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8/31 ギアイースト夜公演 レポ

千葉ポートスクエアで公演している『ギア -GEAR- East Version』 (通称ギアイースト)の8月31日 夜公演を観てきました。

『ギアイースト』って?

『GEAR』は京都の専用劇場で公演されているノンバーバルパフォーマンス(無声劇)です。

4色4体のロボロイドと1体のドールが「遊び」を通して物語が進んでいきます。
赤ロボロイド=パントマイム、青ロボロイド=マジック、緑ロボロイド=ジャグリング、黄ロボロイド=ブレイクダンス、とそれぞれのパフォーマンスは圧巻。
4体と1体が触れ合って、パフォーマンスと物語が絡み合って、その先に待っているものは……? というストーリーです。

ギアイーストはこれの関東公演として2017年12月に初演。その後キャストを増やしつつ、2019年9月末で600回転=600公演を迎えます。(公演のことをギアでは「回転」と呼びます)

ギアイーストの休止

ギアイーストはこの9月末の600回転を機に一旦休止が発表されています。
また別の場所で観られるようになるのか、そしてキャストに変更はあるのか。この先のことはまだ分かりません。

私個人としては、8月31日の夜公演がギアイースト見納めとなりました。5回転目でした。
せっかくなので8月31日の夜公演をレポします。
ストーリー全体のレポというよりは特に良かったところ、面白かったところを断片的に書いていきますが、ネタバレは大いにあります。

8月31日のキャスト

赤ロボロイド:小山修人さん (3回転目)
青ロボロイド:YOURIさん (4回転目)
緑ロボロイド:ボンバングーさん (1回転目)
黄ロボロイド:HIDEさん (2回転目)
ドール:安本彩花さん(私立恵比寿中学) (5回転目)

回転数は私が過去5回観てきた中でそのキャストさんを何回見たかという数字です。
安ドール目当てで来ているので安本彩花さんは当然5回なんですが、YOURIさんの4回転は本当に偶然なので驚きです。

最前席から見える景色

今日は初の最前席ということで、接触やレスも期待できるので、すごく楽しみにしていました。中央少し下手寄り。

開演前、着席して舞台を見渡すと過去4回との景色の違いに驚きました。
舞台がとてもよく見える!あの小道具とか、あそこシーンで使うアレとか、隠れピニオンくんとか、細かい部分までよく見える!
開演前から舞台を見るだけで興奮しておりました。

そして開演。まず最初の照明演出。何度見ても素晴らしくて、そして今日はやっぱり照明演出もよく見える見える。
中央の回転ステージのギアの形に沿って光の線が入る演出が近未来的でとてもカッコよくて好きなんです。

この中央ステージです。周りの鉄筋の柱など、全体的に光の演出。とにかくカッコいい!
廃工場、SF、ピカピカ光って動く機械、これらが嫌いなオトコノコなんていません!まさにロマン!

ドールが小道具の人形から安ドールに大きくなるシーンがあるんですが、最前で見ていても「どうやって現れたの?」と驚くほど一瞬の出来事。
このシーンに限らないですが、間近で見ていても「えっこれどうなってるの?」という瞬間が本当に多いです。
青ロボロイドのマジックはもちろん、青く光る球が飛び交うシーンは何度見ても分からない。どこから出てきたの? いつ消えたの? それが不思議で面白い。目をキョロキョロ動かして、光を追いかけるドールと同じ気持ちで見ることができます。

青ロボロイド:YOURIさん

青ロボのマジックと言えば。人の身体からコインを出すマジックで、客席の人の髪の中からコインを出すというシーンがあります。
今回最前席ということもあり、初めて髪からコインを生で体験しました。青ロボのYOURIさんが目の前に来て、髪に触れられて……めちゃめちゃドキドキしました。もうカッコイイの一言。
その後、男性が指名されてステージ上へ。いつも胸ポケットがある人が選ばれ、その人の胸ポケットからコインが出てくる、というのが定番なんですが、今回選ばれた方の服には胸ポケットがなく。あれ? どうするの? と思ってたんですが……まさかの、腕時計の中からコインが。
思わず歓声。マジかー! って本当に驚きました。YOURIさん、見る度に進化されている気がするんです。凄すぎる。
その後、コインが缶バッジに変わり、男性に缶バッジをプレゼント。これもいつも通り……と思いきや、ジャケットをバサリと広げるYOURIさん。ジャケットの内側には缶バッジが3つ。反対側もバサリ。こちらにも缶バッジが3つ。キメ顔のYOURIさん。
と、その横で何もないジャケットを広げようとする3体のロボ達。(黄ロボはジャケットを脱ぎ捨てていて、そもそもジャケットなし。Tシャツをバサバサするだけw 緑ロボもチョッキなのであまり様にならないw)そんな4体のアドリブに大いに笑わせてもらいました。

余談ですが、YOURIさんの格好良さは超特急カイくん(スターダストプロモーション所属。男性ダンス&ボーカルグループ。私は27推しです)に似てると思うんですよね。
同じ青で、クール系キャラ。カイくんはミステリアス担当、YOURIさんはキザキャラ。そして二人に共通する魅力は、「格好良さの中にふと見える可愛い笑顔」だと思うんです。
青ロボロイドは終始クールで、かっこつけで、髪をかき分ける仕草が決めポーズです。でもふとした瞬間、踊っていたり、ステージを駆けているとき、子供っぽく笑うときがあるんです。舞台を楽しんでるって感じの素の笑顔です。カッコイイ人がもうたまらなく楽しい!って気持ちが顔に出てしまって笑う、そのギャップがたまらなく素敵なんです。
今日はそんなYOURIさんの格好良さ、可愛さを最前でたくさん堪能できてお腹いっぱいでした。

