hidekのエンジニアと長話 第5-1回【全文書き起こし】~ゲスト:ベルフェイス CTO zigorou氏~
stand.fmで配信中の「hidekのエンジニアと長話」5人目のゲストはベルフェイス株式会社 CTOの山口徹さんです。
「hidekのエンジニアと長話」は、メルペイVPoEのhidek(木村秀夫)さんをメインパーソナリティにお招きし、ゲストエンジニアとともに作っていくスペシャルトーク番組です。
第5-1回の今回は、ベルフェイス株式会社でCTOを務めている山口徹さんをお招きして、DeNAやベルフェイスの話、CEOとCTOの関係などについて語りました。
※本記事は、2021年3月26日にstand.fmで配信を開始した番組を書き起こしたものです。
ゲスト
山口徹(zigorou)氏
ベルフェイス株式会社 CTO
メインパーソナリティ
hidek(木村秀夫)氏
株式会社メルペイ VPoE(Vice President of Engineering)
パーソナリティアシスタント
gami(池上)氏
株式会社プレイド エンジニア
自己紹介
gamiさん(以下、敬称略):皆さんこんにちは。「hidekのエンジニアと長話」進行役を務めます、gamiと申します。今回もhidekさんと一緒にゲストの方のお話を聞いていければと思います。番組への感想は、stand.fmのコメント機能かTwitterハッシュタグ、#hidekのエンジニアと長話、この番組のタイトル名と同じハッシュタグまでお願いします。ということで、今回もメインパーソナリティはこの方、hidekさんです。よろしくお願いします。
hidekさん(以下、敬称略):よろしくお願いします。どうもどうも。ちょっと間空いて、おひさしぶりですよね?
gami:そうですね。もう、暖かくなってきましたね。
hidek:そうなんですよ。もう、今、この収録が3月16日なんですけど、だいぶ暖かくなって。うちの近所の自動販売機の「あったか〜い」がなくなりました。
gami:(笑)。自動販売機で季節を感じる、という。
hidek:いや、ホントに。はい。
gami:花粉症とか大丈夫なんですか?
hidek:僕ね、花粉症ないんですよ。
gami:おー、いいですね。僕もまだないんですけど、30歳超えてから花粉症になった人とかが同僚の方でいて、いつ来るのかビクビクしてるんですけど。
hidek:あー。
gami:勇気づけられます。まだ来ていない人に会えて。
hidek:僕、50歳になったんで、たぶん逃げ切った感があります。
gami:(笑)。もう大丈夫だろう、と。
hidek:なったらショックです。はい。
gami:たしかに(笑)。
hidek:今日もよろしくお願いします。
gami:よろしくお願いしまーす。ということで、本日もゲストの方をお迎えしています。zigorouさんこと山口徹さんでーす。よろしくお願いしまーす。
山口さん(以下、敬称略):よろしくお願いします。山口です。
hidek:よろしくお願いしまーす。
gami:はい。軽く、山口さんのことを知らない方もいらっしゃるかもしれないので、自己紹介をいただいてもいいでしょうか?
山口:はい。了解です。今、現職がベルフェイスっていう会社でして、BtoBでセールス向けのオンライン商談ツール、いわゆるインサイドセールスとかに使うようなツールを提供するSaaS。で、CTOと今はCPOも務めております。で、簡単に略歴で言うとですね、僕、大学を卒業していなくてですね、ざっくり言うと。で、しばらくプラプラしてたんですけど。その後、ウェブ制作会社に入って、ソフトウェアエンジニアになり。で、その次に、ガイアックスという会社でソフトウェアエンジニアとエンジニアリングマネジャーをやり。で、その次が、サイボウズ・ラボというサイボウズの子会社でR&Dを担当している会社でR&Dをやっており。で、大体2年周期くらいで転職をしていたんですけど、DeNAというところに転職、勤めていまして。で、DeNAでは、ちょうどhidekさんと同僚で。で、僕自身は約12年弱くらい在籍しておりました。で、DeNAでは、最初はソフトウェアエンジニアだったんですけど、だんだんソフトウェアアーキテクトというかシステムアーキテクトの方に軸足を移していって、大きめの案件でソフトウェアアーキテクトをやる、みたいな感じですね。で、その領域で「専門役員」っていう、専門職の役員待遇みたいなポジションについたりとかした感じです。よろしくお願いします。
DeNAにhidekさんを誘った山口さん
gami: 結構、DeNA時代にhidekさんと割りと長く一緒に働かれていた感じなんですか?
