西洋占星術講座~ソーラーリターンを活用して、一年間の流れを読む~
始めに
皆様、こんにちは
ご覧頂きまして、ありがとうございます
占星術師、兼、古民家ビーガンカフェ店主のYamaです
今回は「ソーラーリターン(太陽回帰図)」の活用法になります
1年で地球の周囲を一周する天体「太陽」を利用して、1年の流れを読んで行こう、という手法になります
一般的には「年運」と呼ばれているものだと考えて頂いても構いません
しかし、占星術における個人ごとの1年の始まりは「その人の誕生日」であり、グレゴリオ暦の1月1日ではありません
こういった違いなども知って頂きつつ、今回の説明を進めていければと考えております
初学の方や西洋占星術に触れて日の浅い方にも理解して頂けるように、なるべく一つずつ説明していこうと思います
ぜひ多くの方に読んで頂ければ幸いです
また、ソーラーリターン以外でも、1年という期間を読むために役立ちそうな配置図もいくつか紹介してまいります
読み解きの現場で年間の流れをお話する際には、ソーラーリターン含め時間経過による変化を読むためのいくつかの手法を併用していきます
ソーラーリターンをメインとしつつ、その周囲の配置図も加えて、年間の流れを読み解くお手伝いになれば嬉しく思います
ぜひ最後までお付き合いください
それでは、まりましょう
リターン図とはなにか
本題に入る前に、そもそもリターンとは何か、ということについて確認をしてみましょう
太陽を例にすると、地球から見て、太陽という天体は、黄道(太陽の通り道)を365日かけて、黄道上の12サイン、360度を一周しています
そして、当然のこととして、自分が生まれた日も黄道上の12サイン、360度のどこかのサインに太陽は位置しています
ということは、自分が生まれた日から約365日経つと、黄道上をぐるっと一周して、太陽が自分の生まれた日に位置していたサインに戻ってくることになります
これが太陽が帰ってくる、つまりソーラーリターンということになります
それはつまり、グレゴリオ暦のお誕生日が来た、一つ年齢を重ねた、ということとほとんど同じです(厳密にはややズレがありますが、後程解説します)
年を一つ取る、というのは、太陽が一周した、ということでもあるのです
そして、ここでポイントになるのが、太陽は一年で地球を一周するが、それ以外の天体は地球を巡る周期が異なる、ということです
例えば、月は約28日で地球の周囲を一周します
占星術に登場する主要な天体の中では最速です
逆に、冥王星は地球の周囲を約240年かけて一周します
江戸時代の長さがほぼこれと同じなので、時代を象徴する天体とも言われます
また、水星や金星、他のすべての天体も地球の周囲をそれぞれの周期で巡っています
なので、太陽が生まれたときと同じ12サインの位置に一周して戻ってくるとき、他の天体は生まれたときとは全く異なる場所に位置していることになります
一年ごとに太陽以外の天体の場所は全然違う配置図が出来上がる、ということですね
この一年ごとに異なる配置図を、一年限定の出生図として、お誕生日からお誕生日の期間という1年間の流れや特徴を読み取ることに活用しよう、という考えが、ソーラーリターンの活用ということになります
出生図は個人が生きている期間は影響を受け続ける図と考えますが、ソーラーリターンはそれよりもサイズが小ぶりな、言い方を変えれば扱いやすいサイズの配置図です
一年間の自分の方向性であり、動きやすい、充実感を得やすい内容を示しています
一生をかけて得る成果は、なかなか実感が湧きにくいかもしれませんが
1年で得られる成果は振り返りがしやすいと思います
また、1年であれば目標や活動内容を計画しやすいというのも利点です
ぜひ、この太陽回帰図を知り、その内容から一年間の計画を立ててみましょう
補足として、同じ要領で全ての天体ごとにリターン図というものがあることになります
ルナリターンなら28日周期、サターンリターンなら29年、プルートリターンなら240年、という具合です
そして、それらのリターン図は、軸とした天体が象徴する事柄においての、その周期の期間内の様子、と考えて読み取っていきます
月であれば一か月の気分の様子
土星であれば、29年間の仕事の様子や、着地点を求めて向かう先の様子
他の天体でもリターン図は作れるため、非常に応用の効く手法となります
様々なリターン図が存在する、ということを、ぜひ覚えておいてください
注意点としては、ソーラーリターン以外のリターンズは、グレゴリオ暦での誕生日とは関係ない周期、ということです