赤ロボ:小山修人さん/黄ロボ:HIDEさん

ロボとドールが握手合戦をするシーンで、赤ロボの小山さんが来てくださって握手していただきました。がっつり目線もいただきました。
あ~~~格好いい~~~~って興奮してたんですが、他のロボたちの握手姿も見ようと視線を横に向けたら、黄ロボのHIDEさんは握手せず、腕まくりして筋肉を客席に見せつけてました。そんなアドリブあり!? 筋肉最高でした。大笑いしました。
あとHIDEさんはブレイクダンスを踊っていたときに腹チラを間近で見られて、そちらも眼福でした。ご馳走様でした。
小山さんはアンコール後、HIDEさんが中央ステージでブレイクダンスをする少し前、ステージ上部で安ドールにたくさん紙吹雪を渡していたのが可笑しかったです。抱えきれない程の紙束をいくつももらって、安ドールの身体が見えないほどの山になっていました。やりすぎw

緑ロボロイド:ボンバングーさん

終盤、5体が踊っているシーンでボンバングーさんが目の前まで来たんですが、汗をびっしょりかいていて。90分という舞台の中で、相当ハードなパフォーマンスをされているんだなってそのとき実感しました。
ボンバングーさんはジャグリングで最大7個のボールを操っていて、私が見た(ギアイーストの)中では一番多かったと思います。腕の動きが意味分からないくらい速かったです

ドール:安本彩花さん(私立恵比寿中学)

私は安本彩花さんの歌声が特に大好きなオタクなのですが(もちろんその他の部分も好きです)、ギアイーストのキャストになったと知った際、それが無声劇と知ってとても驚いたんです。
え、声ないの? 安本さんの長所なしで、舞台に立つの? と。
そんな私の戸惑いは初演の日にすぐ無用な心配だったと分かったわけですが。

安ドールを見ていて、いつも心奪われるのは目の動きと指先の動きの美しさ。
登場してから動き始めるまでの数分間、安ドールは瞬きを全くせず、ロボロイド達に操られるままに身体を預けるだけです。指先はピンとまっすぐに伸ばされていて、爪の先まで美しい。
そして動き出す瞬間、パチ・パチと音がしそうなくらい大きくゆっくりした動きで瞬きを二回。その動きに”命の鼓動”を感じるのです。

踊りが上手なはずの安本さんが、安ドールのときにつたなく踊る仕草は可愛らしい。足の動き、手拍子、全てがズレているという演技はリズムの取れる人にはきっととても難しい。「つたないフリ」が安ドールはとても上手で、そのつたなさがとても可愛く魅力的です。

安ドールが4体のロボを出し抜こうと、中央のギアステージを回転させ、4体がバタンキューと倒れるシーンがあります。
基本おすまし笑顔の安ドールもそのときばかりは少ししてやったりの顔。『仮契約のシンデレラ』での安本パート「はい、お疲れちゃーん」の顔を彷彿とさせます。

ギアイーストの光の照明が好きという話を先ほどしましたが、中央ステージで安ドールと光の照明がコラボする幻想的なシーンがいくつかあります。
安ドールの歩いたところから水が波紋のように広がっていく演出や、光の檻に閉じ込められた安ドールが助けを求め、ロボロイド達が手を伸ばす……けれど光に阻まれてしまうシーン。光の檻に触れた瞬間、指先に光が乗っかるのが好きです。

ラストの紙吹雪の後のシーン。これまでかかっていたBGMは一切なく無音で、安ドールが歩く際に踏みつけた紙のカサカサという音だけが聞こえる静寂。
音がない世界で、ロボロイドも動きを止めていて。安ドールの指の動き、身体の動き、目の動き、そして表情がこの世界のすべて。
ドールは生まれてきて、ロボロイドと出会って、「楽しい」を知った。「楽しい」しか知らない。けれど、「楽しい」の象徴である「握手」を求めるも、ロボロイド達は動かない。ドールは「悲しい」を知らない。知らなくても、涙が流れる。涙が溜まり、広がっていく。BGMが小さく少しずつ、フェードインしてくる。嗚咽が漏れる。声が出ないはずのドール。赤子が発する、喃語のようなことば未満の「音」。嗚咽なのか、喃語なのか、区別のつかない「音」と涙の泉が混じり、星となる。BGMと光が大きくなり、安ドールの「音」と共に宇宙に広がっていく。世界が動く。
ここのシーンの凄さ、良さ、魅力はもう、観ていただくしかない、と思います。
私は5回観て、5回とも泣きました。やっぱり安本さんの声は、私の胸をギュッと掴んでくるのでした。

エンターテイメント

この舞台を「演劇」と呼ぶのが正しいのか、私には分かりません。
演劇と言えば演劇だし。でもなんだか、サーカスのようでもあるし。こういうの、なんていうんだろう。新しすぎるものには、まだピッタリな名前がついていないものですね。ことばがものに追いついていない。
ただ、エンターテイメントであることは確かです。照明も音響も舞台美術も小道具も大道具も舞台の仕掛けもキャストの演技もキャストのパフォーマンスも全てがエンタメとして魅力に溢れています。

これが9月末で観られなくなってしまうのは寂しい限りです。まだ観たことがない方はぜひ、まだ間に合ううちに、観ることをおすすめします。
男性も女性も大人も子供もなく、楽しめる舞台です。
私はちょっと、京都のギアも観に行きたいなと思ってます。関西は遠いので、なかなか簡単にはいかないですが。観に行けるチャンスがあるといいなあ。

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あらいみかん
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