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Hello again, we are Staple

「旅を続けたくなる世界であってほしい」というシンプルな思いをもって創業した日から、6年が経つ。そしてStapleへ名前を変えてから2年が経ちました。つまり「渾身のホテルをつくりたい。」という欲求が「この土地の生活者として、地域の文化や自然をより豊かにしていきたい。未来へ持続させたい。」という思いへ進化してから、結構な時間が過ぎたわけです。

最近はさらに視界が開けてきて、私たちは今まさに第二創業期とも言える、大きく未来を拡げていく時期にあります。そんなタイミングで会社のパーパスをみんなで考え、納得のいく言葉で紡ぐことができたのは会社にとって大きな財産となるはず。2025年以降は今いる130人のファミリーがもっともっと大きく、ダイナミックになっていきます。遠心力が高まっても、定期的に自分も読み返し軸を確認できるように、Stapleの新たなパーパスと、それを紡ぐにあたって思考してきた背景を綴りました。

Staple's Purpose / ステイプルのパーパス

以下全文
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風を起こし、土を育て、豊かな風土を未来につなぎなおす。

風を起こすように
その場所に行きたくなる理由をつくり
まだ来たことのない人が
次々とやってくるようにする。
 
土を育てるように
その土地に深く根をおろし
ご近所の仲間たちと助け合って
そこから離れがたい魅力を増やす。

そうやって私たちは
ローカルと都市と自然を結ぶ
ソフトなインフラをつくり
この星のあちらこちらに豊かな風土を増やしながら
次の世代が幸せに生きられる未来につなぎなおしていく。

そのためにStapleは存在している。
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Stapleのパーパスと目指す未来の話

風土とは、単なる自然環境や地理的特徴を超え、地域の歴史や文化、住民の生き方が根付いたものだと思っています。この『風』と『土』の相互作用がその土地の特性や魅力を育み、Stapleのビジョンの核となっています。そして当然ながら私たちが目指すこの『豊かな風土』はどのようにして育てることができるのか?という問いが浮かんでくるので、そこを掘り下げていきました。。。

「豊かな風土」を形作る、地域の身の丈に合った経済という思想

図1

隣人との関係性が希薄になるなかで、人口が減っていくなかで、災害が増えるなかで、私たちはなにができるだろうかと常々考えます。
その地域へ通うファン層や新たな何かを生み出そうとする挑戦者層があらわれ、世界中からゆるやかに訪問者が増え続け、地元の八百屋へは数キロ圏内の野菜がならび、エネルギーは地域から生まれる再生可能なものがフル活用され、失われかけている地域のお祭りやクラフトが新たな形で未来へつながるー。Stapleが関わることで、そんな地域を増やしていくこと。それが私たちができることだと、今改めて確信しています。

第二次産業革命以後、経済成長を追求するあまり、人々は都市に集中し、どこに行っても同じモノが手に入る均質化の時代が訪れています。その結果、各地の文化や自然資源が失われつつあります(図1の左側)。Stapleは、こうした流れを逆回転させ、自然資本を持続させ、文化が強固になり、経済がローカルで完結するような『地域の身の丈にあった経済』を目指しています(図1の右側)。私たちは、モノは地域内で循環し、人々とアイデアが地域を越えて行き交う、新しい経済の形を創り出したいと考えています。

なにをどう「つなぎなおす。」のか?

Stapleが目指すのは、都市、ローカル、自然がバランスよくつながり、互いに刺激し合う未来です。現代の都市型ライフスタイルがローカル文化や自然との関係を希薄にする中で、私たちは断絶されたつながりを新たな形でつなぎなおし、人々が豊かな生活を送れる基盤を提供したいと考えています。都市の利便性とローカルの豊かな風土が共存する環境で、生活がより多様で豊かになると同時に、地域の価値も再評価されれば、活性化にもつながるはずです。

