企業経営者の孤独~事業承継の相談は誰に?
経営者は孤独だろうと感じることがあります。
もちろん相談相手もたくさんいて、寂しくなんかないよという経営者の方もいらっしゃるでしょう。
企業として従業員を雇用した時から、経営者としての自覚と責任が生まれ、他人には相談できない悩みや苦労を抱えるののではないかと思います。
第三者に事業承継し、経営権を譲渡してリタイアされたあるオーナーさんから「個人保証も解除されて本当に安心している。これで手形決済の心配もなくなった。現役の頃は良いこともたくさんあったが、資金繰りには苦労した時期もあった。今からは安心して旅行にでも行くことができる。」と言われた事があります。
肩の荷がおりてホっとされた笑顔を見て、本当に良かったなと思っていたところ、ほどなくして、そのオーナーさんは亡くなられたと聞きました。おそらく株式を譲渡した代金や退職金はご自身ではほとんど使われなかっただろうと思います。
資金繰りや手形決済を心配して眠れない日もあったのでしょう。かといって、従業員にはもちろん、家族にも心配を掛けないように相談できなかったのではないかと思いました。
コロナ禍で業界の会合も減り、同業者の社長同士で話す機会もなくなり、ますます孤独を感じておられる経営者の方も多いのではないでしょうか。
本文のタイトルはアラン・シリトーの小説「長距離走者の孤独」に似せてみました。
マラソンやクロスカントリーにはゴールが設定されていますが、企業経営にゴールはありません。何歳になったらリタイアすると早くから決めている経営者の方もいらっしゃいますが、何が起こるか分からない現代では難しいでしょう。
私たちアドバイザーには、経営者の方が抱えておられる悩み全てをその場ですぐに解決する力はないかもしれません。しかし、経営者の方のお話しをよく聞いて、解決に向かう道筋を示し伴走していくことは出来ると思っています。
解決への道は一つではありません。いくつかの方向を示しますので、どの道を進むか、どこで曲がるかは経営者ご自身の判断が必要です。そして事業承継のゴールテープを切るのも経営者ご本人です。私たちアドバイザーは、どの道が険しいか、どこに危険な箇所があるかを示していきます。
企業経営、特に事業承継についてのお悩みがありましたら、一人で抱え込まずに是非ご相談ください。現在進行中で何か不安を感じている場合のセカンドオピニオンでも結構です。
簡単な道のりではないかもしれませんが、ゴールに向かって一緒に走りましょう。
※中小企業庁のM&A支援機関に登録しました。
~後記~
緊急事態宣言中に少し驚いたことです。
旅行情報誌の「るるぶ」はご存じですか?
「るるぶ北海道」や「るるぶハワイ」等が書店に並んでいるのをご覧になったことがあると思います。旅行の目的地が決まったら、旅先でどう過ごしたらよいか、「るるぶ」のような情報誌を参考にして決めていくのも旅の楽しみです。
その「るるぶ」から2021年の春に出版されたのが「るるぶ宇宙」でした。
長距離移動が制限される中での苦肉の策だったのかもしれませんが、宇宙旅行も選択肢の一つになったのかと驚いたものです。しかし、9月にはスペースXの宇宙船で初の民間人宇宙旅行が成功したとの報道もありました。
宇宙については、まだ分からないことだらけです。
宇宙の終わりや真空崩壊等、知らない方が良いようなワードも出てきます。ただ、遠い未来に人類は太陽系から脱出しなければならないことは分かっています。高度な文明を持った宇宙人が助けに来てくれることはないでしょう。
我々地球人も宇宙の中では孤独な存在なのです。
国家間の争いなどやめて全人類が協力してノアの箱舟計画のようなものに着手すべきなのでしょうが、数十億年先の話で危険が迫っていないために共通の大きな課題として認識されていません。
今は太陽との絶妙なバランスで保たれている地球環境に感謝して、数十年先の事まで考えて生活していこうと思っています。