山口:もう、バッチバチですよね?(笑)
hidek:(笑)。僕、実は当時、zigorouさんの紹介でDeNA入ってるんですよ。
gami:へー。
hidek:僕、これ、持ちネタなんですけど、zigorouさんの紹介で面接に行こうかな、と書類を出したんですけど書類で落ちまして。
gami:(笑)。
山口:あれはビックリしましたよね。僕も慌てて「どうなってるんだ!」って言って事務所に駆け込むっていうね。
hidek:zigorouさんに当時、チャットかなんかで「zigorouさん、書類で落ちたんだけど」(笑)。
山口:僕から聞いたんじゃなかったっけ? なんか、「どうなってる?」って聞いてたら……。
hidek:いや、お祈りメールが来たんですよ、お祈りメールが。
gami:(笑)。
山口:いやー、まだあのころは、HRの体制とかも、そんな「積極採用!」みたいな感じじゃなかったですからね。
hidek:まあでも、書類面接で落ちても執行役員までなれるよ、っていう。まあ、これ、持ちネタなんですけど。はい。
gami:聞いている人はちょっと勇気づけられるかもしれない。
山口:仲の良し悪しを語るエピソードじゃないよね。
gami:たしかに。
hidek:おもしろ持ちネタです。
山口:(笑)。
gami:(笑)。馴れ初めなんかもお聞きできればと思います。よろしくお願いします!
山口:よろしくお願いします。
hidek:はい。今回、zigorouさん、amachangからのご紹介ということで、amachangからメッセージいただいています。「後輩の面倒見がよかったzigorouさんでしたけど、最近でも弟子は育ててますか? コロナが落ち着いたら、昔の同僚で集まって同窓会しましょ!」ということなんですけど。amachangとはあれですよね、さっき冒頭の自己紹介でおっしゃってたサイボウズ・ラボ?
山口:ガイアックス。二社一緒なんですよ、連続。
hidek:あ、なるほどなるほど。当時から、師匠・後輩の仲だったんですか?
山口:ま、そんな感じなんですかね。ちょっと今や、おこがましいような気もしないでもないですけど。最初はね、今だとTwitterナンパとかするじゃないですか、エンジニアを。
hidek:(笑)。
山口:しない? あ、しない。僕、たまにするんですけど。で、当時だとmixiかな、mixiのコミュニティかなんかで「ちょっと面白い活動している人がいるぞ」っていうことで、何人か知り合って。で、その人に間接的に紹介してもらったのかな。別の人に。で、そしたら「たしかに面白いな」っていうので仲良くなって。2回くらい飲みに行ったりしたんですよね。
hidek:ふーん。
山口:それで、「あ、この人すげー面白い人だな」と思って、ハイヤリングしよう、っていうのでガイアックスにシュッと採用した、って感じですかね。
hidek:あ、じゃあ、ガイアックスはzigorouさんの紹介でamachangは入った?
山口:そうそう。
hidek:あ、そうなんだ。へー。知らなかった。
山口:あ、知らなかった? そうそう。
hidek:うん、はじめて聞きました。じゃあ、そこからサイボウズ・ラボにも一緒に行って。
山口:そうそう。ちょっと前後した、というか、僕の方が少し早く入って、って感じで。そして、僕が先に卒業する、っていう感じでしたね。
お二人の馴れ初め、DeNA時代の話
hidek:なるほど。そんなamachangからの紹介なんですけど、冒頭、先ほどネタで話しましたけど、僕は、DeNA入ったのがzigorouさんの紹介で。当時、僕、KDDIのウェブコミュニケーションズっていうウェブホスティングの会社でtoB向けにやってたんですけど、「toC向けでやりたいなー」っていう話をしている中で、Perlコミュニティで一緒に、知り合い、顔見知りで、紹介していただいたんですけど。僕が入ったとき、zigorouさん、結構、これ言っていいのかな、腐ってましたよね(笑)。
山口:(笑)。よく言われますね。今だから時効だと思うんだけど、いわゆるPerlコミュニティの常識と当時の「DeNAのPerlの使い方」みたいなところにだいぶギャップがあってですね。多少オブラートに包んだ方がいいんだよね? で、最初のころは結構、書き方とか現代のソフトウェアエンジニアからしたら相当怒られるんじゃないか、みたいな書き方をしていた、っていう悪しき伝統みたいなのが当時はあって。で、それを「どうにかしないとね」みたいな話で、結構、愕然としていた、っていうのが序盤はありましたね。でも、2〜3ヶ月だったけどね。ちょうどhidekさんに声かけてるころが一番のピークで。
hidek:なんでそんなときに声かけるんですか?(笑)
山口:違う違う。声かける前。うーん、あとくらい? 声かけたあとくらいにちょっとトーンダウンしてて、っていう。
hidek:え、でも入社したときに、「zigorouさんが辞めそう」みたいな話を聞かされて。
山口:え、ないでしょ(笑)。
hidek:いや、わかんないけど。
山口:ないないない。ちゃんとモチベーション高くやってました。ただ、なんか、hidekさんが入社した直後とかは、まだ、オープンプラットフォームやるとかやらないとかって決まってなかったじゃないですか?
