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うどんは大好き…だけど
とあるうどん店「●亀○麺」でのお話し…。
もうだいぶ前だけど。
入り口に期間限定商品の垂れ幕が掲げられていた。
もう商品名は覚えていないのだが、商品はこんな感じ
汁のないぶっかけ系のうどんの上に、甘辛く煮た牛肉と真っ赤な黄身が印象的なそれと、
同じく汁のないぶっかけ系のうどんの上にたっぷりの明太子と、やはり真っ赤な黄身が乗ったうどん。バターとかも乗っていたかもなぁ…
私は基本、汁のあるうどんが好きであって、普段は「釜揚げ」とか「ぶっかけ」とか食わないのである。「ざる」とかはもってのほか。
要するに出汁も大好きで、うどんはそうでなくっちゃ!と思っているのだ。
ところが珍しく、その期間限定品の垂れ幕に目がいった。
「…甘辛く煮た牛肉。その煮汁が染みたぶっかけうどんを、深紅の黄身を崩しつつ食する…で、大好きな具が入ったおにぎりと、てんぷら1品付きのセットもある。こんなん美味いに決まってるやんか!…よし、コイツのセットで決まりやな!」栄養価高そう、かつ高級そうな深紅の黄身を持つ卵の魅力に魅せられて、私がそう決断するになんの迷いがあろうか。
記憶があいまいだが、セットは梅おにぎりとイカ天のセットだったと思う。
いずれも私の好物であり、まるで私のためにチョイスされたそれだったのだ。
注文の順番が自分に回ってきて、うどんを茹でている気怠そうな…ホントに気怠そうなオバちゃんに「何にします?」と言われ【牛肉+赤卵】のぶっかけセットを頼んだのだった。
オバちゃんは早速うどんをドボンとお湯に投入し、攪拌しつつ…突如意外な言葉を口にした
「牛肉のやつ、売り切れです~」
………
……
…
…は?
ちょっと思考が止まる。
え?売り切れなの??
じゃ、何で茹で始めたの?
そんなこちらの動揺を気にかけることなく、気怠そうなオバちゃん(以降はオバハンと表記します)は一気に客であるところの私をたたみかけてきた。
「どうしますか~」
オバハンを見ると、うどんを攪拌する手は止まるどころか、もうすぐ湯切りするよ…みたいな体制に入っている。
焦る私。
えーと、えーと、わからん…1回外すか…いや、オバハンもう湯切り終わりそうやんか…ここで外したら茹でてるうどんはどうなるねん…ここで外すのは大人のマナーとしては失格や。
…じゃ、何する?何するねん…?オバハン…ガン見してくるやん…
軽くパニックに陥った私は、思わずもう一つの期間限定品【明太釜玉+赤卵】のセットに変更した。
それを聞いて、オバハンは湯切りをはじめた。
私は少し安堵…茹ですぎてどうにもならんうどんが生まれてしまうことは回避できたようだ…。
甘辛い牛肉と濃厚な味の赤卵に絡むうどん…あああ惜しい。惜しすぎる。
だが、明太釜玉だって捨てたもんじゃない。同様に濃厚な赤卵が乗っているのだから…、ここは明太と卵のハーモニーを存分に味わうことで良しとしようじゃないか…。
そう思った瞬間。
気怠そうなオバハンから、さらに驚愕のセリフが…
「赤卵品切れなんで、温泉卵がはいりまーす」
………
……
…
…はぁ!?
さすがにキレる。頭の血管キレたんちゃうかってくらい。
おい、待てこのBBA!!つい口に出そうになって…
オバハンを睨みつけると、オバハンの手前には完成した「うどん+明太+温玉」が湯気を立てて鎮座しているではありませんか。
今まさに炎を吐かんとする私の口…
だが、全くもって望まれなかったにしても完成してしまったそのうどんを前にして
「思てるのと全く違うやんけ!そんなもんいるかこの糞BBA!」
とは言えず…。
私がもしキレて「こんなもんいるかぁ!」などと言ってしまったら、このうどんはどうなるのか…
私の後ろに並んでいた客も、オバハンの暴挙を見ていて「牛肉の…ないんやて」とか「赤卵ないんやて…ヤバない?」とか言いつつ、一歩引いたのだ。すなわち、代わりに食べてくれそうな客も皆無。
ってことは捨てられる一択やん…
突出して好きな食べ物も、絶対に食わないぞ!ってな嫌いな食べ物も特にない私。(厳密には嫌いなものはあるが、出てきてしまったら食べる)
最も嫌いなことは「食べずに捨てる」こと。
食べ残してしまうなら、無理してでも食べる!基本そういう感じの私が、
捨てられてしまうか否かの一歩前の食品を前に「いらんわ!」とは言えず…
この後も、店の暴挙は止まらず
おにぎりも「梅のがなくなった」との理由で「おかか」に
「イカ天なくなった」との理由でちくわ天に(だったかな?もうショックで忘れたよ…)
整理しようか
牛肉(大好き) → 明太(好き)
赤卵(大好き) → 温泉卵(半熟状態は嫌い)
梅おにぎり(大好き) → おかかおにぎり(歯に挟まるから嫌い)
イカ天(大好き) → ちくわ天(表面焼いてる練り物は嫌い)
結論はこうだ。
期間限定の旨そうな商品の写真見せられて、
期待してお金払ったけど、
大して食べたくもないものばかり食わされた…。
前述したように、特段好き嫌いがあるわけじゃないんだよ。
(嫌い)って書いたけど、あくまで自分で選べるなら選ばないって食材なだけ。
だけどさ…こんな配膳のされ方ってある???
食事はバランスが大事っていうけどさ
嬉しく、愉しく食べる…って、気持ちの問題も重要なんじゃない?
あまりのショックで頭に血も昇ってるし、味なんかしなかったよ…。
売り切れた時点で、玄関の垂れ幕を外しといて欲しかった。
あるいは売り切れの旨の紙とかを貼るとか…
そしたら私はいつも通り、大好きな出汁が入った、オーソドックスなうどんを頼んだのだ。別段腹立つこともなく…。
麵茹ではじめて「もうない」は…それこそ「ない」よ…
ってことで…
あれ以降、◎亀〇麺はちょっと苦手です。
…いやぁ、今となっては懐かしく微笑ましい出来事でした…。
(微笑ま…??嘘!!忘れへんぞ!)