まんがタイムきらら展FINAL参加者調査結果
はじめに
2024年9月21日~9月29日にかけて池袋・サンシャインシティで開催されていた「まんがタイムきらら展FINAL」は、前回の名古屋会場から約3年ぶりの開催となっただけでなく「FINAL」の名の通り2018年から続いた「まんがタイムきらら展」の集大成というべきイベントでした。
ここ数年のきらら界隈では『ぼっち・ざ・ろっく!』の大ヒットを皮切りに既存アニメ作品の周年イベントや未アニメ化作品に焦点を当てたイベント開催が増えたりとこれまで以上にファン層の拡大が行われてきた印象があります。そんな中で開催された「まんがタイムきらら展FINAL」に参加した方はどのようなきららファンなのかというのを下記のアンケートを元に調査しました。
アンケート項目は次の6つになります。
Q1:あなたの年齢は次のうちどれに当てはまりますか?
①18歳以下 ②19〜25歳 ③26〜30歳 ④31〜35歳 ⑤36〜40歳
⑥41〜45歳 ⑦46歳以上
Q2:あなたはこれまで何回きらら展に行ったことありますか?
①1回(FINALが初めて) ②2回 ③3回 ④4回 ⑤5回
Q3:あなたは普段まんがタイムきらら関連雑誌(本誌・MAX・キャラット・フォワード)をどれくらい購読していますか?
※FUZの月額プランでの購読を含む
①1誌 ②2誌 ③3誌 ④4誌 ⑤普段は購入してない
Q4:あなたはきららアニメを何作品くらい完走していますか?
※2期以上ある作品や劇場版も同一原作ならば1作としてカウントします。また1期は完走したけど2期は見ていないといった場合でも1作としてカウントして構いません。
※『魔法少女まどか⭐︎マギカ』『アルドノア・ゼロ』『サクラクエスト』『マギアレコード』を除く
①1作品 ②2〜5作品 ③6〜10作品 ④11〜15作品
⑤16作品以上 ⑥見たことない
Q5:あなたは今回の展示100作品の原作の単行本(紙・電子問わず)を何作品くらい持っていますか?
※全巻持っていなくても1巻でも持っていれば1作品としてカウント
①1作品 ②2〜5作品 ③6〜10作品 ④11〜15作品
⑤16〜20作品 ⑥21作品以上 ⑦持っていない
Q6:あなたは今回の展示100作品の中でどの作品が1番好きですか?
(自由記述)
9月21日~10月4日のアンケート期間で合計235件の回答をいただきました。
回答していただいた方及びアンケートポストをRPしていただいた方本当にありがとうございました。
アンケート結果の発表の前にいくつか注意事項を。
・このアンケートはあくまで一ファンが行った「非公式」のものとなっております。こちらの内容に関して芳文社含むきらら展関係者へのお問い合わせについてはご遠慮ください。
・無いと信じておりますが、ネットアンケートの性質上回答の真偽や重複回答については回答者の善意に任せているため考慮出来ておりません。
・Xを用いてアンケートの拡散を行っている為、RPの範囲によっては特定の界隈の回答に偏っていたり、きらら展の参加者の数%にも満たない回答の為アンケート調査として有効なものとは言い切れません
以上の点を踏まえて、あくまで参考程度にご一読ください。
アンケート結果発表
Q1:あなたの年齢は次のうちどれに当てはまりますか?
あくまで「きらら展FINAL」に参加した人の年齢層となる為これがきららファン全体の年齢層とは一致する訳ではないですが、18歳以下+19~25歳の学生を中心としたファン層とそれ以外の社会人を中心としたファン層でおおよそ半々に分かれていることになります。
Q2:あなたはこれまで何回きらら展に行ったことありますか?
FINALが初参加と答えた人が半分近くを占めています。前回の名古屋会場開催から3年、東京会場開催から6年も経過しており、新規きららファンの流入だけでなく当時学生だったファンが成長し行動範囲が広がったことで今回初参加したというケースが多く見られたと思われます。
Q3:あなたは普段まんがタイムきらら関連雑誌(本誌・MAX・キャラット・フォワード)をどれくらい購読していますか?
回答がかなり両極端に分かれており、4誌購読している人と普段購読していない人がほぼ同数となっています。推測ですが、1~2誌購読と答えた人は自分の好きな作品が載っているからその雑誌を購読しており、3誌購読と答えた人は4コマ3誌を購読していると思われます。
Q4:あなたはきららアニメを何作品くらい完走していますか?
今回16作品で1つ区切った理由としては、初回のきらら展開催の2018年から直近までに放送/放映された作品数が15ということで、それ以前からきららアニメを見ていたり配信等で過去作を追ったりしているファンを熱心なきららアニメファンと仮定しました。幅広く作品を見ている人も多いですが、5作品以下の人も2割近くおり特定の作品ファンでそれを目当てにきらら展に来場した人も多いと思われます。
Q5:あなたは今回の展示100作品の原作の単行本(紙・電子問わず)を何作品くらい持っていますか?