hidek:そうですね。うん。はい。
山口:で、まだ、その当時のMobageとか、方針がきちんと定まってなかった、っていう。定まってないというか、「次どうしますか?」みたいな。
hidek:そうですね。
山口:当時って、3Dアバターとかを売っていた時代だったので、次の一手っていう意味で言うとまだ決まっていなかったので。たしかに不安、不安じゃないけどね、「次どうするんだろう」みたいなのっていうのはありましたね。
hidek:なるほど。
山口:なつかしいですね。
hidek:なつかしいですね。まあそんな中で、Mobageをいわゆるプラットフォーム化して、デベロッパーさんにゲームを出してもらう「オープンプラットフォーム構想」っていうのが始まって。そこで一緒に働くようになった、っていうのがきっかけですね。
山口:そうですね。hidekさんが、まず最初に上の方で戦ってくれたので、方針としてちゃんとオープンなプラットフォームになってよかったです。
hidek:ギリギリでしたけどね(笑)。でも、あのとき、オープンプラットフォームをやって、ビジネス的にもまあまあうまくいって、チームもどんどん拡大する中で、僕がマネジャーになる引導を渡したのはzigorouさんですからね。
山口:僕、悪いことばっかりしかしてないじゃないですか(笑)。
hidek:(笑)。忘れもしないですよ。僕がPM的な動きもしていて、そのときに伝え漏れがあったんですよね。仕様が漏れてた、要件が漏れてた、みたいなやつで。で、チームの島に戻ったらzigorouさんがガチギレしてて、「お前、コード書くかマネジメントするかどっちかにしろ」って言われて(笑)。
山口:あー、言ったかもしれない(笑)。何回かブチギレたことありますよね。
hidek:それで、言われて、そのあと直後に、当時、直属の上長が守安さん。で、守安さんに、評価面談だったんですね。行ったら、「お前、どうすんの?」って話になって。直前にzigorouさんに言われたばっかりだから、「いや、もうマネジメント行こうと思います」っていうのを言ったのを覚えてます。
山口:それ、でも、いつくらいのタイミングだろうな。なんか、個別の話になっちゃうけどさ、最初にデベロッパー向けにサンドボックス環境を出したじゃないですか。で、あれとか、たぶん、直前までhidekさんのやつが「夏休み終わりの宿題」みたいになってたじゃないですか。
hidek:(笑)。
山口:「いつまで経ってもできない」みたいな。「早くコード書けよ」みたいな話をしてた記憶があって。で、1週間前くらいに「俺、神降りてきた」みたいなこと言ってたじゃん。
hidek:はいはい(笑)。
山口:1週間くらいで書けるって、「あーやっぱやるなぁ」とか思った記憶が。まだ、そのころは引導は渡してない。たぶん、翌年くらいでしょ? 2010年の出来事なんだよ、きっと。
hidek:そうそう。いわゆる「ヤバゲー」って言われてた「Yahoo! Mobage」をやるちょっと前とか、そのくらいかな。
山口:たぶん。ヤバゲーのときもそんなに書けてなかったもんね。
hidek:うん。
山口:ってか、「ヤバゲー」っていうのが普及してるのがすごいよね、これね(笑)。「Yahoo! Mobage」のことです。ナチュラルに言っちゃった、今。
hidek:(笑)。
山口:でも、なつかしいですね。
DeNAからベルフェイスへ転職のきっかけ
hidek:はい。で、僕の方がDeNA、先に去ることになって、僕はメルペイに行って。で、最近、結構、対外的にもいろいろ報道されていますけど、ベルフェイスさんに移った。
山口:そうですね。
hidek:なんか移ったきっかけとかってあるんですか?