当然と言えば当然ですが、例えばルナリターンは自分の出生図の月の位置に、現在運行中の月(トランジット図の月と言います)が、一周して戻ってくるタイミングの配置図です
周期は28日なので、当然まだ一年経っておらず、グレゴリオ暦のお誕生日とは関係ない日付けでの配置図となります
同じサインの位置に戻ってきているのは、軸に選んだ一つの天体だけ、ということです
慣れてくれば混同したり混乱することはありませんが、ソーラーリターンとの区別をつけるようにしてください
事前準備:ソーラーリターンを表示する
詳しい解釈に入る前に、まずはソーラーリターンを作成する手順を紹介しておきます
下記の図と説明を参考にしてみてください
ここではアストロディーンストというサイトを使用していますが、他のサイトでも構いません
扱いが難しい、慣れない、ということであれば、他のサイトを使用してください
「ソーラーリターン 無料」などで検索して頂ければ、いくつかのサイトが出てくるかと思います
1、まずは自身の出生データを入力
2、次にそのデータをもとにソーラーリターンを表示
いかがでしょうか
うまく作成できたでしょうか
この「ソーラーリターン図」の解釈を、ここからお話していきます
ここでは参考例として、松井秀喜さんの出生図とソーラーリターンを作成してみました
画像上が出生図、下がソーラーリターンになります
太陽(☉のマーク、丸の中に点があるマーク)が位置するサインと度数は上下の配置図で同じですが、それ以外は全く異なることがお分かりいただけるかと思います
これが、一年間限定の様子、ということになるわけですね
また、この段階で特に注意してほしいのが、画像の赤丸の箇所です
ここをチェックし忘れると、一年ズレたソーラーリターン図を作成してしまうことがあります
どういうことかというと、まず「太陽回帰2023/2024」とあり、これは「2023年のお誕生日から2024年のお誕生日の期間の配置図」となります
松井さんの場合は6/12生まれですので、おおよそ2023/6/12~2024/6/11の期間となります
そして、この期間というものは、ソーラーリターンの表示の画像最後で紹介している、「開始日」という項目を変更することで変えることができます
例えば、開始日を2024/6/12とすれば、2024~2025の期間のソーラーリターンを作成できます
この開始日の項目には基本的に今現在の年月日が入るのですが、ここに注意が必要で、この開始日から数えて、近い日数のソーラーリターンが作成されることに気をつけて下さい
どういうことかというと、開始日(=今現在の日付け)が2024/1/1である場合、松井さんならば2023/6/12と2024/6/12では日数が近い方が自動的に選択されて、2024/6/12のソーラーリターンが作成されます
すると、もし今現在の日付けが2024/1/1であるとすると、2024/1/1~6/11の期間を飛ばして、次の一年を見ることになってしまいます
様子を知りたい期間をすっとばしてしまう、という感じですね
なので、うっかりして赤丸の箇所をチェックしないでいると、一年ズレたソーラーリターンを作成してしまうことがある、ということです
現在進行中の一年のソーラーリターンを作成したい場合には、開始日を2023/8/12などの、少し前の日付けにすることで、つまり数える日数を少なくすることで、前年のソーラーリターンを表示させることができます
覚えておいてください
ソーラーリターンで重視する天体
占星術において活用する惑星は全部で10個あります
その中でも、太陽回帰図において注目すべき天体は下記の3つが挙げられます
①太陽 / ホロスコープ上でのマーク⇒☉
図の名前として入っているほどですので、この天体は重視しましょう
意味としては、一年間の目標や方向性、充実感、頑張ると発展する内容として解釈します
この太陽が、どんな具体的場所や環境において日常で表れやすいのか
それを知るためには、扇状に12分割されて、それぞれに意味合いを与えられた「ハウス」と呼ばれるものを参考にします
この太陽が、どの「ハウス」に入っているのかを参照することで、1年の頑張りをどこで発揮しやすいか、というのがわかるということになります
②月 / ホロスコープ上でのマーク⇒☽
これは太陽と反対の方向と考えるとよいでしょう
つまり、一年間のリラックスや緩む場所、あどけない様子を示します
月がどの「ハウス」にあるかを参照することで、1年のリラックス法が分かるとなります
