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麺屋ととのう。の名前に吸い寄せられた話
さーて、今日はどこのサウナに行こうかな。
アプリで、自分の「イキタイリスト」をスクロールする。
今日は外気浴が心地良さそうな気候だな〜と思い、ずっーと気になってた五色湯さんへ。
仕事を終えて、最寄駅の要町駅に着く頃には20:30近くとなっていた。ぐう。あまりにお腹が減っている。
なんだかすごくラーメンが食べたい気分だ。
ラーメン、で検索しようとGoogleマップを開いた矢先、驚きの文字が目に飛び込んできた。
麺屋ととのう。
え、ととのう...?
ラーメン屋調べようとしたのに空目か...?と思いながら、サウナーの目の前に瓢箪から駒な店名じゃないか。行くしかない。店主、絶対サウナ好きじゃん。
おひとり様サウナーにして、人と話すことも好きな私は、淡い期待を胸に足の向かう先を決めた。
普段は早稲女の生態を持つのでラーメンのお味に口うるさく、食べログやGoogleマップの口コミ、SNSも駆使して味への妥協は許さない。
そんな私が店名以外の事前情報ゼロで辿り着いた、麺屋ととのう。さん
![](https://assets.st-note.com/img/1697196424202-QlxQdzZNul.jpg?width=1200)
サウナと関わりのあるお店なのかな。いや、まだ分からないぞ、と思いながら入店。
「いらっしゃいませー!」
明るいお出迎えにほっと胸を撫で下ろす。
入り口すぐの券売機。ボタンに目を泳がせていると、目に飛び込んできた「ロウリュ飯」の文字。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/118976368/picture_pc_2332312bef16ee889d19f580a73d84ac.jpg?width=1200)
...店主サウナ好きじゃん。
少し悩んで、汁なしたんめんのチケットを買って奥の席へ向かう途中、右手に置かれたチラシが目に入る。「妙法湯」
...店主サウナ好きじゃん。
なにやら、辛さを選べるらしい。
激辛好きなのにお腹はあまり強くないという残念な矛盾を抱える私は、おすすめ!の3辛を選ぶ。
5辛には「ある意味...ととのいます。」の文字。
そろそろ、皆さんもご一緒に。
...店主サウナ好きじゃん!
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/118976532/picture_pc_21e460eb8dc572dcfcca397d8ab78358.jpg?width=1200)
店主さんに食券を渡しながら「ネギ抜きお願いできますか?」と聞くと、「できますよ!」との二つ返事にほっとした。
ほら、初見のラーメン屋さんはお作法分からないからね。カスタマイズに難色を示して、郷にいれば郷に従え系のお店かもしれないから。
たんめんを待つ間に目に入ったQRコード。何やら公式インスタがあるらしい。
ははん、ここにサウナとのつながりがあるんでは?と、さながら潜入捜査官の眼差しで開いて見てみたが、サウナに通ずる情報はこれと言って目に留まらなかった。
一方、子ども食堂を支援してるとのフィード投稿が目に入る。
ああ、こういう優しさのあるお店、好きだなと心が温まる。
...はっ!ここはサ室なのか?
そんなことを妄想している内に、ほんとに名前だけで巡り合えた一杯は、こちら!
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/118976647/picture_pc_008915e80c9f9997b2cffc37ca7fba70.jpg?width=1200)
めちゃ美味しそー!!
気付いたときには、器は空になってました。
空腹は最高のスパイスよ、とはよく言ったものだけどそれを抜きにしても、ネギを抜きにしても、とっても美味しかった。
「追い飯ありますよ」も店主さんの笑顔。この後の五色湯を思えば腹八分目にしておくべきところ、しっかり頂いて満腹になりました。
あー、ととのったなぁ、と、帰りの電車を一瞬思い浮かべた思考を引き戻して、我にかえる。
...今日の目的は、五色湯だ!
その手前で出会ったお店の魅力によって、うっかり帰ってしまうところだったわい。
立ち上がってお店を出る時、どうしても気になって店主さんに声を掛けた。
「...あの、やっぱりサウナお好きなんですか?」
にっこり微笑む、店主さん。
「そうですね、そういうコンセプトでやらせてもらってます」
拾い集めてきたピースの最後の1つが手に入り、ぱちんと一枚絵の完成する音がした。
「やっぱりそうなんですね!私も好きで。今から五色湯行ってきます!」
「いいですね〜、行ってらっしゃい!」
お店を出る、私の足取りはとても軽かった。
サウナを出る時のそれと、同じように。
平日5日間を駆け抜けて、余裕のすっぴんで訪れたおひとり様にも優しく、お店の名は体を表すような、優しくととのう、お店でした。
五色湯さんや妙法湯さんの前後に、ぜひ。