山口:まあ、そうですね。そもそもDeNAに12年弱もいるなんて、当初は全く思ってなかったし。あと、途中途中に振り返るタイミングみたいなのがちょいちょいあって、何度か「辞めようかなぁ」みたいな気持ちもなきにしもあらずだったんですけど。ちょうどいいお話とかがちょこちょこあって居続けたんですけど、一定落ち着いたことで、割りと「やり切った感」っていうのがあったんですよね。いわゆる、ゲームというのを中心にしたプラットフォーム開発というところで言うとやり切ったかな、と思ってて。まあ、次のキャリアを考えるのにちょうどいいタイミングではあった、っていう感じですかね。で、いろいろ模索してて、って感じですね。
hidek:うん。で、そのタイミングでベルフェイスさんからお声がかかった、って感じですかね?
山口:そうですね。なんだろう、話的には入り組んでいるけど。僕自身が自分で今、会社をやってて。いろいろな会社の技術顧問とかをやったりとかしている、っていうところの活動の一環で、ベルフェイスと関わりが出てきて。最初は、ゆるやかにいろいろな意見とかを言ったりとか、あとは採用面を手伝ったりとか、少しずつ関わりを増やしていったんですけど。そのやりとりをしている中で、社長の中島から、「どうしてもzigorouさんがいいです」みたいな感じのコミュニケーションを受けて、そろそろいいかな、っていう。中島がすごい面白い人間なんで。
hidek:なるほどね。
山口:あと、自分で技術顧問で関わっていて、いろいろな人と話たりとかして、チャレンジとしては面白いかな、って思ったっていうのはありますね。
hidek:うんうん。僕らの共通の経営者っていうかCEOで言うと守安さんっていうのがあって。で、今、中島さんっていうところと馬が合ってジョインして。僕も青柳さんと馬が合ってジョインしたわけですけど。中島さんってどういう人なんですか?
山口:すごくエネルギッシュな人だし、すごく自信があるというか、「こうだ!」みたいな感じで自分で思い込める力が強いって言うのかな。あとは、すごくプロモーション力がありますね。プレゼンとかすごくうまくて、「人を惹きつける力」みたいなのがすごく強いんですよ。悪く言うと「たらし」みたいな。
hidek:(笑)。
山口:っていうところがあったりして、すごく魅力があるなぁ、っていう人ではありますね。
hidek:ふーん。
山口:あとは、アイデアマンですね。アホみたいにアイデアばっかり湧き上がってきて、むしろ「ちょっと落ち着いて!」っていう風に言いたくなるような人ではあります。
hidek:うんうん。まだ、年齢的にもお若いですよね?
山口:僕の9個下かな。今、35歳くらいなんですよ、たしか。
hidek:若いですよねぇ。
山口:若いんですよ。でも、そういった得意なところを除くと中学生みたいな人ですけどね(笑)。
hidek:(笑)。
山口:若いなぁ、って思うときもあります。
CEOとCTOの関係
hidek:なるほどね。うんうん。守安さんって、もともとエンジニアリングをちょっとかじってた、っていうところもあって、結構、技術に対する理解が高い一方で、それに対するハードルも高かったなぁ、みたいな思いがあるんですけど。中島さんってCTOとして相対するときに、技術に対する理解だとか、もしくはそこは全部お任せとか、タイプはいろいろあると思うんですけど、どんなタイプですか?
山口:たぶん、相手によるんじゃないかな。中島から見たときの僕とかあるいは僕の代わりの役目とか次第だと思ってて。これは別に技術に限らずなんですけど、どれくらい黙って見ていられる状態を作れるかどうか、みたいなところで、距離感っていうの? みたいなのをコントロールしているんじゃないかな、と思います。そういう意味で言うと、僕は今、だいぶ任せて……、「だいぶ」って言うか「ほぼ」任されてるって感じですね。
hidek:へー。
山口:本当に「お気持ちの表明」くらいしかしない感じです。むしろ僕の方がああだこうだ言う感じです。
hidek:同業社長だと、意外とそういうところ口出ししそうというか、得てしてマイクロマネジメントしがちだな、という印象があるんですけど、そんなことないんですね。
山口:いや、去年とかはまさにそういう感じで、結構、失敗の連続で。で、だいぶ叱ったんですよ、「コラッ!」って。
hidek:(笑)。それは技術顧問として?
