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アカシジアの治療に併用しないほうが良い薬
統合失調症のガイドラインについて書いた。
その補足の、アカシジアの治療に併用しない方が良い薬。
CQ5-6(3)アカシジアの治療
強い不安、焦燥、希死念慮のとき
積極的に薬の調整、精神療法、環境調整など。
軽度のとき 減量。
高力価FGAsを服用中→SGAsへ変更。
以下の併用はしないほうが良い
※正確には 併用しないことが望ましい と記載されている
抗コリン薬、抗ヒスタミン薬(シプロヘプタジン)
βブロッカー、
クロナゼパム、
抗うつ薬(ミアンセリン、ミルタザピン、トラゾドン)、
ビタミンB6
アカシジアに対する一般的な治療
これらの薬は一般的に使用されているものの、以下の理由で併用はしないほうが良いとされている。
・抗コリン薬
データが少なく、小規模のDouble blind試験でプラセボの筋注と差が無い。
・βブロッカー
小規模の試験で有効性ありというデータと、効果が出るまでに時間がかかるというデータ、有効性が無いというデータも有り など結果が一致しない。
他は小規模の試験で有効性が示されているものの、別の副作用が出現するデメリットがある、適応外であるなどの理由から併用が望ましくないとされている。
しかしアカシジアは、そわそわする、むずむずする、落ち着かない、じっとしていられない、身の置き場がないなど、周囲から見た感じでは軽度でも本人の苦痛度は強いことが多い。
小刻み歩行や仮面様顔貌などのパーキンソン症状や、口や舌が勝手に動く口唇ジスキネジアは、周囲からかなり気になるものの、本人はほとんど気にしていないということとは対照的である。
症状はある程度安定しアカシジアだけが出ていれば抗精神病薬を減量するのが一番である。
しかし現実的には精神的にもまだまだ不安定なときに、アカシジアも出ることが多く減量は簡単ではない。
アカシジアはその苦痛度から本人が訴える以上、何もしないで様子を見るというのは難しい。
薬の一時的な副作用だからしばらくしたら改善すると説明しても改善するまで待つのはつらすぎる。
結果的に拒薬になることが多い。
たとえプラセボ(偽物の薬)との差がないと分かっていても、何らかの対処をすることが必要である。
そうなるとガイドラインに従うとすれば効果がある程度はありそうで、副作用が少ないと予想される、クロナゼパム、ビタミンB6を使うのが良いのかもしれない。
ちなみに個人的にはクロナゼパム、βブロッカーを中心に使い、アカシジアに不安の要素が強い時にはベンゾジアゼピン系薬の抗不安薬を使うことが多い。