睡眠薬を減量するときに薬以外に必要なこと
睡眠薬の減量の仕方 日本睡眠学会ガイドラインより の続き。
睡眠薬を減量するときに必要なことは、薬の減量方法だけではなく、薬以外に必要なことは多くある。その中で生活の工夫は非常に重要である。
考え方の工夫
・たまに眠れないことはあるのは当たり前
ショックなこと、悩み、嬉しかったこと、楽しみなことがあれば眠れないのは自然なことで、1日眠れないときがあっても問題ない。
・睡眠時間にこだわらない
日中の眠気に困らなければ良い。
・若い頃と比較しない
年をとると眠れる時間は短くなり、浅くなり、夜に暇になる。若いころのように眠れることを目指すのではなく、目が覚めてしまった朝を有効利用することを考えた方が良い。
生活の工夫
・寝室を快適な状態にする
音やライトが入らないようにしたり、快適な温度を保つ。
・規則正しい食生活
1日3食 規則正しくバランス良く取り、夜は脂っこいものや刺激の強いものは避ける。
・飲酒をしない
絶対に必要。「飲まないと眠れない」「飲まないといらいらする」という人は不眠症ではなくアルコール依存症と考えたほうが良い。飲酒しながら薬を飲んで病気が治るはずはない。
・就寝
眠たくなってから横になる。眠りが浅いときは、布団でゴロゴロしているより、遅寝・早起きにして睡眠時間を短くする。
・起床
毎日決まった時間に起床する。これが最も厳しいものの、最も重要である。人間の体は基本的に起きてから16-18時間後に眠くなるようにできている。そのため昼の12時に起きたら、3ー4時まで眠れないのは当たり前である。
・起床後
朝食を少量でも必ず取る。午前中に太陽の光を浴び、PCやスマホなどブルーライトに当たる必要がある。ただし横になったままスマホをしてはいけない。
・日中
布団やベットに横にならず、休むときにはソファーや椅子に座っている。昼寝は15時までの20~30分にとどめる。「横になっているだけで寝てない」は事実ではなく、頭が寝ていることを自覚していないだけのことが多い。
適度な有酸素運動を毎日する。
・夕方以降(眠る4時間前)
カフェイン(日本茶、コーヒー、紅茶、コーラ、チョコレートなど)を避ける。
・眠る2時間前
PC・スマホは見ない、ゲームはしない。水分を取りすぎない。
・眠る30分前
自分なりのリラックス法をする。
寝床での考え事はしない。嫌なことは当然として、楽しいこともあまり考えすぎないほうが良い。ただ なかなか難しい。
リラックス法
リラックス法として様々な方法がある。
・音楽を小さい音で聞く
・目を閉じて目を温める
・つぼのマッサージ
・ストレッチ
・ヨガ
・呼吸法(過呼吸発作のある人は慎重に)
・自律訓練法
など。いろいろと試してみて自分に合うものを見つけるのが良い。
自律訓練法は、有名でしかも比較的簡便であり、そしてちょっと医療っぽい。
眠るという目的だけなら、重くなる、温かくなるという段階くらいができるようになれば十分である。パニック発作のある人は「重くなる」練習より先に「温かくなる」練習と解除の練習をしておいたほうが良い。
参考資料
睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン 日本睡眠学会
睡眠障害対処12の指針 スイミン資料室
健康づくりのための睡眠指針 厚労省2014
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