山口:いやいや、入社してから。
hidek:あ、入社してからね。へー。
山口:うん。入社してから1ヶ月経たずに、結構、指導して(笑)。
hidek:(笑)。
山口:今はちょっと言うこと聞いてるフリをしてるのかもしれないけど(笑)。でもね、ベルフェイスって「Be honest」っていうのが「7Values」っていう、なんていうんだろう、そういう会社のやつあるじゃん?
hidek:行動規範とかね。
山口:そうそう。行動規範。あれに「Be honest」っていうのがあるんですけど。「みんな正直に言い合う」ような文化があったので、社長にそういうことを言っても怒んないし、むしろ、すごく重く受け止めて、年明けから率先して行動を変え始めた、っていう感じなので。ちゃんと反省して行動に活かせる人ではあるんですよ。
hidek:うんうん。DeNAの「発言責任」みたいなやつですね。
山口:あー、「発言責任」ですかね。なんだろうなぁ。「発言責任」とともに、一時期「傾聴責任」もセット、みたいな話もあったじゃないですか?
hidek:そうですね(笑)。
山口:そういうのではないかな。じゃあ、「Be honest」だからってオブラートに包め、みたいなことが言われているか、っていうとそんなことはないし。「発言責任」とはちょっと微妙にニュアンスが違う気がする。「言いたいことはちゃんと言おうね」みたいな。
hidek:うんうん。なるほどね。メルペイ、僕、青柳さんと働いているんですけど、彼、やっぱり2周目っていうところもあって、学んでるっていう言い方をするとあれですけど、ちゃんと技術との向き合い方、ちょっと離れなきゃいけないときとか、口を出さないといけないところ、「すごく上手だなぁ」というのが印象としてあって。
山口:うんうん。
DeNAのCEO守安さんの退任が想定外にエモい話
hidek:そういった意味で言うと、我らが守安さんは、1周目なんだけど、もともとエンジニアだったっていうバックグラウンドもあって、結構、そこに対する知見ももともとあったし、技術・プロダクトに対しては突っ込んでくる人でしたよね?
山口:うん。僕は特に「プロダクトについて突っ込んでくるな」と思ってて。
hidek:あー。
山口:あの人、ほら、すごく確率が低く起こる不具合を自らヒットするじゃないですか?
hidek:はいはい(笑)。
山口:一回、守安さんの携帯、守安さんの部屋まで借りにいったことありますからね(笑)。
hidek:(笑)。
山口:「中身は絶対見るなよ」って言われましたけどね(笑)。QA端末として。守安さんの端末でしか起こらなかったので。「なんで起きたんだろうな?」って。
hidek:すごいですね(笑)。めっちゃ使い倒しますよね、プロダクトね。
山口:使い倒すね。あと、データ大好きですよね。
hidek:あ、データ・数字大好き。
山口:うん。数字大好き。毎日数時間見てるんじゃないか、っていう説が流れるほど。実際そうなんだろうけど。
hidek:かつね、本当にね、細かいところまで覚えてるんですよね。あれがすごいなって。
山口:いやー、すごいよねー。一回、Yahoo! Mobageのローンチ直後くらいにインシデントあったじゃないですか。
hidek:はい。ありましたね、大きいのね。
山口:あのときとかもね、最上階の会議室かなんかに集められたときに、守安さん、めっちゃうれしそうだったからね。
hidek:(笑)。
山口:「最前線に来た!」みたいな感じで(笑)。すごいなつかしい。
hidek:守安さん、あんまり失敗したこととか障害とかで怒られたことってないんですよ。
山口:怒んないですよね。僕も泣きついたことあるもん。とあるAPIがさ、とある問題で溢れた事案、覚えてない?
