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ござんす


 今日も信州佐久は吹雪いています。前倒しで始めようとしていた田畑のしごとはおやすみ。もちろんケンチクもおやすみ。3月に雪が降ることは珍しくないんです。暖かい冬だったから、少し変に思うかもしれないけど、そんなことはありません。5月中頃まで霜が降りるような地域ですから、雪景色を楽しむ頃合いなんだろうと思います。


 朝、歯医者に出かけて、家に戻ろうとすると、視界が遮られるほどの吹雪で、真っ白な空から降るほわっほわの雪に一生懸命、息を吹きつけている美しい女神さまのような方々がたくさんいて、何してるんだろうなあと眺めているぼくの視線に気づいて、にこやかにこたえてくれました。


「真っ白けのお手伝いでござんす」


 この間、オリンピックの聖火の採火式というものをインターネットで初めて見て、既視感を感じる光景に懐かしさを覚えていたのですが、オリンピア遺跡に登場するギリシャの女性たちと、真っ白けのお手伝いをしている女神さまたちはとーってもよく似ていました。だからこそ、なんで、そんな語尾なんだろうと不思議に思ったのですが、もしかしたらぼくというフィルターのせいで「ござんす」になってしまったかもしれません。


 天候の中でも、特に春に降る雪は浄化能力が非常に高いと感じています。
同時に、はじまりをお手伝いしてくれる役割もあるように思います。
語尾がござんすの女神たちは、きっとその両方を応援してくれているのでしょう。もしかすると、ぼくらも語尾を「ござんす」にすることで、より大きな共鳴が起こるかもしれませんよ。


もちろん、冗談でござんす。


 ぼくたちは誰もが、梅のつぼみに雪がまとっているような頃合いでござんす。花や緑が芽吹く時期は、地域によってさまざまですが、西の方から少しずつ花開きはじめて、おそらくこの2020年、ぼくたちの花が咲くことで起きる花吹雪にも、ござんすの女神たちが、息をふきつけてくれることでしょう。ござんす。



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