さまざまな組織構造について!
はじめに
こんにちは!今回は、組織構造の4つの主要なタイプについて詳しく説明します。さらに、具体例や印象深いエピソードも紹介します。
1. 機能(職能)別組織
機能(職能)別組織とは、会社の部門がそれぞれの機能によって分けられた組織です。例えば、営業部、人事部、経理部、開発部などです。
具体例:
トヨタ自動車:営業部、人事部、経理部、開発部、製造部
ソニー:マーケティング部、技術部、研究開発部、企画部
機能別組織のメリットは、各部門が専門性を持っているため、効率的に業務を行えることです。しかし、部門間のコミュニケーションが難しくなることがデメリットです。
2. 事業部制組織
事業部制組織とは、会社が複数の事業を展開している場合、それぞれの事業に対応した部門が設けられる組織です。各事業部は、自分たちの事業に関する業務を独立して行います。
具体例:
三菱重工業:航空機事業部、宇宙システム事業部、エネルギー事業部
パナソニック:家電事業部、ビル・エネルギー事業部、車載インフォテインメント事業部
事業部制組織のメリットは、各事業部が独立しているため、柔軟で迅速な経営ができることです。ただし、リソースの共有が難しくなることがデメリットです。
3. カンパニー制
カンパニー制とは、事業部制組織のさらに進化した形で、各事業部が独立した会社として運営される組織です。これにより、各カンパニーが自己責任で経営判断を行い、効率的な経営が期待されます。
具体例:
日立製作所:情報・通信システムカンパニー、電力システムカンパニー、建設機械カンパニー
東芝:エネルギーシステムカンパニー、インフラシステムカンパニー、電子デバイスカンパニー
カンパニー制のメリットは、各カンパニーが独立して経営判断を行うことで、迅速な意思決定と柔軟性が得られることです。しかし、各カンパニー間での情報共有やリソースの調整が難しくなることがデメリットです。
4. マトリックス組織
マトリックス組織とは、機能別組織と事業部制組織を組み合わせた複合的な組織構造です。社員は、機能別の部門と事業部の2つの所属を持ち、両方の上司から指示を受けることになります。
具体例:
IBM:ソフトウェア部門(機能別)と地域別事業部(アメリカ・ヨーロッパ・アジア)のマトリックス組織
P&G(プロクター・アンド・ギャンブル):製品カテゴリー部門(機能別)と地域別事業部のマトリックス組織
マトリックス組織のメリットは、機能別の専門性と事業部の柔軟性を兼ね備えていることです。また、部門間の情報共有が容易になります。デメリットは、2つの上司から指示を受けるため、役割が曖昧になりやすいことです。
IBMのマトリックス組織は、1990年代に導入され、多様なビジネスを展開する同社にとって効果的な組織構造として機能しています。IBMでは、各地域の事業部と機能別部門が連携し、新たな技術開発やビジネスチャンスの追求が可能になりました。このマトリックス組織のおかげで、IBMは、業界の競争に勝ち抜くだけでなく、さまざまな技術革新を生み出すことができています。
しかし、マトリックス組織は、適切なコミュニケーションが行われないと、意思決定が遅れたり、社員の負担が増したりすることがあります。IBMでは、定期的なミーティングや役割分担の明確化によって、これらの問題に対処しています。
まとめ
組織構造は、会社の成功に大きく関わっています。機能(職能)別組織、事業部制組織、カンパニー制、マトリックス組織の4つの主要なタイプには、それぞれ特徴やメリット、デメリットがあります。組織構造を選ぶ際には、会社の規模や事業内容、経営戦略などを考慮して、最適なものを選ぶことが重要です。