hidek:おー、ありましたね(笑)。
山口:どことは言わないけど、あるAPI。あれのとき、僕、珍しくテンパってしまって。
hidek:はい。
山口:ていうのも、ずっと直前から対応を計画的に進めてたんだけど、最後、予定よりも寿命縮めたのは僕のオペレーションミスだった、っていうね。
hidek:なるほど(笑)。
山口:それでちょっとテンパっちゃって。で、守安さんにちょっと謝りに行ったときに、「落ち着いて!」って言われて。意外と優しいんだな、って思って(笑)。こんなに優しい言葉を発してくれるんだ、と思って。
hidek:(笑)。そう。失敗とかで怒られたことないですね。説明ができないだとか、そういうときは詰められるというか。説明できなかったことが一番あれかな。
山口:そうだね。あと、一貫性がないこととかは怒られる傾向があるかなー、という気はしますね。
hidek:あ、そうそう。「この前、こう言ってたの、どういうこと?」みたいな。うん。
山口:めっちゃ覚えてるんだよね、それがまたね。
hidek:いやー、そうなんですよ。記憶力が半端じゃないんですよ。
山口:うん、記憶力が半端ない。
hidek:そうなんですよ。
山口:一回、僕、守安さんとふたりで大久保に行ったことがあるんだけど、僕ははじめての業種の方だったので、一生懸命、議事録とか取ってたんですよ。でも、守安さん、なんか変な服を着てるじゃないですか、よく、お笑い芸人みたいな。
hidek:はいはい。
山口:「どうしたのそれ? たぶん一年に一回くらいしか着ないでしょ」みたいな服で来て、そのときも(笑)。これ大丈夫かな、あとでクレーム入らないかな、守安さんから。
hidek:大丈夫じゃん?(笑)
山口:大丈夫だよね。で、来て。手ぶらで来て、「おう!」とか言って。で、向こう行ったら、本当、全部その場で理解して、ガンガン質問してて。で、「せめて僕、議事録くらい投げなきゃ」と思ったら、もう、僕の手元の議事録よりもはるかに素晴らしい議事録がシュッて投げられてて。完封されましたね。
hidek:いやー。
山口:この人優秀だわー、と思って。
hidek:(笑)。そんな守安さんもね、先日、退任を発表なされて。
山口:そうですねー。
hidek:結構、僕ね、感慨深くて。というか、ちょっと……。
山口:なんか、エモいツイートしてましたよね。
hidek:しました。ツイートもだし、実は、このタイミングではじめて守安さんとFacebookでつながったんですよ。
山口:なんだと!?(笑)
hidek:(笑)。結構ね、僕の中で、「守安さんとつながってない」っていうのはもうネタ化してて(笑)。
山口:へー、知らなかった、それ。
hidek:全然、レコメンドで当然、出てくるわけですよね、「もしかして」みたいな。
山口:うんうん。
hidek:出てくるんですけど、なんて言うんだろう、意固地になってつながってなかったんですけど。ちょっとね、流れてきて、「うっ」と来て、つながりました(笑)。
山口:(笑)。
hidek:で、コメントしました。
山口:なんか、「落ち着いたら飲もう」とか、ないしは、「もう飲んだ」とかないんですか?
hidek:いや、まだですね。まだ、全然。はい。だってまだね、6月とか。
山口:うん、6月とかだと思いますけど。えー、でも、次何やるのかとか、すごい楽しみですよね。たしか、Facebookか何かで書いてたけど、「インターネット大好き!」みたいなことも書いてあるしね。
hidek:うん。
山口:「引き続きやるぞ!」みたいな感じのことを書いてあったので、すごく楽しみですね。
hidek:そうですね。ぜひぜひ。川崎さん、CTOみたいな人が辞めたときも、守安さんも結構詰められた記憶が多いので、あんまりエモくならないかな、と思ったけど、ちょっと来ましたね、「うっ」と(笑)。
山口:でも、それはありますよ。僕も、あのニュース流れたとき、「いつかは」とは思ってたけど、そうかー、と思って感慨深かったですからね。DeNAの人と結構飲んだりとかするんですけど、今、オンラインとかで。
hidek:はい。
山口:そのときとかも、残ってる人よりも僕の方が感傷的でしたからね、どっちかと言うと。
hidek:(笑)。外に出て思い出すと、守安さんの人柄だとか、さっきも言ってた「失敗では叱らないけど、一貫性のないことには突っ込んでくる」みたいな、そういうのが見えてきたかな、という風に思いましたね。
山口:いざ、仕事を離れるとお茶目な人だしね。なんだかんだ言って。
hidek:まあ、ヤンチャでお茶目な人ですよね。
山口:そうそう(笑)。
hidek:(笑)。
山口:一回、歌舞伎町でETみたいになってましたけどね。タクシーに無理矢理乗せられて(笑)。
hidek:(笑)。
山口:ああいうのとか、なつかしい思い出ですね。
hidek:一回、川崎さんからいきなりメールが来て、動画のメールが来て。川崎さんがどうも僕が守安さんとのコミュニケーションに悩んでる、みたいなことを言ったみたいで。
山口:あ、なんかそれ聞いたことある気がする。うん。
hidek:守安さんが、「木村さん、好きだよ!」みたいな、ベロ酔っ払ってるやつが来て(笑)。
山口:それ、なんのフォローにもなってないけどね(笑)。
hidek:そうそう。「そういうところだぞ」とか思いながら(笑)。
山口:面白い、それ。
hidek:本当にかわいい人でしたよね、はい。