マルコの福音書14章32~38節 「愛する天のお父さん」 2022.4.10 守谷キリスト教会礼拝説教
お祈りをする時、神様をどのように呼びかけていますか?
イエス様は、「アバ、父よ」と呼びかけました。「アバ」とは幼い子供が父親を呼びかける、日本語の「パパ」に相当する単語として知られています。
当時の伝統的なユダヤ人は敬虔さと恐れとをもって神様を呼びかけていました。そういう中にあって、イエス様が「アバ、父よ」と呼びかけられたことは特別なことです。
それは、一定の距離を保った呼び方ではなく、父親の大きな懐に飛び込むような、信頼を込めた呼びかけ方でした。
私たちも聖霊によって、「アバ、父」と叫ぶ特権が与えられています(ローマ8:15)。
私たちが神の子どもとされていることを聖霊によって確信するのはどのような時でしょうか。
イエスさまが「アバ、父」と叫ばれた場面として福音書が記録しているのは、ゲッセマネの祈りの時です。
イエス様は、ペテロとヤコブ、ヨハネに十字架を前にしたご自身の悩みと葛藤を打ち明けられました。
それは、私たちが「天のお父さん」と呼びかけることのできる神様が、どのような苦しみの中にあっても共にいてくださることを示すためだったのではないでしょうか。
今週は受難週です。
私たちは「こんなはずではなかった」と思うようなことに突き当たることがあります。
普段は考えないようにしている怒りや悲しみはあるでしょうか。
それらに再び向き合うことは苦しいことです。
しかしその苦難さえも、イエス様はゲッセマネにおいて共にしてくださって「アバ、父よ」と祈られました。
私たちも苦難の中で、愛する天のお父さんに祈りましょう。
キリストと共に苦難にあずかる私たちには、決して失望に終わることがない希望が約束されています。
イエス・キリストの十字架の死と復活は自分のためであることを、改めて思い巡らす一週間を、共に歩んでいきましょう。