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小噺「サイクロプス」
小噺「サイクロプス」
昔々あるところにサイクロプスの親子が居りました。人間たちが秋と呼ぶある日、大きなおおきなひとつ目を輝かせ、サイクロプスの息子はお母さんに尋ねました。
「お母さん、人間たちはどうして、無いと有るがグチャグチャなの?」
お母さんは優しく答えました。
「それは人間の性なのよ。見たことと見えないことをグチャグチャにしちゃうのよ。」
息子は言います。
「だから学校の先生は、他の人が作った問題集にマルやバツをつけられるんだ。」
お母さんは返します。
「そうね。自分が作っていないことでも、正解と不正解に迷いを感じないの。そうすることで、自分で考えなくても考えたフリをできるの。便利ね、だけどあなたは真似しちゃダメよ。だって私たちはお目々が一つでしょ。だから嘘を吐くと病気になっちゃうから。」
息子は頷きながらお母さんと微笑みました。