展示100作の内1/5にあたる21作品以上持っていると回答された方が4割弱を占めており、その他の回答も含めておおよそQ5と似たような回答傾向が見られます。
Q6:あなたは今回の展示100作品の中でどの作品が1番好きですか?
アンケート拡散方法が故にネット上でのファン層が厚いアニメ化作品に投票している人が目立ちますが、そんな中で未アニメ化作品の『ぬるめた』が上位に入っているのが驚きです。既に連載が終了した作品も多く投票されており各作品のファン層の厚さも垣間見える結果ともいえるかもしれません。
アンケート結果を深堀り
ここまではアンケート結果をそのまま掲載しましたが、各アンケートをいくつか項目毎に要約してみたいと思います。
◇年代別の好きな作品(2票以上入った作品)
Q6の回答について各年代ごとでどの様な傾向や違いが見られるかを深堀りしていきます。なお【36~40歳】【41~45歳】【46歳以上】については各年代での投票数が少ない為、合算した値で見ていきます。
【18歳以下】
『きんいろモザイク』や『ご注文はうさぎですか?』といった"カワイイ"を売りの一つとした作品の人気が目立つ他、『またぞろ。』が2票入っているのもポイントの1つなのかもしれません。
【19~25歳】
全体に対するこの年代の投票率も高さも相俟って上位3作品については全体の結果とほぼ同じものになっていますが、『うらら迷路帖』『こみっくがーるず』『がっこうぐらし』の票の多くがこの年代に集中しているのが大きな特徴といえるかもしれません。
【26~30歳】
全体結果の上位作品の中でも『まちカドまぞく』が一歩抜きんでた票数となっていました。注目すべきなのは『ひだまりスケッチ』が2位に入っている所であり、アニメ放送の頃から追っているファンが今なお付いていると思われます。
【31~35歳】
全体票と比較してこの年代での『ゆゆ式』の票数の高さが目立つ結果となっています。アニメ放送基準で考えた際にほぼ同時期に放送しており全体で票数が高かった『きんいろモザイク』や『ご注文はうさぎですか?』よりも刺さっておりこの年代に対しては他の作品にはない何か引っかかるものがあるのかもしれません。
【36歳以上】
【31~35歳】の所でもそうでしたが、『恋する小惑星』で多くの票数が入っているのが特徴となっています。同じく上位に入っていた【19~25歳】では学生視点での人気が要因として上位に入っていたと思われますが、この年代では学生の頃の部活動や学問的要素を懐かしむといった要素で票数を集めたのかもしれません。
◇きらら誌を4誌購読している人と普段購入していない人の傾向差
Q3のきらら誌購読数の項目で真反対ながらも回答がほぼ同数だった「4誌購読」と「普段は購読していない」の2つについてどの様な差があるか、それぞれの各アンケート結果を比較していきます。
Q1:あなたの年齢は次のうちどれに当てはまりますか?
学生を含む年代である【18歳以下】と【19~25歳】の合算値で、
4誌購読している人の割合は45.4%だったのに対して、購読していない人の割合は58,3%と大きな差が生じていました。やはり学生のお財布事情では雑誌を定期購読するのはややハードルが高いのかもしれません。
Q2:あなたはこれまで何回きらら展に行ったことありますか?
FINALが初めてだった人の割合が、4誌購読していた人が31.4%だったのに対して、購読していない人が67.9%と倍以上の差が付いていました。きらら誌の購読数=きららファン度の高さというわけではありませんが、比較的ライトなきららファンと思われる人たちでもきらら展へ赴きたくなる何かがあったのは確かだと思います。
Q4:あなたはきららアニメを何作品くらい完走していますか?
4誌購読している人の6割近くが16作品以上見ているのに対して、購読していない人は3割弱に留まっています。ただ、ほとんど見ていないという人も少なくいくつかのきららアニメを通っている人が多かったです。
Q5:あなたは今回の展示100作品の原作の単行本(紙・電子問わず)を何作品くらい持っていますか?
Q4以上に両社での履修作品数が分かれる結果となりました。全体票と同様にQ4とQ5で似た回答傾向となっていますが、購読していない人の内2~5作品と回答した人の割合がQ4よりも10%近く高くなっているのが特徴で、アニメ視聴よりも単行本を手に取るハードルの高さを垣間見える結果なのかもしれません。
Q6:あなたは今回の展示100作品の中でどの作品が1番好きですか?
