20210530 ーーMaison book girl活動終了によせて
20210530
2021/05/30、Maison book girlがワンマンライブ「Solitude HOTEL」を行い、そのまま活動終了した。
今現在(2021/06/05)では、オフィシャルサイトも形も無くなり、公式Twitterもあるタイミング以降のツイートが全て消え、色々なアーカイブもインターネット上から消えていっている。
2021/04/02に行われたワンマンライブ、「Solitude HOTEL 9F」のラストにスクリーンに映し出された「Solitude HOTEL 404」の文字、色が反転して点滅するオフィシャルサイト、原型を留めない程に加工されたメンバーの写真、プロフィールに書かれた「2021/05/30†」の文字、2021/05/30が近づくごとに崩壊していくオフィシャルサイト。(ご丁寧にクロールを拒否していたためにアーカイブは残っていないのだが)
そして迎えた2021/05/30。
曲の途中で突如終了したライブ。
会場を出る時に配られたオフィシャルサイトのみが書かれた青い紙。
オフィシャルサイトには、「Maison book girlは削除されました。」の一文。
ーー正直なところ、「消えるのだろうな」という予感はしていた。
だけれども。実際に「消えた」ことによる、色々な思いと色々な感情。
これは、Maison book girlを「見ていた」ある1人の人間の話だ。
20150905
2015/09/05、僕はZeep Divercityに居た。
当時の僕は、地底アイドルのマネージャー兼コンカフェのマネージャー兼併設ライブハウスの運営をやっていて、そのアイドルのプロデューサーの関係者がイベンターをやっていたアイドルフェスにゲストで見に行っていた。
(その後プロデューサーは起訴されて実刑判決を食らったのだが、当時の話は気が向いたら書こうかとは思う。面白い話かは分からないが)
誰に招待されたかは覚えていないし、どんなイベントかは既に覚えていない。
そのイベントにオープニングアクトに出てきた、その時は名前も何も知らないグループ。ただそれだけを覚えている。
SEが流れた後の1曲目のbath room。
大ステージの音響によるクラップ音。複雑なリズム。後ろ向きな歌詞。
全てが衝撃的で、強烈だった。
ーーそれがMaison book girlとの出会いだった。
ひと目見た時からの衝撃が忘れられず、ZeppDivercityからの帰り道で、スマートフォンでどんなグループかを調べていたのだが、YouTubeにはメンバーが逆上がりに挑戦する動画ぐらいしか無かったのを覚えている。
それ以降、ずっと虜だった。
2015/09/23の『bath room』発売以降はずっとBGMにしていた。(小さいスペースとはいえ、ライブハウスの音響でノイズ音を鳴らしてたのは流石に悪かったとは今思う。入ってたお客さんや特典会をやってた出演者の人たちには驚かせてしまっていたか)
彼女たちの方向性を強烈に見せつけた、『bath room』。
「ending」から始まり、「opening」で終わる、彼女たちらしい『image』。
コーネリアスの『FANTASMA』を彷彿とさせるような、最初から最後までの徹底したコンセプトが最高に良かった『yume』。
彼女たちを俯瞰視点で見たような、そして彼女たちらしい曲たちの『海と宇宙の子供たち』。
「ベストアルバム」と銘打ちながらも、「何かが違う」『Fiction』。
4人のメンバーの歌唱力・ダンススキルetc.が上がっていく姿。
新宿motionの主催ツーマンライブ→青山月見ル君想フの主催スリーマンライブ→渋谷WWWの主催スリーマンライブと、キャパがどんどん大きくなる主催ライブ。
色んな趣向が施され、規模も大きくなっていく、「Solitude HOTEL」の冠が課されたワンマンライブ。
2015/09/05以来、Maison book girlがずっと「居た」。
Maison book girlとは
「Maison book girlとは」と訊かれたらどのように説明すれば良いのかは分からない。
曲が好きだった。
パフォーマンスが好きだった。
メンバーの個性が好きだった。
グッズのデザインが好きだった。
全て「だった」と表記するのが惜しいぐらいに。
Maison book girlの曲のモチーフや歌詞に頻出する「煙」のように。
本当に「煙のように」活動終了したのだった。
Maison book girlは「消えた」のか
コショージメグミ、彼女はBiS1期のメンバーとして活動していて、BiSのメンバーとして解散を経験していた。
いわば、メンバーの4人の中で彼女だけが「終わり」を知っていた。
ーー全てが「煙のように」消えてしまう。
それが「終わり」を知っていた彼女の思いだったのかもしれない。
「消えた」世界の中で
2015/09/05に初めて見たあの時から、Maison book girlは人生の一部だった。
この記事を書いている2012/06/05でも色んな思いがあり、この記事を書く時も、書いては消し、書いては消しを繰り返して、ようやく文章になっている。
「届かない手紙」として。