どうすればはやくなれるの?

 みなさんコロナ禍でのキューブライフをいかがお過ごしでしょうか。
 私は直近の目標がない状態で、今までと変わらず練習を続けることの難しさを感じています。

 今回は「はやくなるために必要な心構え」みたいなものについて書いてみました。技術的なことについては全く触れていません。





・はやくなるために大事なこと

 はやくなるために大事なこととして、以下の4つが挙げられると思います。

①キューブを回すのが楽しいこと
②十分な練習時間が確保できること
③自分で考え、試行錯誤できること
④辛抱強く練習できること

 スピードキュービングに限らず、何か競技的なものに取り組む上で、この4つはとても大事なことです。

 「①キューブを回すのが楽しいこと」は至極当然で、楽しければいっぱい練習するので、そりゃはやくなります。

 「②十分な練習時間が確保できること」も当然で、練習時間が確保できなければ伸びるわけがありません。先日Netflixで公開された"The Speed Cubers"でも、「キューバーは成人になる頃からランキングを落とし始める」という言葉がありました。これは、十分な練習時間が確保できなくなるためです。

 「③自分で考え、試行錯誤できること」は、ある程度のタイムに到達したあたりから重要性が増してきます。
 0.01秒を削り出す競技であるスピードキュービングにおいては、

-手順やsubstepの選択
-言語化が難しい技術の導入(インスペクションやPLLの先読みなど)
-解法の効率化
-上級者のソルブの解析
-自分のソルブの欠点を見つけること

など、様々なところでこの能力が求められます。
 上級者のソルブを見て「なぜここはこういう風に揃えたんだろう」と疑問に思ったときに、その理由を自分なりに考えられないと、そこから何も得られませんよね。

 スピードキュービングのコミュニティには、自分が持っている技術を公開することに対してためらいのない人が比較的多いので、周りのキューバーに色々教えてもらったり、ネット上に公開されている情報を使って勉強するのもいいと思います。
 ただ、車輪の再発明でもいいので「自分で考えて」何か発見できる能力がなければ、他のキューバーよりはやくなれる道理はありません。常時10tpsが出せるなら別ですが。
 単にキューブを回すことだけでなく、「考え、試行錯誤すること」も楽しいと感じられるようになれば、どんどんタイムが縮まることでしょう。

 数多くいるキューバーの中には、無意識的に色んなことを考えられる人もいますが、多くの人はそうではありません。
 特に何も考えずに練習している人は、インスペクションやF2Lの先読みなど、何でもいいので意識しながら練習するようにしましょう。


・タイムが縮まらないときは

 成長に個人差があるのは当然ですが、「練習してもなかなかタイムが伸びない」と話す人の多くは、そもそもの練習量が不足していると思います。(全員がそうというわけではないですが。)
 もちろん、タイムがはやくなるにつれ、練習量に対してタイムの伸びが遅くなるのは間違いありません。
 いくら練習してもタイムが縮まらないときは、

-新しい手順・指づかいを導入する
-任意のパターンに対する、より効率的な処理方法を考える
-自分のソルブの欠点を見つけ、改善する

などの何かしらの方法で、自分のソルブを変えなければなりません
 いくら練習しても記録が伸びないような状態においては、その時点における解法・指づかい・回し方などを総合的に考慮したソルブの限界が来ていると考えられるからです。

 人それぞれ、ソルブには必ずクセがあります。今まではうまくいっていたと感じられるやり方を変えるのはとても億劫なことですが、タイムを縮めるためには、「④どれだけ辛抱強く競技に取り組むことができるか」も大事なのです。
 「タイムが縮まらなくなったときに何ができるのか」が大きな分岐点です。普段から何か考えたり、情報をかき集めたりしていれば、どんどん技術の引き出しが増えていき、様々な方法で自分のソルブにアプローチし、変化を加えることができるようになります。

 特に何も考えずとも、記録が伸び続ける人もいます。普段から頭を使って練習するに越したことはありませんが、記録が伸びているうちはとりあえず練習を続けていればいいです。


・モチベーションがないときは

 継続して長期間練習をしていると、モチベーションが低下する時期もあります。
 キューブを回すことが楽しいと感じられなくなったら、しばらく練習をせず、休憩してもいいでしょう。幸い、スピードキューブは激しい身体活動を伴うスポーツではないので、一定期間練習をせずとも、練習を再開すれば比較的すぐ、パフォーマンスが元のレベルまで戻ります。
 また、私の経験談にはなりますが、一定期間の休憩をはさむことによって、今までは意識的に取り組んでいた技術が無意識的に使えるようになることもあります。「技術が定着する」というイメージでしょうか。

 あれこれ考えて練習するのは面倒になったけど、キューブを回すこと自体は楽しいときは、そのまま惰性で練習を続けてもいいと思います。たまには何も気にせず、楽しくキューブを回しましょう。
 僕も最近は深く考えずキューブを回しています。めっちゃ楽しいです。
 スピードキューブのプロとして競技に取り組んでいるわけではないので、キューブを回すことに楽しさを見出すのは大切なことです。


・最後に

 「練習」は、「新しい手順/技術の導入→定着→・・・手順/技術の導入」の繰り返しです。どのくらい真剣に競技に取り組むかは人それぞれですが、はやくなりたいならそれなりの質と量の練習が必要です。
 楽しく継続的に練習してタイムが伸びているうちはそれで何も問題ありません。そのまま楽しく練習を続けましょう。
 肝要なのは、どうしてもタイムが縮まらないとき、モチベーションがないときなど、自分が苦境に陥ったときに何ができるかです。
 普段から考え、試行錯誤し、情報をかき集めることで自分の技術の引き出しを増やし、同じ競技に没頭する友人と競い合いながら、楽しいキューブライフを送りましょう。


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