4誌購読者の『スロウスタート』票の高さに驚きますが、それ以外の上位作品は両者であまり変わらない結果が出ました。大方の予想通り未アニメ化作品については4誌購読者の方が多く票が入っていますが、購読していない人でもいくつか票が入っておりそこまで大きな差は無いのかなと思います。また、購読していない人で『きららファンタジア』や『ぼっち・ざ・ろっく!』の票が入っているのもポイントだと思います。
アンケート結果分析
ここからはこれまでに上げてきたアンケート結果を元にもう少し分析してみることにします。私の推測が多く介在してしまうので、「お前の話なんて聞きたくない」という人は飛ばしていただいて構いません()
◇きららファンの年齢層
「きらら展FINAL」がきらら展の集大成且つ昨今のきららファンの拡大?という事情を踏まえたとしても、学生、特に地方出身者が気軽に参加するには少しハードルが高いように思えます。そのことを考慮するとこのアンケートで回答していただいた方々よりもきららファンの年齢層は若干下がるのかもしれません。あくまでこのアンケートを元にした体感的なものですが学生と社会人の割合は6:4くらいの様に思えます。
◇きらら展の参加回数
先述した様に前回のきらら展から間が空いたこともあり、今回初参加した人が半分近く占めていました。年齢層の項でも述べましたが、地方の学生が参加しづらい事もあったりこれまできらら展を開催した事のない地域があることだけを考慮すると全国行脚した場合新規の参加者がある程度見込めるのではとも思えました(収支的に黒になるかは別ですが……)
◇雑誌購読数
個人的に1番衝撃的だった結果はこれでした。後述しますが『ぼっち・ざ・ろっく!』のファン層が多く来場し、その人たちが雑誌をほぼ購読していないに投票するという予想を立てていたのですが、ふたを開けてみるとそもそも投票してくれた人の中で『ぼっち・ざ・ろっく!』目当てで来たと思われる人は少なく、その他の作品の単行本勢が多いのかなと思います。
自分が知らない作品が多く載っている雑誌購読のハードルはかなり高く、そこから他のきらら作品を手に取るハードルの高さにも繋がってしまうのが多くの作品を履修するレベルのきららファンを拡大していく際の課題だと思われます。そして今回のきらら展の展示を見て自分の知らない作品について少しでも興味を持つことが第1歩なのかもしれません。
◇100作品の中で好きな作品ときららファン層
先述の通り『ぬるめた』の投票数の高さに驚きました。しかも特定の年代で高いという訳でなくどの年代でも安定して平均的に票が入っていたのもポイントです。やっぱりもう4巻だし そろそろ動かな(ry
そしてきらら作品の中できららファン外の知名度が高い『ゆるキャン△』と『ぼっち・ざ・ろっく!』の票数があまり伸びなかったのも特徴かと思います。これについてはきらら展に来るようなきららファンからの人気がないという訳でなく、このアンケートの拡散先に各界隈まで辿り着かなかったという点と作品ファンにきらら展の情報が行き渡らなかった or 行く必要性まで結びつかなかったという事が考えられます。
前者については、私がX上では特定の作品ではなくきららのマクロ的な事を話題にすることが多いこともあり私のフォロワーについても同様のきららファンが多い様に思えます。あくまでこのアンケート結果だけで見ると「きらら全般のファン」と「ぼざろファン」「ゆるキャン△ファン」はあまり交わっていないのかなと推測できます。
そして後者については少なくとも『ぼっち・ざ・ろっく!』に関しては結束バンドのカバー視聴といった客寄せ効果もありきらら展の存在認知や行く価値自体はあったと思われます。しかし『ゆるキャン△』についてはそもそも現在「COMIC FUZ」で原作が連載していることもありファンが『ゆるキャン△』の情報を得るのに「まんがタイムきらら編集部」のXをフォローする理由も薄く且つあfろ先生のX(編集運用)やアニメ公式Xでもきらら展についてはほとんど取り上げられていませんでした。その為、そもそも『ゆるキャン△』ファンに対しては情報が行き渡らなかった可能性も大いに考えられます。これが問題視される話かどうかは置いといてですが、この溝は思ったよりも大きいのかもしれません。
最後に
きらら展参加という一定以上のきららファンをベースにすることで、これまであまり可視化されていなかったきらら全体のファン層についてほんの少しでも分かるかなと思い今回アンケートを取らさせていただきました。改めましてご協力していただいた皆さん本当にありがとうございました。
注意事項でも述べましたが、非公式で行ったアンケートという点やきらら展全参加者数に対する回答率の低さや調査方法も相俟って信ぴょう性についてはかなり怪しいと思っています。その為、深く考えすぎずにあくまで些細なきらら話のネタの一つ程度にしていただければ幸いです。
2018年から続いたきらら展も終了ということで寂しいところではございますが、「まんがタイムきらら」の展開はこれからも変わらず続いていくと思いますし、また別の形のファンイベントも開催される筈ですので一先ずは気ままにきららライフを送っていきたいと思います。
長くなりましたがここまで読んでいただきありがとうございました!
(アンケートを用いてこういった角度で深掘りして欲しいという要望がございましたらコメントに書いていただければ検証して追記する価値があるものが生まれればこっそり追記するかもしれません)