緊張が続いたあとや、素の自分でいたいとき、月の位置を確かめると効果を感じられるでしょう
③土星 ホロスコープ上でのマーク⇒♄
土星はまとめ役や着地点、箱を示します
一年間の発展方向は太陽で、それが結実する場所は土星が示します
また、箱ですので土星を超えるような発展はしないということにもなります
どのハウスに土星がいるかを参照することで、一年間のまとめが見えてきます
そういった意味では、1年の終わり頃の様子を示すとも言えるでしょう
月は一年間のリラックスポイントや寝床
太陽は一年間の頑張る様子や発展方向
土星は一年間の成果や着地点、まとめ
このようなイメージとなる三つの天体を軸に、それ以外の天体は補佐的に見ていくことになります
水星ならば興味や話し方、金星ならば楽しみや感性、というように、各天体ごとの解釈を「一年」というサイズに合わせて言語化していけば問題ありません
トランスサタニアンに関しては、読まなくても良いという占星術師さんもいれば、一年の参考に入れている占星術師さんもいます
確かに冥王星などは何年も同じサインに滞在するので、一年ごと、という意味では参考にしにくい面もあります
単体で読み解きに入れるよりは、ソーラーリターン内で個人天体とアスペクトが発生したときに、一年間の強烈な行動や作用になりやすい、と考えて読み解きに取り入れていくというスタイルがいいのではないでしょうか
特に「オーブの狭いメジャーアスペクト」がトランスサタニアンと個人天体の間で組まれる場合には見逃さないようにしましょう
もしくは、一年という期間においての、常識外れになる三つの方向を示す、ということも言えるでしょう
殻を破りたい、枠を超えたい、そんな場合にはトランスサタニアンを意識する
安定させたい、維持したい、という場合には、むしろ土星内の天体を意識して、トランスサタニアンは脇に置いておく
ケースバイケースで、トランスサタニアンを読み解きに活用するかどうか選択する必要がある、ということを憶えておくと良いでしょう
読み解きステップ①:ソーラーリターンの太陽のハウスをチェックして、一年間の活動方針を決めていく
1年間の方向性を示す図=太陽回帰図の中で、一番メインとなる天体「太陽☉」
この天体がどのハウスに位置しているかをチェックすることが、1年間の方向性を知るための大きな手掛かりになります
各ハウスの象徴と、太陽が各ハウスに位置する際の解釈を挙げてみますので
これを参考に自分の一年間の計画を立ててみましょう
1ハウスとは
左端(=アセンダントと呼びます)から始まる1ハウスは個人のスタート、自我を表します
その人の『人となり』に出やすい部分、雰囲気を作ると考えてもよいでしょう
また、その人にとっての初めてなので、その人が何か初めてのことに取り掛かるときの姿勢などを表すことになります
一年間においての始め方、とっかかり、自分を押し出す方向、その年のキャラクター
また、この1ハウスを誕生日からの一か月の様子、と見ることもできます
1ハウスに太陽回帰図の太陽がある場合
体力の強化・1年の目的を最初から意識・自己依存・自信過剰
そのために失敗をして自分を知る・立て直しが早い
2ハウスとは
精神の始まりに続く物質性のハウスです
肉体や資産、持ち物の活用の仕方が、このハウスに位置する天体の性質に表れます
一年間においてのお金や持ち物の様子、五感の活かし方、肉体の扱い方が表れます
ここに天体がない場合は平均、人並みで変動は少ないでしょう
集まっている場合は、増える可能性もあれば減る可能性もあり、変動が起きやすくなります
2ハウスに太陽回帰図の太陽がある場合
五感を生かす1年、芸術やモノづくりなど・自給自足できる=自営業の可能性・才能の開拓
マイペースが大事・努力が物質的に結びつきやすい・自分の資質を生かして社会貢献
3ハウスとは
3は1と2の調整の意味があり、自我と肉体を組み合わせて何ができるかを探ります
知性の使い方や身近なお出かけ、言葉の雰囲気などを示します
三角形というものは軽快な動きも示します
一年間の興味や話題、情報やコミュニケーションに関することが表れます
天体が位置することによって、そのハウスが持つ意味合いが、様々に浮かび上がってきます
3ハウスに太陽回帰図の太陽がある場合
知的な自分を目指す1年・冷静に判断できる・初歩的なことから学び直す
刺激を求め移動、もしくは移動すると本質部分で刺激を受ける・コミュニケーションを磨く
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