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iaiの衣から浮かぶ物語
i a i (いあい)の衣
京都福知山の山間のある集落に、パターンを引かずに衣服をつくっている家族がいます。iai という、ブランドです。(Instagramはこちら)
主に服づくりに携わっているのは、居相大輝さんというまだ20代の男性ですが、iaiの衣はパートナーの愛さん、それに二人の幼いお子さんとともにつくられています。
exhibition " 着 心 "
ぼくたちは、2020年9月4日から6日までの3日間、
長野県佐久市の標高1100m近いところにある雑木林の中で、
iaiの展示会 " 着 心 (きごころ)" を行いました。
地面に落ちた枯れ枝や、あちこちで苔生した石などを使って設営した会場は、木漏れ日の照明や木々の彩りが生み出す影の背景によって、まるで物語の中に入り込んだような空間となりました。
iaiの衣は、彼らが暮らす福知山の山村の近くに自生している植物や、彼らが栽培した藍を染料として使っていて、縁あって各地から寄せられた古布や生地などを活用した独創性溢れる一点物です。会場では、お越しになった方々が思い思いに試着を繰り返す様子が見られました。そのそばで、子どもたちが気ままに遊ぶ様子もまた、美しい光景でした。
会場に架けた竹橋の外では、iaiで初めて試みる企画に参加した方々が、それぞれ持ち寄った衣服を前に、膝を付き合わせて相談する様子もまた、今展ならではの風景だったかもしれません。
衣から浮かぶ物語
iaiの衣を纏うと、物語の住人になるような気がします。
初めてこの目で見た時も、袖を通した時も、まったく同じことを感じました。これまで、ひとつひとつの物語を言語化したり、その光景のイメージを広げてみたりしたことはありませんでしたが、このたび、ぼくがこれまでに彼らの展示会や、友人知人の日常を彩るさまざまなiaiの衣を見る中で浮かび上がってきた物語を、言葉にする機会をいただきました。
「衣と物語の交歓」
生地や刺繍との対話の中で即興的につくられたiaiの衣に触れて、そこから浮かび上がる物語を描くだけでなく、ぼくが描いた物語をもとに、iaiが衣を仕立てることもしました。
お互いの創作が、鮮度とあたたかみを保ったまま、たくさんの人の手を介して、京都と長野を行き交った夏の1ヶ月は、ほんとうに素晴らしい思い出となりました。
その物語と衣の数々を、10月2日金曜日からオンラインで展示させていただくことになりました。また、3日間の展示を通じて、双方新たに浮かび上がった衣と物語も発表させていただきます。
ご購入いただいた方には、物語を印刷してお送りさせていただきます。
一点物の衣はご縁のある方の手に届くものですが、そこに物語が重なることで、ご縁は奥行きと広がりが深まって、衣と物語とお互いの魂がつながるきっかけになるような気がしてなりません。
iai × こじょうゆうや
共同制作展示 〈 一語一衣 〉
第1話 『平らけく安らけく』
ぼくたちが気まぐれで運営するギャラリー、「とうめい」のHP内で、衣と物語を少しずつ公開していきます。
ご興味ある方は是非、ご覧くださいませ◯
iaiの衣、そしてぼくの書いた物語からつながるご縁を心から楽しみにしてます。
こじょうゆうや
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