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シャベルとキクのお話 その10

このお話は、しゃべるの大好きシャベル(S)と、聴くの大好きキク(K)が、気になったことを2人で気ままに話した記録です。今日は、子どもに怒る気持ちとその対処法について。

シャベル(以下S) こんにちは。
キク(以下K) こんにちは。
S ちょっと、壁紙変わったね。
K うん。テキサスのバーガー屋さん。
S 急だなあ。
K 今日はさ。
S あら今日はあなたが。
K 子どものことについて!我々、いわゆるパパじゃない。
S うん。パパだ。
K 朝にね、息子が癇癪を起こして、学校に行かないと泣き叫んだの。
S 何があったの?
K いろいろ理由はありそう。金曜日で疲れていた、前日夜遅くまで起きていた、朝からテレビばかり見て疲れてた、遠足の予定が雨で中止になった、学校の宿題忘れててやるか聞いたら嫌そうにしていた、など。
S 宿題って、何歳よ?
K 5歳。
S 5歳で学校の宿題?!
K アメリカのキンダーガーテンは早いのよ。4歳のときに行ってたプリスクールでも、最後の方は宿題出されてた。キンダーガーテンの宿題に慣れるためだと思う。
S ほー、すごい。
K まあそんな感じで、結局朝50分遅れて行ったの。
S 結構遅れたね。一限終わるくらい。
K そう。怒りたかったし、何やってるの?と思ったけど、今回は怒らなかった。
S それはすごいね、私なら絶対怒る。何やってるの?、もう遅刻だよ?、恥ずかしくないの?、みたいになっちゃう。
K うん。そのとおりなんだけど、なんか言うとさらに怒って遅くなっちゃう。しかも、アメリカで頑張ってくれてるし。ここで強く言い過ぎて、この後に響いても嫌だし。
S ふむ。そういうのって理性でなんとかするの?
K 違うのよこれが。感情でなんとかするの!
S えっ!どういうこと?
K なんかさ、アメリカに、カラーモンスター、という絵本があるんだよね。それは、怒ってるモンスターがいて、そのモンスターにいろんな色の糸が絡まってて、それを一つずつ解いていって、瓶に詰める、というお話。
S ほうほう。面白そう。
K それを見てから、あっ、自分の気持ちって、分解できるのかもな、因数分解みたいに、って思ったの。
S 因数分解!懐かしい。中学でやったね。
K そう。まさにそのやり方を教えてもらったみたいな。絵本はそれだけで、悲しい気持ちの時はこうだよね、怒ってるときはこうだよね、嬉しいときはこうだよね、と言うだけなの。でも、おしまいには、それぞれの色の糸が瓶詰めにされてる。
S 便利だ。
K それだけかよ、と思ってたんだけど、それだけでいいの!なんか感情が動くことがあったときには、その感情を見つめて、どう思ったかを自分に聴いてあげて、それで書き出す。
S 書き出す?
K 本当に簡単に。例えば、今日ご飯の後にお菓子食べられると思っていたら子どもに食べられてて、大好きなお菓子でひとつしかなかったから悲しかった、とか、飲みに行って美味しいご飯に出会えて嬉しかった、とか。
S 食べ物ばかりだな。
K 本当に細かいことでいいの。怒ったときには、どうして怒ったかを書いてみる!子どもが癇癪を起こしていたけど、私はそんな癇癪なんか起こしたことないから変な子なんじゃないかと思ったり変な子に育てたんじゃないかと誰かに思われることが嫌だ、とか、実は自分も昨日YouTube見すぎて寝不足で疲れていた、とか、妻が怒っているのを聞いてつられて腹が立って怒ってしまった、とか。なんでもいい。タブーはない。誰にも聞かれないんだから、正直に。
S 恥ずかしいことでもいいの?
K もちろん!むしろそういうのがいいよ。何に恥ずかしいと思うかは人によって違うし、何に嬉しくなるか、かなしくなるか、嫌になるかも違うんだから、全部いいの。誰かに説明してもわかってもらえないんじゃないか?、というようなことでもいいんだ。自分で自分の気持ちを見て、あぁ、だからこう感じてこうなったんだ、と見てあげてほしい。そこにいいも悪いもない!それが自分だから。
S 自分で自分を嫌にならない?嫌な自分を見たくない。。
K 難しいね…まあとりあえず、騙されたと思ってやってみて。
S やるとどうなるんですか?
K 自分って、こういうときに嫌だと思うんだとか、こういうときに怒るとか、嬉しくなるとかがわかる!
S 分かるとどうなるの?
K さっきのカラーモンスターじゃないけれど、感情が動いたとき、例えば怒っているときに、ふっと、あっ、今この赤の糸と水色の糸が絡まってる!と気付ける。
S ええー、そんなことある?
K これがね、あるのよ。自分の気持ちを見てあげると、毎日話題に事欠かないから、楽しいぞー。癖になってくるよ、メモするのが。
S 信じがたいけど、そんなこともあるんだ。
K うん。だからといっていつでも子どもに優しくできるわけじゃないけれど、少し落ち着く。
S そうか。意外といいのか。
K そう。ぜひお試しあれ。さようなら。
S さようなら。

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