーんうぃーんと音はするものの回転が止まってしまったりして本来の埋木錐の性能を発揮できなくなってしまいます
ただ、ドリルドライバを使ったとしても杉のようなやわらかい木材の場合は木栓がうまくとれない場合がございます

丸棒とどう違う?

この埋木錐の最大の特長は板目で木栓が作れるというところです
これは何がいいのかというと、埋めたあとが目立ちにくいのです
木目も合わせながらつくると「あら、ビスはどこにあるのかしら?」というくらい、しっくりひっそり周囲となじんでしまうのです

埋めたあとが目立ちにくい

手軽で便利な丸棒で埋めるという方法もあります
でも丸棒で埋めた場合は「私はここよ、この下にビスが隠れているのよ」と存在を主張します
そして色を塗った時も埋木錐でつくった木栓で埋めた場合は周囲となじみますが、丸棒の場合はそこだけ色が浮いた感じになります

端材が利用できる

埋木錐を使えば端材で木栓を作ることができます
材を無駄なく使うことができるというのもおすすめポイントです
同じ材でつくれば埋めたあとが目立ちにくくなりますが
違う材でつくるのも面白いと思います
あえて違う材でつくって埋めることでアクセントになったりもします
例えば時計をつくったりする場合などいいかもしれません
埋木錐のコツがつかめると、木栓がどんどんつくれるようになります
ワンランク上の仕上がりになると創作意欲もかき立てられます

相性ぴったり

人間に相性があるように道具にも相性があります
埋木錐でつくった木栓は皿取錐であけた埋め込み穴とぴったり合うようになっています
例えば埋木錐9mmでつくった木栓を、先三角ショートビット9mmであけた穴に埋めようとしても合いません
相性ぴったりなのは皿取錐3×9であけた埋め込み穴なのです
埋木錐でつくった木栓で埋め木をお考えの場合はぜひ皿取錐と埋木錐はセットでお求めいただきたく思います

ビス頭を埋木錐でつくった木栓で隠してしまうという技を覚えてしまうと、他の方がつくられた木工作品を見たときにも、丸棒で埋めてあるか埋木錐でつくった木栓で埋めてあるかというところもついつい気になってしまう・・・