図2

図2が示すように、観光客が徐々に地域に馴染み、最終的には新しい地域住民である『Iターン・他拠点居住者などの関係人口(New Locals)』としてその土地と関わるプロセスを大切にしています。元からの『地域住民(Locals)』に新しい視点や価値観をもたらすことで、地域全体が活性化します。さらに、地域と接点を持つ潜在的地域住民である『リピーター・ファン(Potential Locals)』も加わることで、都市とローカル、自然が共に支え合うコミュニティが形成されていくのです。 

図3

図3は、都市、ローカル、自然が分断されている現状(Before)と、Stapleが目指す持続的なつながりを示しています。私たちは、地域住民と訪問者が自然に交流し、新しい価値が生まれる『ソフトなインフラ』を提供します。このインフラにより、都市で生活する人々がローカルや自然の魅力に触れ、互いに視野を広げる持続的な循環が生まれます。
 
Stapleとして嬉しいのは、都市で生活する人々がローカルや自然に触れ、新たな発見をしている姿を見ること。例えば、ローカルに移り住んだり、自然の中で過ごす時間を大切にしたりして、都市に戻った後もその経験を日常に活かし、都市とローカル、自然が互いに支え合う関係が築かれることが理想です。これは、私自身の子どもにも経験させたい生き方でもあります。都市やローカル、自然を行き来しながら洞察力を高め、多面的な視野を持つことは、未来を担う子どもたちにとっても大切なのではないでしょうか。
 
このように、Stapleが目指すのは、都市とローカル、自然が連続的につながり合い、地域の価値が未来へとつなぎなおされる社会の創造です。

『ソフトなインフラ』という手段

図4

Stapleが目指す『ソフトなインフラ』とは、地域に根差した観光及び生活基盤の整備と、それを中心に生まれる新たな地域の担い手と地元民のコミュニティのこと。このコミュニティの価値は、単なる建築物の集合ではなく、生活に必要な機能を持った場が徒歩圏内に点在し、地域の魅力を育む『つながり』を形成することにあります。図4にあるように、ホテルや旅館、レストラン、コワーキングスペース、商店や学校など、日常生活に必要な場所が連続的に存在することで、訪れる人々と地元住民が自然に交流し、新たな価値を生み出す場を作ります。
 
この『ソフトなインフラ』があることで、都市とローカル、自然の間に新たな関係性が築かれ、地域コミュニティが持続的に成長する基盤を生み出していきたいのです。訪問者は一時的な観光にとどまらず、その土地の価値観や生活様式を共有し、地域の担い手として関わり合うことができるようになりますし、地域住民は訪問者との関わり合いを通して新たなアイデアを得ることができるようになる。

Stapleは、そのように訪問者と地域住民が共に未来を築くことができる『連続する場』を提供し、あらゆる場所で豊かな風土を育むことを目指しています。

日本橋、瀬戸田に続き長門湯本、函館、岡山へと活動が広がるStaple。どんな珍道中となるのか、これからがとても楽しみ。いつかどこかで、『風土』をともにつくる皆さんと出会えることを願っています。

Written by 岡 雄大

プロフィール
岡 雄大 | YUTA OKA
代表取締役 
岡山に生まれ、米コネチカットと東京で育つ。育つ過程で触れた世界の多様性や、旅をする中で触れた日本の地域毎の文化的ルーツの複雑性に魅了され、旅をし続けることを仕事にしたいと考えるようになる。大学卒業後は、スターウッドキャピタルグループの東京及びサンフランシスコオフィスで不動産やホテルブランドへの投資業務に従事。その後シンガポールで独立し、ホテルブランドへの投資戦略や経営企画に関するコンサルティングを行うが、2019年からはStapleの本格稼働を開始。広島県 瀬戸田と東京都 日本橋に拠点を置き、都市一極集中ではない社会を見据えた場やまちの企画・開発・運営に情熱を燃やす。仕事をしていない時はスノーボードかバスケかお酒。山大好き。海は好きだけど泳げない。
早稲田大学 政治経済学部 卒業